第五十二話 二年後に入る学園
『リア、起きてちょうだい』
『ん……おはよう、ミリシア』
『ええ、おはよう』
ミリシアに起こしてもらって、目を開けた。
外はもうすっかり明るくなっていて、眩しい光が見えている。
『今日は何かあったかな?』
『そうね、勉強の他には特になかった気がするわ。でも、急に予定が入ってくることもあるからわからないわ』
『わかった、ありがとう』
ミリシアにお礼を言って、ベッドから降りた。
そのまま軽く髪の毛を整えると、扉が叩かれる。
「入りなさい」
「失礼致します」
侍女さんが部屋に入ってきた。
そのまま、頭を下げてわたしに言う。
「朝食のご準備が整いました」
「ええ、すぐに行くわ」
もうすっかりこの口調にも慣れて、すらすらと言葉が出てくるようになった。
だからなのか、わたしの扱いも少し雑だったのが、とても丁寧に接してもらえるようにもなった。
もう結構前なんだなぁ……
そんなふうに懐かしみながら、ミリシアと一緒に部屋の外に出た。
そのまま、食堂に向かっていく。
道も覚えたから、案内してもらわなくても大丈夫になった。
似たような廊下を歩いていき、豪華で大きな扉の前で立ち止まる。
侍女さんに扉を開けてもらい、わたしとミリシアは中に入った。
中にはいつも通りお父様が座って待っていて、わたしの方をちらりと見てから、前を向く。
わたしもそんなお父様を気にせず、席に座った。
少し待つと、食事が運ばれてくる。
『今日も美味しそうね』
『うん、そうだね』
マナーを守りながらの食事にも慣れたから、しっかり味わって食べれるようになった。
前世でわたしが食べていたものとは比べ物にならないくらい美味しい。
でも、やっぱりわたしにとっては、師匠たちと一緒に食べたご飯の方が美味しかったと感じる。
ミリシアと一緒に食べれていないからかな……
一緒に食べたいけど、仕方ないよね。
そんなふうに考えながら、わたしは並べられた食事を食べ始めた。
「……ミリシア」
「なにかしら?」
急にお父様に声をかけられて、首を傾げる。
お父様が話しかけてくるくらいだし、何か、急に予定でも入ったのかな?
そんなふうに考えていると、お父様は話を始める。
「二年後の春、お前を魔法学園に入れる。それまでに勉強しておけ」
「わかったわ」
わたしは頷いた。
物語でミリシアが出てくるのは魔法学園編から。
主人公が目覚めてから、二年後の春だ。
……物語通りに進んでる。
わたしは少しほっとしながら、食事を再開した。




