魚の侵略を食い止めるぞ!
ユーザ達が事務所を後にした直後くらいの出来事です。
ウォータスの西の町ストリームでは湿気を含んだ涼風が平和な空気を運んでいた。だがその平穏を脅かそうとしている物がいた。
「皆さーん!!肉を食べないでくださーいーーー!」
精肉店に突如響いた怒声。だがその声に耳を傾ける者はいなかった。叫ぶ男は続ける。
「牛肉・鶏肉・豚肉・鹿肉その他諸々。これからの生活を送るにおいて肉を食べる事を控えるようお願いいたしまーす。哺乳類や爬虫類、鳥類の動物性タンパク質は食べる事はよって海産物を接種しないという事です。それは海の神様の怒りを買う大変危険な行為です。今の生活をずっと続けているといずれ海は魚を使者として遣わし世界を崩壊に追い込みまーす!なのでタンパク質を接種する時は必ず!植物性タンパク質を。どうしてもやむを得ない場合に限り魚介類からタンパク質を接種する事をお願いします。ですから皆さん肉を食べないでくださーい!絶対に食べないで下さいお願いしまーす!」
それを横目に聞いていた精肉店の店主は呆れながら
「またか……」
と言いながら警備隊を呼ぶ。
警備隊員が″逮捕″の二文字を仄めかした瞬間アスカは黙りこくってその場を去っていった。そしてイライラしながら鮮魚店で大量の生魚を買って帰る。魚の入った袋抱えて帰宅したアスカはその生魚に包丁を突き立て素手でぐちゃぐちゃにかき混ぜていく。そして出来た赤黒い邪悪なすり身を家の前に捨てていく。この行為を魚が無くなるまで続けた。
「制圧完了だ。」
彼はそう言い残しその日はその後の時間を全てビラ作りに費やした。
次の日は早朝から住民をトラブルを起こした。
「早く片付けてちょうだい!いつもいつも臭いの!」
「魚のきょういを知らんのか貴様は!」
彼の頭の中では理不尽極まりないイチャモンをつけられた気分だ。その後また警備隊のお世話になった。
「アスカさん今日はどうしたの?あぁーまたやったのね。」
隊員は周囲に漂うとてつもない悪臭で全てを察した。
「これねー全部今日中に片付けてもらえますかね。」
「これは立派な制圧者に対する革命だ!」
「はいはいそうかも知んないけどまぁこちらとしても手を打たなきゃなんないだよね?」
そういった瞬間アスカは即座に片付けを始めた。その日は片付け作業で疲れてしまったので演説を行わなかった。
次の日は別の精肉店で演説を行った。その日は奇跡的に警備隊が来なかったので意気揚々と家路についていた。その途中アスカはあるものを見かける。
「紙は神なのだぁ!汚すんじゃない!お前達は仏像に絵の具を塗るか?違うだろ!」
「辞めなさい!ブツゾウだのなんだの知らんがこれ以上暴れたら逮捕するぞ!」
アスカの見た光景は写生を行っていた男に暴行を働きそれが原因で警備隊員に取り押さえられている不審者の姿だった。それを見てアスカは
「ヤダヤダ。ああいうキチガイにはなりたくないね。」
と言い残した。