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かんてらOverWorld  作者: 伊藤大二郎
エルフの国へ行こう! 獣頭13部族大集合編
169/363

12月23日 草原の国 王都の中で道に迷う 自称踊り子に助けてもらう。

 おそらく平成26年12月23日

 剣暦××年11月23日


 草原の国グラスフィールド

 王都 僕の屋敷



 外務卿チャームプライド公のところに、来月からのエルフ国行きに、スケさんとカクさんとタマちゃんを連れていきたいことを相談に行く。

 しかし、アポせずに邸宅行くと、出張で明日まで帰らないことが判明。

 そりゃ、外務大臣は忙しいよね。一応、僕が相談に来たことを伝えて、明日また来ることを伝えてもらう。

 

 帰りにぶらぶら散歩して、普段とは違う道を通ろうと、いつもと反対側の角を曲がって、次の知らない交差点を勘で三回くらい曲がったところで、道に迷う。

 もうこの都に住んで丸一年以上経つというのに、知らない道がよくある。

 さて、どうやって帰ろうかと思案していると、数人の子供が、何かたむろってわいわいしていた。変な空気だったので近づいてみると、どうやらどこかの家の屋根に帽子がひっかかってしまって取れないでいるらしい。

 僕が手を伸ばしても届かないので、子供を肩車でもしようかと思ったが、剣祖共通語で『肩車』ってどう言うのかわからず。さて、どうしようか、どこかで長い棒でも借りてこようかと突っ立っていたら、通りがかりの若い娘さんに声をかけられた。

 屋根にひっかかった帽子を指差すと得心した彼女は、なんとその場で飛び上がり、僕の肩を踏み台にしてさらに上昇、帽子をキャッチした。

 身軽な人だ。

 子供に帽子を渡してあげた娘さんが『肩貸してくれてありがとう』と右肩を払ってくれた。

 見た目は普通の恰好だし、快活な少女って風貌。サーカスの人かと思って尋ねたら、ここから二つ向こう通りにあるパブで、踊り子をしているらしい。

 僕のことも訊かれるが、とりあえず道に迷ったことを説明し、わかるところまで連れてってもらう。

 無事に知っている道まで出れたので礼を言うと、また今度店においでよ、と誘われた。

 名前を訊くと、テトラさんと言うそうだ。とりあえず、僕もカンテラと名乗ったが、彼女は僕のことを知らないらしく偽名で剣祖カンテラと名乗ったんだと勘違いしたのか、笑われた。

 同姓同名なだけの赤の他人です。

 しかし、知らないと言われるのは、久しぶりの反応だったな。


 無事帰宅。

 しかし、ここで問題が一つ。

 また今度店においでよ、と行ってもらったので早速行きたいのだが、道に迷ってあの当たりについたので、もう一度同じ場所に行けるか自信ない。その店って、どこら辺にあるのだろう。

 デミトリに事情を話すと、そこいらの酒場となると、おそらく花売街道のことだろうとのこと。いかがわしい店の並ぶ通りで、人目につかない入り組んだところにあるそうだ。

 妙に事情に詳しいので確認すると、デミトリが放蕩息子の時分に、通い詰めていたってさ。

 お礼もかねて一度訪れたいが、そういう店に女の子に案内を頼むわけにもいかないので、イオちゃんやレンちゃんは誘えない。デミトリみたいな枯れ果てた老人に頼むのもどうかと思うし。

 ……こう考えると、僕って男の友達いないんだな。


 

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