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かんてらOverWorld  作者: 伊藤大二郎
既に一年経過! カンテラの人となりに触れる編
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7月26日 岩の国  そろそろ日記をちゃんとつけようと思う。

 おそらく平成26年7月26日

 剣暦××年6月26日


 岩の国バーンスタイン

 異人種居留地にて



 人間は一度躓いた時、立ち上がるのをためらうと、いつまで経っても立ち上がらない。


 大学生時代、ノイローゼになって4か月間実験を全くしなかった時期があったが、まさにそれだった。



 小人ホビットの国ムーンスレイブに行って、はた迷惑な料理人を連れ帰るという目的は、最初の一カ月で片がついた。ついたときにはアレグロ・スタッカートはホビットパンの作り方を習得し、自国に異文化料理を広めるという野望に取りつかれていたので、ジンさんがぶん殴って気絶させて連れ帰ることにした。

 そんな無茶をした理由というのも、帰路で『ブンゴの意志を継ぐ者たち』とやらがアレグロさんの命を狙って、ダークエルフの暗殺者15人を雇いいれたという情報がまことしやかに流されたせいで、非常にまずい。


 僕は喧嘩得意じゃないし、ジンさんも獰猛な見た目に反してインテリ獣人であり、もし切ったはったになると、抵抗できない。

 こういう時に頼りになるレンちゃんは丁重にお帰りいただいてるし、まじまいった。


 けれど、そのレンちゃんがわざわざ僕達を追いかけてくれて来てくれたので、こで僕たちが選んだのは、ジンさんとアレグロさんに別ルートで逃げてもらい、僕だけが、陽動として目立ちながら反対方向に逃げるということ。


 まいどのことながら、レンちゃんに守ってもらう気まんまんであった。



 結果、その15人の暗殺者の一人がレンちゃんで、彼女の出自とかをいろいろと知るはめになり、今度はお腹を刺されて生死をさまようはめになる。



 しかも死んだはずのブンゴは生きてるし、魔王を復活させる手段までばれるし、踏んだり蹴ったりである。



 とりあえず、怪我が治って、匿ってくれた猫耳族のために謎の赤い宝玉とやらを探す旅を終えた僕は、異文化交流を進めるために、ドワーフの国の異人が居留することを許された経済特区にて、情報収集を進めている。


 僕もそろそろ立ち上がらなければならない。


 僕が行方不明になったままで、ショックを受けたイリス王女が食事を取らなくなったという噂が流れてきては、なおさらである。


 アレグロさんが作ったホビットパンを持って、会いに行こうと思う。

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