表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/20

バックパックの秘密

第5話のちょっと後。だいたいユーザ達が海の男オーディション関連でザッドに振り回されてる頃です。

これでもう勝負は決まったねー。」

チェンジャーはまた勝負に勝ち、相手の持っている槍を奪おうとするが相手は槍を胸に抱えてうつ伏せになって抵抗する。


「やっやめろ!それはオレの」

「今慌てるくらいなら勝つんだねー。」

チェンジャーは相手の男の頭を踏みつけ吐き捨てるように言う。

そして足でうつ伏せの体を蹴飛ばすように開き槍を無理矢理むしりとる。

そして満面の笑みで


「ありがとねー!」

と言い残し去っていく。


クランボはそんなチェンジャーの略奪行為をじっと見ていた。

そして少し言葉を選びながら口を開く

「……なるほど。チェンジャー様はこのような荒事を……生業に。」


「生業っていうか。目的のためだねー。」

「ほう。何の目的が?」

クランボが少し身を乗り出すがチェンジャーは


「それは秘密。その方が楽しいからねー。」

と不適な笑みで言う。

クランボはそれを聞いて


「まぁいいでしょう。でもヒントくらいは教えて頂きたい。私は貴方様を執事という観点からサポートしたいと考えておりますので。」


その問いかけに対してチェンジャーは少し顎に手を当てて考え込む。

そして


「大切なのは命ではなく……器って事かなー?それを優先?しなきゃーいけない?命は蔑ろにしちゃいけないかなーって感じ。でもこれ以上はノーコメントで。そっちの方が楽しいと思うからさー。」


「なるほど……分かりました。」

(命より器が大切……つまり殺傷より略奪が大切だと。では殺傷をしそうになった場合は止める必要があるか?)

クランボが色々と考えてると不意にチェンジャーが口を開く。


「ありがとう。こんなに思考に耽ったのは何年ぶりだろうー?でも考えるのもいいもんだね。ありがとー。」


その言葉にクランボは目を見張りながらも

「お役にたてて光栄でございます。」

と一応言っておいた。


(たかが一分程度の思案で思考に耽る?一体どんな生活をら送ってきたのでしょうか……でも仕えごたえがある。)


「おっといけない。これを片付けなきゃー。」

そう言いながらチェンジャーは担いでいるバックパックに槍を差し込む。

槍は明らかにバックパックの容量を明らかに超える長さをしていた。

だがすっぱりと収まったのだ。


これを見てクランボはさらに前頭葉を働かせる。

(おかしい。全てがおかしい。こんな芸当が出来るのは付喪神だけ。だがあのバックパックからは付喪神特有の生気が感じ取れなかった。やはり聞くしかないのか。)

「では質問を変えましょう。このバックパックはどこで手に入れたものなのでしょうか?」

望み通りの質問が返ってくる保証は無い。

わかっていながらもクランボは質問してしまった。


だがあっさりと返答がきた。


「あーこれはねー『進化の途中おじさん』から貰ったんだ。」


「はい?」


「何年前だろう?夢の中に『進化の途中か?』って何度もしつこく聞いてくるおじさんがいたんだー。で、ボクはうるさいからおじさんを殺そうとたんだよ。でもそのおじさん強くてさー。逆にボクが殺されそうになって。すると突然『これでガンバレ』ってこのバックパックそっくりのものを手渡されたんだ。その瞬間、目が覚めたんだけど。枕元に全く同じものが置いてあった。って言う話。君といると何か凄く面白く感じる。おしゃべりって楽しいんだねー!」


チェンジャーは心の底から楽しそうに話すがその後クランボがしばらく思考酔いに悩まされたのは言うまでもない。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ