【設定編】4月3日 この大陸にある国々について、まとめてみる。
おそらく平成26年4月3日
剣暦××年3月3日
場所 草原の国 王都から離れて4日目。
旅路は続く。旅の行程には支障なし。
ただし、馬車の空気は最悪。
幌車の中の女の子達は、絶対に帰らないと決めたらしい。
最早ここまで来ると意地の問題なのだろう。
ジンさんは不貞腐れてしまって、「お前がちゃんと帰れと強く言ってやれば問題ないんだ。俺にばかり苦労を押しつけて……」とかぶつぶつ言ってる。
しかし、僕が言って聞くようなキャラクターしてないと思うのだけれど。
幌の中にいるのが苦痛なので、御者をしているジンさんの隣に座る。最初は「来来るな」とか怒っていたけれど、他に話し相手がしないのはジンさんも同じなので、こそこそと二人で相談しながらの旅路。
一日が簡単に過ぎる。
何というか、最近色々ありすぎて、ジンさんと二人でゆっくり話す機会もなかったから、色々と話した。僕がまだ行ったことのない、『紋の国』や『竜の国』、よく知らない麗鬼の社会体制やら、ジンさんが僕の案内人契約を結ぶ前の仕事の話などを聞いた。
一番びっくりしたのは、ジンさんの実年齢が僕と同じ28になるということだった。
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ジンさんが「俺の宝物だ」と言って、昔見せてくれたのが、羊皮紙に手書きで書かれた、ラドゥバレトフ大陸全体を書いた、『世界地図』だった。
何世代も前から、異種族と交わることを禁忌とする剣祖文明人同士の折衝を務めとしてきた、犬頭人ムーゲン・メロディア族。当代の案内人が書き込み続け、現代のジンさんにまで受け継がれている家宝だとか。姫様や草原の国の学者が見たら涎垂らすような第一級の歴史資料だ。
そこには、僕の読めない字で、七つの国が記されていた。
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この大陸では、虚空を一振りの剣が切り裂いて世界が生まれたという伝説が伝わる。物語の細かな装飾には差があるし、そこに現れる登場人物にも地方によって差があるが。
『音を鳴らす鋼』より鋳造された一振りの剣を『聖剣』チートブレード
それを振い世界を作った者を、『剣祖』灯火
この二つを、信仰の対象としている種族とその国、文明。それらを総称して、剣祖文明圏と呼んでいる。(この世界に来てから、名前を訊かれた時に、僕のあだ名が「かんてら」だと言った時の皆の「こいつ何言ってるんだ?」感が僕にはすぐに理解できなかった。)
剣祖文明圏で、母国語の他に共通言語を用い、『剣』に対して特別な思い入れのある国は、全部で7つある。
人間の国 草原の国 グラスフィールド
人間の国 剣の国 チートブレード
人間の国 紋の国 オーバーフラッグ
小人の国 風の国 ムーンスレイブ
山人の国 岩の国 バーンスタイン
麗鬼の国 火の国 フロッグワード
大鬼の国 渓流の国 オーバーラブ
ジンさんは、そのすべてに行ったことがあるのだとか。
うらやましい。




