表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
かんてらOverWorld  作者: 伊藤大二郎
エルフロードを越えて! フロッグワード入国編
208/363

2月7日 日記ではない

 昔、タマちゃんに訊かれたことがある。


「アンタ、どうしてそんなに他人のためにそこまで頑張るにゃ」


 いや、別にそこまで献身的なわけじゃないよ、余裕がある時なら、人を手伝うってだけの話で、切羽詰まれば自分優先するさね。


「傍から見てて、そは思えないにゃ。あんたがそれ本気で言ってるなら、感覚が狂ってるにゃ。暗がりの中の灯火かんてらのように、人を安心させる何かでありたい? そんな美意識のために命までかけて。何がそうさせるにゃ」


 そりゃ、この世界だって、綺麗なもんばかりじゃないんだろうけどさ。せっかくだったら、自分の目の前くらいは綺麗な方が気分いいじゃない。


「あんたにそう思わせる根本って、一体何ニャ?」


 昔、胃がんで死んだじいちゃんが、亡くなる三日前、意識失う前に言ったのよ。「負けたらあかんよ」って。その時は意味がわからんかった。でも、今は、この世界に来た今は、境遇に不貞腐れるなってことかなと思うようになった。

 理由を言えと言ったら、多分そんな感じ。


「いいお爺様だったんだにゃ」


 うん、いい爺ちゃんだった。


「なら、私もそうあることにするにゃ」


 いやいや、タマちゃんが僕のマネなんてする義理はないって、損を選ぶ生き方なんて、絶対やめるべきだよ。


「私の生き方を選ぶのは、私にゃ。嫌ならあんたも少しは自分のこと考えるにゃ」





 いつだったかなあ、この会話したの。


 崖から落ちながら、ふと思い出した。


 これって、走馬灯?




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ