11月15日 メイド長の創作料理『海老のチリソース炒め』
おそらく平成26年11月15日
剣暦××年10月15日
草原の国グラスフィールド
王都 僕の屋敷
前に、市場でチリソースを見つけた時、イオちゃんに海老チリについて話をしたら、海老が手に入ったら作ってくれる、と言ってくれた。
そして今日の昼食、ついにエビチリ作ってくれた。
けれど、なんか違う。
うまいのは間違いなくうまい。海老の剥き身にチリソースをかけて炒めたのも間違いないのに、なんか思ってる味と違う。酸味が強い。
そう言えば、僕はそもそも海老チリの作り方を知らないから、イオちゃんに作り方を十分説明できていないい。
大雑把なニュアンスから、イオちゃんが想像で補って作ってくれた料理。
まあ、普通に美味しいのでパクパク食べた。4回おかわり。
皆も普通に食べてた。海老にチリソースを使うという発想が誰にもなかったらしく、新しい味だと好評だった。
のだけれど、後からイオちゃんに怒られた。
僕の顔に『なんか思ってた味と違う』という色が出ていたらしい。
「お兄ちゃん、美味しくない時は美味しくないと言ってください」
真面目にそう提言されたので、
『エリザベス・オーカーの手料理は大陸一美味しいよ』
と、真面目な顔で言ってみる。もちろん、本当のことだ。
「だったら、なおのこと気遣わんとって、違う時は違う言って。私の料理はお兄ちゃんのためなんやから」
思わぬ反撃。
思い出す限りで、もっととろみがあって、酸味以外にも甘みを含んでて、カボチャは入ってなかったことを説明する。
すると嬉しそうに「また作る」と言って、厨房に戻った。
イオちゃんの喜ぶツボが、よくわからん
そろそろ、センチペドに行く準備をする。
海老チリ第二弾を食べるのは、任務から帰ってのことだろう。