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かんてらOverWorld  作者: 伊藤大二郎
エルフの国へ行こう! 獣頭13部族大集合編
172/363

12月28日 草原の国 調べ物のため図書館に そして守衛室に泊めてもらう。

 おそらく平成26年12月28日

 剣暦××年11月28日


 草原の国グラスフィールド

 王都バーミューダ 王立図書館守衛室



 来月からまた旅に出ると言ってから、イオちゃんの作る料理の量が日増しに増えていく。

 多分、また何日も留守にするから、その分も食い貯めして欲しいのだろう。

 イオちゃんがどうしてそんなに僕にご飯を作ることに執心するのか、理由は知らないが、僕に作ったものを食べさせてその感想を聞くのが、イオちゃんは好きらしい。

 毎日掃除洗濯家事全部してくれる上に、それが好きだと言うのなら、まあ、頑張って食べよう。



 さて、エルフの国にあるということしかわかっていない秘宝ミキテルを探しに行くわけだが、現状名前しかわかっていない。

 何かしら調べるくらいはした方がいいと思い、今日は王立図書館に遊びに行ってみた。

 貴族しか立ちいることが許されない建物だが、僕は姫様の紹介状があるので、ラクラク入れた。 

 さて、エルフの言語とか歴史の書物を調べようと思ったら、本があり過ぎて、どこに何があるのかわからない。

 半日くらいかけて、うろうろしてそれらしい書物を探していたら、面白そうな本を見つけては読み見つけては読みして、お目当ての本は結局見つからなかった。 

 いかん、普通の図書館で時間を潰すようなことしてしまった。


 しかし、エルフの国フロッグワードとは、国交もなければ、そもそも誰も行ったことのないお伽噺の向こう側みたいな場所なのである。

 分断主義の姿勢から言えば、本があっても禁書扱いかもしれない。

 どうしたものかと悩むが、僕の異世界人生において、一番大事なことは「わからないことはわかる人に訊く」である。

 書庫の入り口の机に座る、司書さんっぽい人に声をかけ、それらしい本を置いてある区画に連れて行ってもらう。

 行ってびっくり、神話・伝承コーナーにあった。そういう扱いなのか。


 それらしい本を数冊見つけるが、貸し出しはしてもらえないし、その時には閲覧室の使用時間も過ぎてしまっていた。

 司書さんに事情を話すと、施設内にある守衛室でなら、夜通し読んでもばれなければ問題ないと提案してくれる。

 おいおい、書物を守るのが仕事じゃないの? そんな本を雑に扱っていいの? と思ったが、司書さんが言うには『私がここの司書になって25年。その本を手に取ったのはあなたが初めてです。どうか読んでやってください』とのこと。

 ありがたい。ありがたいが、勤続25年? その司書さんは見た目20代の女性にしか見えないのだけれど。


 その後、司書さんが守衛さんに話をつけてくれて、守衛さんの部屋で泊めてもらうことに。

 守衛さんは勤続50年の、見た目も定年間近のようなおじさんだった。

 名前はジョンさん。

 図書館が閉館し、施錠された後、次の日の開錠までの間約14時間を一人で守衛室で日誌を付けている生活をずっと続けている。

 巡回も終わり、寝る前の酒の相手を少ししてジョンさんが寝た後、部屋の明かりを消して、蝋燭で本を読む。

 剣祖共通語で読むエルフの歴史についての本。なんとか一冊読破。

 残念ながら、ミキテルについての記載はなし。

 今日はぐっすり寝て、明日また別の本を調べてみよう。



 しまった。明日もここにいるとなると、イオちゃんのご飯を食べることは後2日くらいしかできなくなるのか。

 一度帰ろうかなあ。

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