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かんてらOverWorld  作者: 伊藤大二郎
エルフロードを越えて! フロッグワード入国編
222/363

2月27日 エルフの国 夜明け前に王都オトヤに到着 三大派閥長と話をする。


 おそらく平成27年2月27日

 剣暦×○年1月27日


 エルフの国フロッグワード

 王都オトヤ



 今朝、というか夜明け前に王都オトヤに到着する。

 さて、朝になって城に入れるまでどうやって過ごそうかと思ったら、僕の到着を待っていたダークホビット忍者の案内で、城に案内される。

 城の中には、僕とカクさんだけ。従兵 (という扱い)のアームさん達騎兵組や同行人というだけのスケさんやタマちゃんは入れないのでお留守番。

 不安だから一緒に来て欲しいなと思い「スケさんは獣頭人の偉いさんだし一緒に来てもいいんじゃない?」なんて訊いたら「うーむ、おそらくギリギリアウトなのである。行ってらっしゃいなのである」だってさ。

 城に入る。

 流石に時間的にニオ王子は御就寝中だったが、四人のエルフが僕の到着を待ち構えていた。

 会った順番にメモ。



・外務卿

 ヒロシゲ・ウラ。ハンサムなオジサマって感じの中年エルフ。僕の友人であるシャラクさんの伯父に当たる人。剣祖共通語を喋れる。にこにこ笑っているが、値踏みしてくるような眼をしていた。エルフは今まで独立性を保ち、他国からの影響を排除してきたが、それも限界がきている。エルフの国フロッグワードと諸国の関係は友好的に発展していくべきだと考えており、未だ見つからぬ秘宝ミキテルの所在をはっきりさせ、国内外にエルフの威信を表明する必要を感じており、僕に協力を求めてくる。

 御茶は出なかった。


・宰相

 テッサイ・ラ=セツ。テッサイというのはラ=セツ家の当主が受け継ぐ名前らしく、本名は別にあるらしい。痩せぎすな年配の女性。眉間にあんなに皺を寄せて喋る人初めて見た。大陸一多忙な女、という前情報だったが、確かにそんな感じで、ひっきりなしに書記官エルフが書類を持ってきては、眼を通し、判子を押したり、突き返したりしながら僕と会話している。

 内容は簡潔だった。エルフはあくまで独立を貫く。この危険なフロッグワード領はエルフにしか治められない。秘宝はあくまで国内の問題。少なくとも、怪しい異世界人の手を借りる気はない。ニオ殿下に挨拶したら、さっさと帰れ。と、日本語使えるくせにエルフ語で早口にまくしたてた。

 清々しいまでに、拒絶。

 御茶菓子は出してくれた。



・内務長官

 ウタマロ・シュテン。初老の男 (ここまで書いて、そういやエルフの寿命って人間と大分違うから、見た目と実年齢って一致しないことに気付く)。以前草原の国に密入国してきたウタちゃんとマロくんの実父。開口一番二人を保護したことの礼と迷惑かけたことへの謝罪をされまくった。

 腰の低い人だった。

 政治的な話題は一切せず、長旅の慰労の言葉だけかけられた。

 また王子様への謁見をセッティングしてくれるといこと。

 せっかくだから城の一室に部屋を用意してくれるというので、旅の仲間がいることを伝えたら、用意してくれるって。ありがたい。


・退役武官

 シャラク・ウラ。僕の唯一と言っていいくらいエルフの知り合い。

 城から出ようとおもって廊下に出たら、待っててくれてた。草原の国で出会って以来になる。僕を見て、なんだか嬉しそうにしていた。いつものように、男物の服。竜山脈戦争で死竜にとどめをさした後、嫌気がさして軍をやめたということだが、今もまだプー太郎もとい花嫁修業中なのだろうか。



 こうして、エルフの王城の一室に案内されて、一日経つ。

 確か、明日御前会議があるということなので、その時にでも紹介されるんじゃないかなと思ってる。

 ノーズさんとスケさんがエルフ女を見てみたいと外に出ようとして衛兵に連れ戻されたり、アームさんが部屋の片隅で腕立て始めたり、タマちゃんがフッドさんに日本語教えたりしているのを眺めながら、カクさんと今日会ったエルフの国の偉い人達の人物評をして過ごす。


 カクさん的には、僕のケツ持ちである草原の国と懇意にしてるシュテンの意向を知るべきだと思っている。

 僕的には、ラ=セツさん、あの人と仲良くなりたいと思う。


 

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