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かんてらOverWorld  作者: 伊藤大二郎
エルフロードを越えて! フロッグワード入国編
207/363

2月6日 エルフロード ウラ一派からお手紙ついた


 おそらくへいせい2がつ6日


 昨日とおなじところ



 きんにくつう まじ いたい


 日記 かけない


 でも きろく


 2がつ 28にち エルフ王都で ごぜんかいぎ

 じょうほうていきょう きよな・が・うら

 てがみもってきたひと ダークホビット頭領 タヒチ・クレセントスレイブ

 

 ラ=セツ一派 秘宝ミキテルなしで国をごういんにまとめるつもり 国内からの外国人排除をけーかく

 ウラ一派 それがいや。エルフの伝統的に考えて そのためならぶりょくしょうとつもありうる

 シュテン一派 とにかく ミキテルをみつけてニオ王子を即位させたい


 三つの派閥全部と仲良くする方法はないだろうか。

 一番いいのは、秘宝ミキテルがみつかればいいのだけれど 


 明日にはしゅっぱつ



 ※※



 朝、激痛で目が覚める。

 慣れない力仕事を丸二日しとおしたせいだろうか。

 体に力が入らない。

 どうやら、騎兵チームも、獣人チームもみんな駄目みたいだ。

 こりゃ、今誰かに襲われたら全滅だな。


 と思っていたら、本当に来た。

 ダークホビット忍者軍団が、いつの間にか僕達を囲んでいた。

 最悪、僕の身柄を差しだしても皆を守らなければと思っていたら、彼らのボスみたいな人が足音もなく近づいてきて、懐から手紙を一つ取り出した。

「ミッショデゴザル」

 あ、それはやっぱり言うんだ。


 手紙を受け取ると、彼らは影の如く消え去った。

 なんだ?

 とりあえず、手紙を開いてみるとエルフ語なのでさっぱり。

 とりあえず、タマちゃんに読んでもらった。こういう時は正式契約人のカクさんが読むのが筋なのだが、荒野の目印杭を引っこ抜いたエルフにブチ切れてたカクさんにエルフからの手紙を読ませるのには躊躇いがあったため。


 タマちゃんの説明では、この手紙はエルフの国三大派閥の一つウラ派からの密書である。

 ウラ派ということは、僕の友達のシャラク=ウラさんの親戚だろうか。そして、紋の国の外務卿と手を組んで僕を襲わせたり、草原の国で、イリス王女殿下に密約を持ちかけてきた人達だろう。

 今回の勢力争いに、他国を巻き込む気満々な連中ということだ。

 そして、先ほどのダークホビット。おそらく、今まで僕を襲ってきた彼らも、ウラ派の手先なんだな。


 ちなみに、手紙は詫び状だった。

 どうやら、彼らはカンテラが秘宝の全ての所在を把握しており、以前のドワーフとエルフの調停をしたように、エルフの国に乗り込んできて自勢力にエルフを取りこもうとしていると危惧していたらしい。

 んなことするわけねーだろ。誰がそんなこと言ったのよ。


「シャラク・ウラにゃ。あの女も、おめーのこと勇者か救世主みたいな眼で見てたからにゃ。多分本国帰ってもあることないこと褒めちぎってたんだろうにゃ」

「シャラクさんはなんでそんな眼で僕のこと見てるの?」

「知るか、あんたがなんかしたんじゃねーのかにゃ?」

「なんもしてないよ、おしっこちびりながらエルフ軍旗振り回してただけだよ」

「……死竜の前で?」

「うん」

「あの、吠えただけで軍勢が怯え逃げ出すって言う、邪竜の眼の前で?」

「他にすることなかったから。それに、セイクーさんは、邪竜なんかじゃなかったよ」

「……十分英雄にゃ。まあ、それはこの際どうでもいいにゃ」

 いいんだ。

 タマちゃんは続ける。

「とにかく非礼は詫びる。ウラ家はカンテラを支持する。雇い入れたダークホビット忍者が支援をするので、王都に着いたら話をさせて欲しい。ってことらしいにゃ。どうすんにゃ?」

「そりゃ、もちろんいいよ。どちらにしろ、着いたらその三派閥ってのと一度話をしなければならないと思ったし」

「あんた、一体どの派閥と組もうと思ってるにゃ」

「話聞いてる限りだとさ。別に全部の人達と仲良くなれそうだと思うんだけれど」

「……どうかにゃ」

「とりあえずは、エルフロードを抜けてからだよ」

「にゃ。でもその前に」


 僕とタマちゃんは寝そべったまま話をしている。

 隣では、スケさんもカクさんも、アームノーズフッドさん達も、筋肉痛で倒れている。


「まずは、体治してからだね」

「にゃ」


 今日は休息にあてる。


 

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