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かんてらOverWorld  作者: 伊藤大二郎
エルフロードを越えて! フロッグワード入国編
247/363

3月26日 エルフの国  最後の七ヶ所が判明する。

 おそらく平成27年3月26日

 剣暦×○年2月26日


 エルフの国フロッグワード

 王都オトヤ 秘宝探索委員会本部の仮眠室にて



 最後の七ヶ所について、聞きとりができた。


①エルフ王は40年おきに、エルフ領北東端の神殿に一人で礼拝を赴いている。その神殿に奉納されたものの中に秘宝についてなにか手がかりがあるのかもしれないが、その神殿の司祭が行方不明のため、聞きとりができずにいる。ニオ姫も、詳しく教えてもらっていないらしい。


②国の重要文化財として指定された【楽器として作られる弓】について、先代国王が職人に何かを発注していた。何かてがかりがあるはずだが、職人頭は鋳型に流し込んだような偏屈な頑固爺で【陛下より命ぜられて作ったものを、他の誰にも見せる気はない】と言って聞く耳を持たない。


③エルフ国立図書館にある禁書の中に【初代エルフ王の書記】があるはずだから、それを見れば何かわかるはずなのだが、初代エルフ王より誰にも見せるなと命ぜられた書守の一族が頑なに拒む。


④先代国王の祐筆を務めていた老人が、秘宝に関する手紙を一度だけ代筆したという証言を得る。そのことを訊こうとしたが、先王の死に殉じるように、ぽっくり逝ってしまう。その手紙が紋の国オーバーフラッグのある商家に届けられたというところまでは突き止めたが、その商人が一体誰なのかがわからずにいる。


⑤エルフ王族が他のエルフに比べて平均寿命が長いことから魔道具『飲むと老化を抑制する酒』を湛えた杯か壺が国宝である可能性が非常に高い。しかし、エルフ政庁は100年前に、魔女会社と取引し、国内の魔道具の一斉摘発を行っているため、それが残っているとは思えない。ならば、魔女会社内にエルフ印の押された容器があるはずだが、照会に対して魔女会社からは一切の返答がない。


⑥調査の結果、エルフ国以外の6国には、『北からやってきた耳の長い男が、土地の女の笛の音に合わせて舞うと、麦が異様に生長し豊作になった』という御伽話が必ずある。しかも、その御伽話は先代エルフ王即位と前後する頃から語られ始めている。結論から言えば、世界中を巡り、お伽噺に語られる人物になることが、エクスキューダーになることが、王位継承の条件ではないかということ。


⑦王家の宝物庫の片隅に落ちていた鞘。何故か、剣国のチートブレード王家の紋章が入っていた。何故ここにあるのか由来のわからぬ品。しかし、人間に訊くわけにもいかないので、見なかったことにして倉の隅に安置している。



 多分、この七つのどれかが王位継承の秘宝ミキテルなんだろう。

 また、面倒なものだけ選んで残してくれたものだ。

 仕方ないので、来月の30日までに全部解決することにした。

 カンテラの本気見せてやろうじゃないの。

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