11月30日 草原の国 始末が終わると、次の支度
おそらく平成27年11月30日
剣暦×○年10月30日
草原の国グラスフィールド
王都 僕の屋敷
デミトリが、温泉旅行から帰ってきた。
とってもリフレッシュした顔をしていて、何より。
しきりにお礼を言ってきた。「若返った気分です」
旅を満喫してくれたようで何より。
旅のガイドを頼んでいた温泉専門案内人、犬頭人ユダマリ・ユユキ・メルクリさんにもお礼を言う。
「久しぶりに、案内しがいのある爺様でした」とか言ってたから多分滅茶苦茶したんだろうなあの爺様。
案内料を支払う段になって、「ジョリャ坊ちゃんが大分世話になりましたからね、その分で差し引かせていただきやす」とか言い出す。そんな、オークの国まで引っ張り廻しただけなんだけどな。
仕方ないので、無理矢理渡した。「うちの大事な爺様楽しませてくれたから、その分は受け取ってよ」と言ったら、僕の気持を汲んでくれる、いい犬さんだった。
その後「ところで、後ろに隠した『ミヤゲ』は一体どこに置けば?」と訊かれるので見てみると、馬車2台分のお菓子とか、観葉植物とか、お土産グッズがこんもりと。
デミトリ、渡したお金全部使ったのか?!
確認すると「宵越しの金がもたない主義でございまして。ございまして」とか抜かす。いかんな。放蕩無頼だったころのテンションに戻ってる。
とりあえず、全部応接間に運んでもらった。
部屋の中が物置よりひどくなる。これはお客さん絶対呼べない。
ユダマリさんにお礼を言って帰られた後、さてこのおみやげどうやって処分するかと考える。
近所に配る。友達に配るってしても余るだろうし、なま物もあるんじゃないか?
お土産を仕分けるので一日潰れてしまう。
デミトリが温泉町を3か所巡って買って来たお土産一覧
・温泉の塩分を使って作られたせんべいみたいなお菓子(保存利く)×89箱
・昆布の瓶詰×30個
・温泉地帯でしか咲かない植物の鉢×5鉢
・炭酸泉を利用した瓶サイダー×20ケース
・温泉町の風景画×2枚
・伝統工芸の竹細工×8個
・泉質を利用した化粧水×3箱
・温泉3か所巡るともらえるペナント×1本
・物珍しさに見世物にされそうになっていた、背中に羽の生えた女の子×1人
どうにかして、見なかったことにできないだろうか。