第五十四話 黒属性の魔法
『……こんな、お話があったんだ』
『そうね……こんな神話があるなら、黒が嫌われても仕方ないわ』
ミリシアは、悲しいけれど……と呟いた。
わたしも、なんだか悲しくなる……
でも、わたしの前世では黒髪の人なんて溢れるほどにいたし、こんな神話は気にしない方がいいと思う。
確かに、生まれ持った魔法の影響で髪色が決まるけど……
魔法のせいで性格が変わるんじゃなくて、周りが髪色で避けてしまったせいで、性格が悪くなってしまったのだと思うから。
『……よし、あと一冊くらい読んだら訓練に戻ろうか』
『あら、そんなに早く……わかったわ。長く読める本を選ぶわね』
ミリシアは、可愛らしく笑いながらいった。
でも、それもわたしのことを気遣って言っているとわかっているから、嬉しく感じる。
そのまま少し待っていると、ミリシアが本を持って戻ってきた。
『これにしましょう』
『わぁ、結構分厚い……』
『ええ、一番分厚いものを選んできたもの』
ミリシアは自慢げにいった。
読むのが大変そうだなぁ、と考えながらも、表紙を見てみる。
神話解説……
『……これでいいの? さっきの神話の解説みたいだけど……』
『あら、本当ね……神話は好きじゃないわ』
ミリシアは、残念そうに眉を下げる。
そのまま、戻してくるわね、と本棚の向こうに行ってしまった。
はっきりとは書かれていないけど、黒属性の魔法が悪く言われているから、わたしも神話は好きじゃない。
こんなことが本当にあったのかもわからないのに、黒属性の魔法を使う人は、避けられている……
もちろん、黒属性の魔法を使う人の中には悪い人もいるんだろうけど、納得いかなかった。
『リア、これは神話関係じゃないわ。これにしましょう』
『うん、わかった』
ミリシアの持ってきた本の表紙を見る。
今度は魔法の種類と書かれていて、勉強にもなるしとてもいいと思った。
さっそく、ページを開いていく。
魔法とは、魔力を使って特定の現象を起こすものである。
生まれ持った魔法のみ使用が可能であり、また、魔法を持たない者も存在する。
魔法を使える人物を魔法使いと呼び……
見たいのはここじゃない……ここはもう師匠から教わった。
多分、後ろのほうかな?
属性は、赤、青、緑、茶、黄、紫、白、黒という順番で並べられることが多いみたいだし。
そう考えて、ページを進める。
ここからは、黒属性の魔法を紹介する。
黒属性の魔法は、誤解されやすく、また、悪人が使う魔法と一般的に思われているが、魔法が精神に影響を及ぼすことはないという。
しかし、誤解されているために、報告されている魔法の種類が少なく、あることがわかっている魔法が十数個しかない。
それを了承して、続きを読んでほしい。
まずは基礎、創造魔法だが……




