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かんてらOverWorld  作者: 伊藤大二郎
目指せ退位! オーバーフラッグ王カンテラ編
262/363

5月28日 紋の国 新王様と紋国専属契約案内人ゴリラ・ムーゲン・フォロイア

 おそらく平成27年5月28日

 剣暦×○年4月28日


 紋の国オーバーフラッグ

 『決して朽ちぬ城』



 午前中、いつも通り執務室で専門用語が飛び交って全く理解できない報告書に目を通すふりをしていたら、宰相が一人の獣頭人を連れてきた。

 前をきっちり締めた黒いコートを来た、大柄で服を内側から盛り上がった筋肉が持ち上げている。見るからのマッチョ。

 何故か、可愛い子猿の面をつけていた。

 オーバーフラッグ専属契約案内人だと、紹介される。

 長期契約期間が切れて、更新を行いたいということのようだ。 

 と言っても獣頭人と面と向かい、口頭で契約延長の希望を口にすればそれで完了という、形式的なものだ。今は僕が王様なので、僕の口から契約更新を述べる必要がある。建前というやつだ。

 案内人が仮面を取ると、中から堀の深い猿顔が現れた。

 というか、ゴリラだった。

 猿頭人だった。というか、うん。

 ゴリラだった。

 その子猿のお面にはどういう演出の意図があったのか。

 猿頭人は、見た眼通りの低いバリトンボイスで歌うように自己紹介した。

『お初にお目にかかります。オーバーフラッグ専属契約案内人、ゴリラ・ムーゲン・フォロイアと申しますウホ』

 名前もゴリラだった。

 なんで? なんで語尾にウホつけたの?!

 とりあえず、形式通りなんか呪文みたいな格式ばった口上を述べて、ゴリラさんが頷いて、契約は完了した。

 それでは、と退室しようとする宰相と案内人を思わず呼びとめてしまい、訊いた。

『あの、その子猿のお面は、何なの?』

 案内人は答えた。

『幼少のみぎり、ゴダバ様が私のために手ずから御作りになった面でございます、ウホ』

 だから、語尾にウホつける意味ないやん!


 しかし、このゴリラさんは、そんな昔からこの国の王様と懇意にしていた、ということなのだろうか。

 少し、先王ゴダバ陛下に興味が湧いた。

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