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かんてらOverWorld  作者: 伊藤大二郎
エルフロードを越えて! フロッグワード入国編
235/363

3月14日 エルフの国  王妃の住む僧院に泊めてもらう。

 おそらく平成27年3月14日

 剣暦×○年2月14日


 エルフの国フロッグワード

 王都から少し離れた湖畔の尼僧院



 エルフ先王オーガ・フロッグワードの妃。

 現王位継承者ニオ・フロッグワードの実母。

 王様が死んだ後は、尼僧として僧院で静かに暮らしている女性の名は、シャルラトホテップ・フロッグワード。

 カクさんと、案内人としてエルフのシャラク・ウラさんを連れて、王都から少し離れた湖畔のほとりにある、尼僧院へ行く。


 案内されて、まじびびった。

 エルフの国の女王が、ダークエルフだなんて、誰が想像したよ。

 王妃曰く【公務にも顔を全く出しませんでした。私がダークエルフだということを知っている者は、城でもほとんといません】

 そ、そうだったのか。

 さらに曰く【ですので、ニオともほとんど顔を合してはおらずあの子からしてみれば、血のつながった他人でしょうね。むしろ、乳母であるクニヨ・シ・シュテンの方を慕っているでしょうし、グイ・シーマンズの方が家族と思っている節もあります。私が陛下の死に耐えられずここに逃げてきても、何も言わずに置いてくれる】

 ……そういう関係だったのか。

 よく、僕と会ってくれたもんだ、と思ったら、【生前、陛下はこう仰っておりました。【カンテラは信用できる。私が円形脱毛症を……】だってさ。


 少し歓談し、お互いの人となりをわかりあったところで、一番訊きたかった、大切なことを訊く。

 質問。

「何故、ニオ殿下は男の恰好で育てられたのか」

 回答。

【私が、ダークエルフだからです。もし、生まれる子が世継ぎとなる男の子でなければ、殺される手筈でした】

 

 一番聞きたくないパターンの話題だった。

 ダークエルフが、エルフから差別されているなんて、知らなかった。

【まあ、本当は婚約者もいた陛下を略奪して子を為したせいというのもあるのですが】

 一番聞きたくないことを言いやがった。

 しかも、その婚約者というのが、ラ=セツ家の惣領娘、オンナ・ラ=セツという少女で。

 その少女は成長し、今はラ=セツ家の家名と、代々の名乗りを継承して、テッサイ・ラ=セツと言うそうな。


 あの女宰相か。



 こ、この王妃とんでもねー爆弾僕に預けやがった。




 その日は、尼僧院の敷地外にある男性用の小屋で一泊。

 明日王都に帰るのが嫌になってきた。

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