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かんてらOverWorld  作者: 伊藤大二郎
エルフの国へ行こう! 獣頭13部族大集合編
171/363

12月27日 草原の国 テトラさんの生い立ち アームさんに発破をかける。


 おそらく平成26年12月27日

 剣暦××年11月27日


 草原の国グラスフィールド

 僕の家

 


 さて、剣暦12月1日。僕の使う暦で言えば、年明け早々にでもエルフの国に向けて出発することになったのだが、そのための準備で忙しい。

 忙しい、はずなのだが、僕はすることがない。

 旅支度はイオちゃん達メイドがしてくれるし、旅程については獣頭人の皆に丸投げもとい一任している。国務としての雑事は城の方でしてくれる。

 つまり、僕は出発日まですることがないのだ。


 あまりに暇すぎて日記を書くのもさぼっていたら、また大変な目にあった。

 三日前に、アームさんとノーズさんを連れて天女亭という若い踊り子が露出高い衣装で踊る店に飲みに行ったのだが、アームさんがそこの踊り子のテトラさんに一目惚れして求婚してしまった。

 本人から言われて初めてわかったのだが、テトラさんは、人間とエルフの混血で、見た目はそう言われれば若干耳が長い気がする程度だが、その敏捷さや肌のきめ細やかさは麗鬼のもの。父親がエルフだが、会ったことはない。エルフの国にいるということだけ人間の母から教えてもらっている。二人の慣れ染め等については聞いたことがないが、元々ラブラブだったようだ。

 テトラさんが子供の頃に、母が亡くなってからは身よりもなく、こういう店で踊り子をしながら食いつないでいるそうだ。

 そういや、エルフは芸能分野に秀でているからな、彼女にもその血が受け継がれているのかもしれない。


 アームさんは、本気でテトラさんの出した条件<エルフの国に行き、行き別れた父から許可を取ってくれば、結婚する>に挑戦する。

 こっそり、テトラさんに話を聞きにいくと、テトラさんはアームさんの求婚に困っているようだ。

 曰く『生粋の草国人で、近衛騎兵になるようなまっとうな人が、私みたいな生まれも育ちもよくない女を娶っていいほど、この国は甘くないでしょ』

 意外だった。テトラさんも、求婚に対して適当にあしらうでなく、本気で考えて、迷惑している。



 その後、アームさんの部屋を訪ねて、求婚後のテトラさんの様子を尋ねられた。

『人間ではエルフの女の子を守ることはできないと思われてるらしいよ』

 正直に、答えてみた。 

 えらい、燃えてた。

 

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