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かんてらOverWorld  作者: 伊藤大二郎
エルフの国へ行こう! 獣頭13部族大集合編
159/363

12月13日 ホビットの国 フッドさんと二人で先に草原の国へ向かう。

 おそらく平成26年12月13日

 剣暦××年11月13日


 草原の国とホビットの国の間の平原

 にぽつんと経ってたホビット小屋で宿泊 

 


 正直、ホビット舐めてた。

 深緑の村で姫様と合流できたので、早速とんぼ帰り。

 姫様は突如病気になったということにして、使節団の皆さんにホビット王のところまで書状を届けてもらうことに。

 姫様だけ連れて帰るために準備する。

 とは言っても、馬は黄土の村に置いてきたから、そこまでは徒歩だけれど。

 姫様を歩かせるのは、どうなんだろう。

 とりあえず、馬を取りに行こうかなんて相談していたら、なんと。

 黄土の村で留守番をしていたはずのアイズさんが馬を連れて来てくれた。 

 なんと、事情を聞いていたホビットのマッセナさんが、昨日の夜わざわざ黄土の森まで帰って留守番しているアイズさんに報告してくれたのだ。

 その報を聞き、馬の中で元気を取り戻した2頭を連れて駆けつけてくれたのだ。

 この世界は律義でできているのだろうか。


 さて、ではその2頭を使って姫様を送るのかと思ったら、騎兵隊長のリードさんは『その馬で、カンテラ殿がさきに帰国されよ。フッドを付けます』だって。

 なして?

 簡単に言うと、姫様とエルフを会わせないという目的が間に合わなかったんだから、後は確実に連れて帰ることが肝要。

 あとは、国への報告を迅速にすることと、これからの草原の国の行方を左右するカンテラを一刻も早く帰投させること。

 僕、いつからそんな重要人物になったん?

 昼過ぎ、騎兵の中で、一番体重が軽くて馬術が上手な女性であるフッドさんの後ろに乗せてもらい、出発。普通は、手綱を握る人が後ろに乗るんだが、僕はフッドさんの倍身長があるので、後ろに乗って、フッドさんにしがみつく。だって怖いもん。

 もう一頭の馬は、今のっている馬が疲れたら、交代で乗り換えるんだってさ。

 賢い。

 

 そんなこんなで、午後をかけて、馬の旅。 

 森の迂回路を抜け、黄土の村を通ってマッセナさんに礼を言い、二つの国の間の草原を駆ける。

 ……おかしい。行きよりもさらにペースが早くなってる。

 フッドさん曰く『馬がもう無理って言わないギリのペースですね』

 ……馬と、話ができるのだろうか。

 連れてきた2頭は、気性が荒く僕一人だと威嚇してくるくらいだが、フッドさんには妙に懐いている。リード隊長の言った、才覚という言葉を、ふと思い出した。

 途中で、草原にぽんと建ってた旅人が利用自由な公共宿泊無人施設、つまりホビット小屋を見つけ、今夜はそこにて宿泊。

 ホビットの文化なんてまったく知らないフッドさんに、誰でも寝泊まりできて皆で整備するホビット小屋について説明すると『素敵ですね』と眼を輝かせていた。相互扶助の精神は、どこの世界でも美しいものなのだと思うと、僕も素敵だと思う。

 


 追記 フッドさんがお腹を押さえているので、どうしたのか訊くと、昼間の乗馬中、僕がフッドさんの後ろに乗って腰に手をまわしている時に、強く抱き締めすぎたらしい。だって、怖いもん。

 僕が恐縮していると『後ろに大きな人を乗せてたら、おっ父と馬に乗った頃を思い出しました』とフォローしてくれた。

 フォローしきれてないような気もするけれど、まだ救い。

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