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かんてらOverWorld  作者: 伊藤大二郎
エルフの国へ行こう! 獣頭13部族大集合編
141/363

11月27日 草原の国 エルフのシュテン姉弟。その目的について

 おそらく平成26年11月27日

 剣暦××年10月27日


 草原の国グラスフィールド

 酒造の町センチペド 普通の宿



 行き倒れのエルフ達から事情を確認する。

 彼女たちの名はウタ・シュテンとマロ・シュテン姉弟。

 エルフの国の王子様の、お付きメイドと、乳兄弟という結構な身分のエルフ達。

 ここから書くことは、とても信じられないが、彼らから直接聞いたことである。


・先月、エルフの国の王が亡くなった。突然死。死因は不明。

・ごたごたはしたが、正統後継者である王子が健康に存命なので、王位継承は何の問題もなく起きるはずだった。

・ここで一つの問題。エルフの国の秘宝、つまり王位継承の証である【ミキテル】がない。

・宝物庫に、必ずあるはずなのである。しかし、エルフの城には財宝が在り過ぎて、どこにそれがあるのかわからない。本当にエルフの国内にあるのかさえわからなくなってしまった。

・というか、そもそも【ミキテル】が何なのかわからない。

・【ミキテル】が何なのかを知っていた王はそれを王子に教える前に死ぬ。

・ウタとマロは、一人王位継承の準備を進める王子のために、【ミキテル】を知っているものを探しに、旅に出たという。

・人間の国グラスフィールドに【ミキテル】があるという噂を聞き、特に、エルフ学者の中では【ミキテル】とは、魔道具『不老の酒』ではないかという意見が多かったため、グラスフィールドの酒造地を巡っていたと言う。

・念のため【ミキテル】が人の名前である可能性についても訊くが、それはないという。


 ……僕、エルフの国の秘宝じゃないよなあ。


 色々と思うところはあるが、まず、僕の仕事は、エルフ達が何のために草原の国に入ったのかを調査すること。これを草原の国の王ギャリク陛下に伝えねばならない。

 なんと言って、伝えようか。


 とりあえず、彼女たちは路銀も尽きていき倒れていたので、宿に一緒に泊まるように勧める。

 あっさり、礼を言ってついてきた。

 タマちゃんは「国家機密をべらべら喋ったり、何の疑いもせずに初対面の奴にのこのこ着いてきたり、こいつら大丈夫かにゃ?」なんて逆に心配していた。

 そもそも、彼女らの言っていることが本当なのかから確かめねばならないということにも気付く。

 ああ、これ、意外と面倒だぞ。

 普通にエルフが観光に来たとかだったらよかったのに。  

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