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かんてらOverWorld  作者: 伊藤大二郎
三方向作戦! 三カ国を巡るリーヨンちゃんとピコちゃん編
101/363

10月18日 どこかの空の上 凶兆竜ハイドランダムの背中の上で目を覚ます


 おそらく平成26年10月18日

 剣暦××年9月18日


 この世界に来てから、驚くことばかりが続いて、ちょっとやそっとじゃもうビビったりはしないと思っていたのだけれど。

 本当に、人生は何が起きるかわからない。

 今日は、ビビった。


 目が覚めたら、竜の背中に乗って、空を飛んでいた。

 ついでに、頭ががんがんしてまともに体が動かない。


 ?


 何が起きた?

 頭を抱えながらも、身を起こすと、気付いた竜が話しかけてきた。

「気がついたな、地球人よ」

 初めて、会う竜だった。


 異界ラドゥバレトフに存命する竜は3頭しかいない。

 その内の1頭が王竜メルディナン。つまり、グーさん。

 なら、それ以外のどちらかだ。

 名前を訊こうとすると、向こうから教えてくれた。

 彼の名は、ファーファ・ハイドランダム・デミグラス。

 僕達が凶兆竜と呼ぶ竜であった。


 なんで、僕がその竜の背中に乗って空を飛んでいるのか?

 そもそもどうして頭がこんなに痛いのか?

 竜さんに訊くと、どうやらこういうことらしい。



 ドワーフの国 斧の町に凶兆があったため、警告のために訪れたハイドランダムさん。

 託宣はこう。「カンテラが災いを運んでくる。すぐに追放せよ」

 しかし残念ながらカンテラ(つまり僕)はすでにこの町にどっぷり浸かって、町中のドワーフと酒盛りまでしていた。

 それで、その託宣を聞いた僕は「んじゃ、追放されるから、申し訳ないんですけれど、僕をオークの国まで連れてってください」とか頼んだらしい。



 確認した後、竜に質問を色々してみた。



 そんな記憶、ないんですけれど。


「大分、飲んでいたからな」


 めっちゃ、頭痛いんですけれど。


「大分、飲んでいたからな」


 ちなみに、その時僕の周りに、犬頭人とかダークエルフとか、オークみたいな身長の美女とかいませんでした?


「いや、一人だった」


 ……、本当に記憶がない。僕、なんで一人でドワーフの国で酒飲んでたんだ?


「どうも、丸三日飲み続けていたようだぞ」


 ……、うっぷ。


「おい、俺の背中で吐くなよ」 


 あ、自分が高所恐怖症なの思いだしてきた。おろろろろ。


「おい! やめろ!」


 ハイドランダム急降下。


 凶兆竜の突然の降下に、周辺住民はパニックになったが、その背中から下りてきた異世界人がトイレに駆け込むのを見て、さらに一瞬、静かになる。


 落ち着いた後見渡すと、そこはまだホビットの国であるらしく、酔い覚ましに効くというスープをごちそうになった。


 


 

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