第二十一話 夕ご飯
わたしはミリシアに、たくさんのお話をした。
学校のことだったり、遊園地のことだったり。
ミリシアは聞き上手だったから、わたしも話すのが楽しくて、つい話しすぎちゃった。
窓の外の空は真っ赤に染まっていて、薄く月が見え始めている。
『そろそろお話終わりにするね?』
『あら、もうなのね。ざんねんよ』
『ふふっ、気に入ってもらえてよかった。また話すね?』
『ええ、たのしみにしてるわ』
ミリシアは、ニコニコしながらベッドから降りた。
わたしも一緒に降りて、窓際に行く。
昨日は夕焼けが見えなかったから、見たくなった。
日が沈むのは窓の反対だから、夕日は見えないけど、真っ赤に染まる空ならみることができる。
綺麗はグラデーションは、この少しの時間しか見ることができない、時別な時間だと思う。
『きれいね、はじめてみたわ』
『そうでしょ? これからは、毎日見れると思うよ』
そうやってミリシアと会話していると、扉が叩かれた。
急いで窓から離れて、扉に向かう。
扉を開けると、そこには師匠が立っていた。
「こんばんは、ミリシア。これから夕ご飯だけど、いいかしら?」
「はい、いいです」
『もうなのね、はやいわ』
ミリシアの言うとおり、少し早い気がするけど、気にしない。
今日はたくさん話したので、お腹も空いているし。
「私ひとりだから、抱っこはできないの。ごめんなさいね」
「べつにいいですよ」
アルドリノールさんからもらったペンダントで、疲れなくもなってる。
むしろ、動いたほうがいいくらいだと思う。
そんなふうに考えながら、部屋の外に出た。
師匠と一緒に、階段を登っていく。
階段の横についている小さな窓からは、少しずつ暗くなっていく空が見える。
綺麗だなぁ、と見ながら歩いていると、すぐにお昼ご飯を食べた場所についた。
師匠は扉を開けて、中に入る。
中にいたのはやっぱりアルドリノールさんで、また席に座って待っていた。
「こんばんは、ミリシア」
「こんばんは」
挨拶をして、椅子に座る。
机に並んでいるのはシチューっぽいもので、とても美味しそう。
「さぁ、食べましょうか。いただきます」
「いただきます」
「いただきます」
『……いただきます』
師匠の後に続いて、手を合わせる。
そのまま、さっそく食べ始めた。
朝ごはんや夕ご飯と同じく、とても美味しい。
すごいなぁ……どうやって作ってるんだろう。
ぼーっとしながら食べ進めていると、師匠が聞いてきた。
「寝る前に、塔の中を案内してもいいかしら? 知らないと不便でしょう?」
「あ、はい。おねがいします」
「案内が終わったら、もう寝ていいわよ」
師匠はにっこり笑って、またシチューを食べ始めた。
そういえば、まだ塔の中を見てなかったな……
お手洗いとか、洗面所は部屋にあったから、特に気にしてなかった。
でも、流石にお風呂はなかったし……案内してもらえるのは嬉しい。
楽しみにしながら、シチューを食べ進める。
やっぱり美味しかったからか、すぐになくなってしまった。




