第六十五話 学園見学
「ね、ねぇミリシア、あれ……」
『そうよ、あれが学園ね』
あれが……学園。
イラストで見たものとそっくりで、だけど少し違うもの。
多分、日の当たり方とか……違うのかもしれない。
だけど、こっちの方が……鮮やかで、動いていて、現実にあるって感じがする。
思わず、ぼんやりとしてしまう。
『リア? 中には入らないの?』
「は、入るっ」
ミリシアが小さく首を傾げながら聞いてきて、慌てて返事をする。
せっかくここまできたのに、中に入らずに帰るなんてことしたくない。
結構遠かったのに……鍛えていてよかったと思うくらいには。
『でもリア、少しだけにしておくのよ? 帰る時間も考えておかないと』
「うん、わかってる……だから早くいこ?」
『もう……わかったわ』
ミリシアは少し呆れたように言った。
しょうがないなぁって思っていることがよくわかるのに、それも少ししか気にならない。
すごい……人が、たくさんいる……
物語にはこんな詳しく描かれていなかったし……生徒がたくさんいるって書かれていても、あまり想像できていなかったから。
ドキドキとする胸を抑えながら、こっそりと学園に入っていく。
……不法侵入だけど、入学前の見学ってことで。
自分が通う学園の調査って、必要なことだと思うし……
「っ、わぁ……!」
学園の中をじっくりと見て、思わず声を漏らしてしまう。
入り口は、イラストに描かれていたものそっくりで……
なんだか同じ世界じゃないみたい。
ずっとずっとキラキラして見える……
『ミリシア、次はどこに行きたいの?』
「あっ、図書館がいい……! 本が天井までつまれてるみたいだけど、実際に見てみたい……! ほかにも、カフェテリアとか……」
『わかったわ。だけど、順番ね?』
「うんっ」
こくこくと頷く。
楽しみすぎて……どうしよう。
手をぎゅっと握りながら、ゆっくり前に進んでいく。
本当はもう少しゆっくりみたいけど、時間がないから仕方がない。
『あら、あれって……』
「え? あっ……!」
あれは……大広間!
わたしがラスボスとして戦う場所、そして他にもいろいろなことが起こる場所……
ほ、本物……!
思わず目をキラキラと輝かせてみてしまう。
『少しだけゆっくりしていく?』
「う、うん……!」
また来れるんだし、今はちょっとここでゆっくりしたい……
そう、えっと……ここで戦うんだし、予習くらいしておかないとね。
なんて自分に言い訳しながら、わたしは心いっぱい大広間を堪能した。
ここで一旦区切ります。
それで、更新お休みします。
ストックとか、貯めてから再開します。
がんばります。




