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かんてらOverWorld  作者: 伊藤大二郎
エルフの国へ行こう! 獣頭13部族大集合編
130/363

11月17日 草原の国 3代目案内人にタマちゃんを推したらジンさんに反対された

 おそらく平成26年11月17日

 剣暦××年10月17日


 草原の国グラスフィールド

 王都 僕の屋敷



 もし、旅をするなら、案内人と契約しなければならない。

 何度も書くが、ジンさんはあくまでリーヨンちゃんの案内人としてここにいるから、もしもの時は僕を置いてリーヨンちゃんだけを大鬼の国に連れて帰る必要がある。

 致し方ない、当然のことだ。

 そういうわけで、新しい獣頭人を探したいが、コネのない僕のために、昨日はジンさんが今、草原の国にいる知り合いの獣頭人を集めて食事会を開いてくれた。

 3代目カンテラの案内人の選定会、というわけだ。

 ……なんか、お見合いパーティみたい。

 それで、集まってくれた9人の獣頭人と会い、色々とお話をした。

 全員日本語が達者で、それぞれに魅力と能力のある人達だった。

 しかし、今まで犬頭人と猫頭人と豹頭人にしかあったことなかったけれど、こんなにいたんだなあ。

 全部で何種類くらいの獣頭人がいるのか知らないが、案内人をやってる氏族というか、部族は13族なんだとか。旅をしていたら、会うこともあるかもしれない。


 さて、お見合いパーティが済んで、家に帰る。

 ジンさんに、「で、どいつとなら気が合いそうだ?」とか訊かれるが、そんな第一印象だけで決まらないよ、と答える。

 こういうのは第一印象が大事なんだ、と意外なことを言ってくるが、今だってジンさんが一番しっくりくる、なんて言っても困らせるだけだろう。

 うーん。あんなに人を集めてもらって、申し訳ないけれど、本音を言う。

「実は、タマちゃんに次の旅に着いてきてもらうようお願いしたいんだ」

 第一印象というかフィーリングというか、一番しっくり来たのは、うちで居候中の猫頭人である。

 さて、怒られるかなと思ったら、ジンさんが神妙な顔をしてる。どしたの?

「……タマは、駄目だ。性格の問題じゃない。実力でも、知識の問題でもないんだ。だが、とにかく、駄目だ」

 なんで駄目なのよ、とは訊けなかった。ジンさんが、理由を言わずに駄目だと言うのは初めてだったから。

 その会話は、歯切れ悪く終わる。


 言いたくないことは、言う必要はない。言いたくなれば聞く。

 ジンさんとは、そういう付き合いをしてきた。

 けれど、彼のあの表情。自分から言うわけにはいかない、という声色。

 僕から訊かなければならないことも、あるのかもしれない。


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