2月17日 エルフの国 カクさんチームの無事を確認できる。 黒蟹の御渡りに到着。野宿。
おそらく平成27年2月17日
剣暦×○年1月17日
エルフの国フロッグワード
黒蟹の御渡りにて野宿
カクさん達から手紙が届いた。
経緯としては、国中を巡り巡る噂で、僕とスケさんらしい人物が海エルフの村で保護されたという情報を手にした彼女達は、魔女郵便を海エルフの村に飛ばした。
魔女が手紙を届けた時に、すでに僕とスケさんはヤシャ商隊の角ラクダに乗って村を出た後。
せっかくなので、と。イブキさんが漁船の30倍のスピードで泳ぐイルカザメ (果たしてイルカなのか、サメなのか?)の背中に乗って超特急で追っかけてきてくれた。なんとも、人情に厚い話だが、実はヤシャさんとイブキさんは幼馴染で割合隅に置けない仲のようだ。半分は義理堅さだが、イブキさんもヤシャさんに会う口実にわざわざ手紙を届けてくれていたりする。
二人がてれてれし合っている間に手紙を読む。
状況としては、魔道具『人智を超えた怪力を与える指輪』を使いこなす魔女傭兵によって、カクさん達は絶体絶命のピンチに陥ったのだが、たまたま通りすがりの武闘家が現れて、二人が地形を変えるような戦いをしている隙に逃げたとのこと。
全員無事。
海エルフの村からなら、黒蟹の御渡りで合流できるはず。
必ず、全員でそこに行くから先に行って待ってて下さい。
だってさ。
とても嬉しい。
とても嬉しいのだけれど。
なんだ? 通りすがりの武闘家って。
魔女と素手でガチンコができる人間が、たまたまそこにいたみたいだけれど。
残念ながら、僕には一人しか心当たりがない。
まさか、リオロック・エクスキューダーじゃないよな……。
夕方、黒蟹の御渡りと呼ばれる場所に着く。
砂浜はそこで終わっており、目の前にはとても登ったり降りたりできないような断崖が聳え立つ。これでは、海岸線に沿って進むことはできないが、内陸にはまたドラゴンモドキオオトカゲの縄張り。
これ、どうやって進めばいいんだろう。
カクさん達はまだ来てない。
ヤシャさん達とはここで別れる。
別れ際に、スケさんが自分の服に付けていたカフスボタンと二日分の食料を交換。フロッグワードでは手に入らない材質とかで、貴重品なんだってさ。
というわけ、野宿。
最近、少し夜風が冷たくなくなった気がする。