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使うヒト語り

「ああっ……!!がはぁ…………!!」

深夜の事務所。

ユーザはベッドの上で苦しみ悶えていた。


(うぅっ……暑い!!寝苦しい!!とにかく暑い…………!!)

「ああっ!!」

あまりの暑苦しさにユーザは起き上がる。

「やっば…………汗が……」

ユーザは顔に流れる汗の粒を拭いすっかり湿った衣服を脱ぎ捨てる。


窓を僅かに開け外から流れる空気を取り込む。

「やっぱ夜のライドエンプは涼しいな………寒いくらいだ。」

鳥肌が立つのを感じユーザは窓を一旦閉め深呼吸をする。


「ひとまず着替えて、水飲んで、体洗って……また寝よう………うん?」

そしてユーザは扉に向かうため振り向くとある違和感に気づく。


「布団の中に………誰かが?」

ユーザは反射的に後退りする。

ユーザが寝ている布団はユーザが1人いるのみだったがベッドの掛け布団には明らかな膨らみがあった。


(まさかもう1人………てかオレが寝苦しかったのもそれが原因?)

「ハーズ起き………っ!」

ユーザはここでさらに重大なことに気づく。


「ハーズがいない………」

左腕に付いている筈のハーズが見当たらなかった。


(もしかしてベッドの膨らみに関係が………!)

ユーザは恐る恐るベッドに近づきながら掛け布団に掴む。


「一体、何が目的なんだ!!」

ユーザは啖呵を切りながら布団を剥がす。

「うん?…………むにゃあ……ユーザどうしたの?」

そこにはユーザも小柄で年齢も低そうな見知らぬ男が素知らぬ顔で寝ていた。


「おいキンノミヤ!起きろ!起きろって!何一々鍵なんかかけてんだよ!」

ユーザは廊下をひた走りキンノミヤの部屋の扉を叩く。


しばらく叩いていると

「五月蠅いぞ!あの辛味でアタマもおかしくなったか?」

キンノミヤはユーザを睨みつけたながら扉を開ける。


「いや、不審者がいるんだよ!この事務車内に!」

「ユーザどうしたのぉ…………」

「あっアイツだ!オレの言ってる不審者!!」

ユーザを追いかけて男は目を擦りながら廊下を歩いていた。


「不審者…………ハーズだろが?ホントにアタマがおかしくなったらしいな………」

キンノミヤは怒りを込めた視線を憐れみの感情に変えて見やる。


「ハーズって!アレのどこがハーズなんだよ!!そういやハーズもいないんだよ!!オレの左腕から!」

「あぁそう……………」

「その目辞めろって!」

ユーザは何度も説明をするがキンノミヤはまるで理解が出来なかった。


「何を騒いでるんですか…………」

「ワタシはドコ〜??ココはダレ〜??」

タキガワやクロ医者などの面々もユーザの声に目を覚まし始める。


「うぅん?ユーザがこの様に周りを引っ掻き回すのは珍しいな。」

「ああっ!!夢の中で最高のカットをしてたのに…………」

「お前ら、誰だよ!!」

ユーザはクロ医者達と当然の様に一緒にいる人物に叫ぶ。


「良い加減にしろユーザ、お前のせいでみんな迷惑してる。クロ医者、頭診てやってくれ。」

キンノミヤがクロ医者に指示するが


「ベーコンエッグってハムでも作れるのかな〜?」

「あぁ今は無理だ。」

キンノミヤはクロ医者が完全に寝ぼけている事を確認すると


「眠ってろ。」

懐から隠し刀を取り出しユーザを斬りつける。


「あっあぁ………意味ぃ……分かんねぇ…………」

キンノミヤからの不意打ちを受けユーザはそのまま眠りにつく。


「………ーザ、ユーザ!」

「うぅん………アレ?」

ユーザはキンノミヤの呼びかけで目を覚ます。………


ユーザは照りつける太陽と見覚えのある視線と見知らぬ視線の混在の混在した集団に注目されていた。

「何なんだよ………またお前らかよ………てか付喪神が一体もいない!付喪神は、ハーズは何処にやったんだよ!!」

ユーザが呼びかけると


「ユーザは忘れてしまったのかも知れないのけどハーズはボクの事だよ?つくもがみとかいう良くわかんないのじゃないよ?」

「え?確かに………声は………同じ……」

目の前でハーズと名乗る青年はユーザの見知っている籠手の付喪神と同じ声で同じ雰囲気を纏っていた。


「わぁ!!声は覚えてくれたんだ!ボクとユーザはさ超常大陸で会ったんだ。」

ハーズは過去を思い返しながら説明する。


「あの時……倒れてるボクになけなしの水と食料をくれたのはユーザなんだ。その後、ウォータスに上陸してからシロ医者とザッドとリンに会ったんだ。じゃここからは2人に。」

ハーズは髪を一纏めで縛る髭面の男と緑と黄の混ざった髪の陽気そうな男に話を託す。


「そう。我が水の国ウォータスで海の男になる為向かった所で同じと出会ったのだぞ。釣りをお前に伝授してやったのは勿論覚えておるな?」

「オレっち忘れてねぇよな?!自転車お前に教えてやったろ?」

「いや…………初耳です。」

ユーザは自分の知らない記憶を説明され混乱していた。

(確かにザッドっぽい男はザッド感あるし、あの派手髪はリンって感じだけど…………やっぱ結びつかねぇ!〜〜!!)


その後も

「ワタシはタキガワに付いていきココで髪を切っている身なのです。」

サラサラの長髪を横に流した男や


「はい上野雅之です………異世界からやって来たんですけど、でもこの世界は結構なんでもあるんであんま役に立ってないですハイ…………」

何処にでもいそうな平々凡々な顔の男


「もう1人のワタシ、2人の女の人に毎日叩かれて可哀想なんだよ!黙ってれば美人さんなのにさ〜!お前がマニンゲンとか良くわからん事言うからだぞ!」

シロ医者を真人間にするべく奮闘する美人二人組や


「チェンジャーの執事を名乗る人物。謙虚そうに見えて中々頭の切れる人物であったな。」

「そうだよね?チェンジャーの武器集めを完全にサポートしてるし。」

チェンジャーの執事を名乗る眼鏡の男など、さまざまな付喪神が人に成り代わっている事をユーザは突きつけられる。


「まぁ、これだけ話せばユーザも思い出したろ?」

「はぁ…………ここまでのダルかったな。」

ユーザはヤカラ風の2人に剣を突きつけられていた。


「やっぱ無理だ!オレの仲間は付喪神と人間なんだ!お前らを仲間とは見れねぇー!!」

ユーザは二人組を薙ぎ倒し事務所を飛び出す。 


「おい待て!」

キンノミヤの追跡から逃れようと大きく足を踏み込んだ瞬間


「ありゃ!」

ユーザは転倒し頭を強く打ってしまう。


「ああっ……!!がはぁ…………!!」


深夜の事務所。

ユーザはベッドの上で苦しみ悶えていた。


(うぅっ……暑い!!寝苦しって、おんなじ流れ!)

「またココにヒトが!?」

ユーザはベッドから飛び起き布団をひっくり返す。

「これは…………いない?」

そこには汗で濡れたシーツのみがあった。


「うん?…………むにゃあ……ユーザどうしたの?」

左腕からはユーザの見慣れたハーズの声が姿がくっきりあった。

「良かったぁ〜!戻れたぁ〜!!」

ユーザは歓喜のあまり、叫びながらハーズを頬に擦りつける。


「なっ何なの………寝かせてよ…………」

ハーズはユーザの態度に困惑していた。








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