6月21日 紋の国 重臣達に、旗を燃やした(事故。故意ではない)ことをばらす
おそらく平成27年6月21日
剣暦×○年5月21日
紋の国オーバーフラッグ
王城『決して朽ちぬ城』
やっぱ秘匿は無理なので、皆に王旗が燃えて灰になったことを報告する。
ゴダバ陛下、宰相、主だった重臣(僕と陛下の取り換えっこを知っている人だけ)を集める。あとメイドのウルケさんに、ジンさんもいてもらう。
皆を集めて言う。
「ごめん、王権を陛下に返上するために必要な王旗が、燃えて灰になってしまいました」
ざわめき。
しかしどうやら、重臣達はそもそも『王権』というものが何なのかすらわかっていないようだ。そこで、今僕達がいる『決して朽ちぬ城』は絶対に自然腐朽しない建築物という魔道具であり、この城の所有権を持つ者が魔術的な保証を受けてこの国の王として認識されることを説明する。
ざわめき。
先日、この城を襲った『世界廃滅主義者』豊後恵は、その所有権の奪い方を知っており、そのせいでゴダバ陛下は捕まり幽閉されたことも説明。
ざわめき。
彼女から王城を取り返すため城に潜入する際、地下の宝物庫で火を燃やして火事騒ぎを起こしたのだが、うっかり王城の所有権を奪うのに必要なゴダバ陛下の個人旗も燃やしてしまったことを説明。
皆から「いやそれはおかしい」と指摘されまくった。
……だ、だってその場の勢いってあるじゃん?
しかし以外にもその状況を鎮めてくれたのは宰相のナッシュさんだった。一番僕のこと責めそうなのに『その時には、必要な事柄だったのでしょう。それで、我々はどうすれば』とか言ってくれる。ゴダバ陛下も『え? お前そんな動じないキャラだったっけ?』とか驚いていた。僕と一緒に東端神殿を見に行って以来、若干のキャラの変化があるようだ。
男子3日会わざれば、というやつである。
とりあえず、説明した。急ぎ、王旗の複製品を作りそれをゴダバ陛下の手で城の頂上に掲げなければならない。
すると、外務卿のブレイズさん(以前僕を捕まえようとしてタマちゃんにドロップキック決められた人)が言う。
『実際、ここにゴダバ陛下いますよね? 王権だの魔術だの言ってますけれど、この城の主がゴダバ様だって、私達皆わかってるのに、それ以上に何かいるんですか?』
百聞は一見にしかず。
全員で玉座の間に移動し、ゴダバ陛下に玉座に座ってもらう。
尻が椅子に触れた瞬間、大きな破裂音がして陛下が吹っ飛ぶのを皆に見てもらった。
その後、僕がどっしと玉座に座るのも見てもらう。
『こういうこと。この【城】自身から所有者と認識された者しか、玉座に座れないの』
名実ともにゴダバ陛下しか王はいないけれど、王であるという名分を立たせるためには、玉座は必要なのである。
そういうわけで、口が堅くて仕事の早い織物職人を探すことに。
できれば、26日までには王様を替わりたい。