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私が新メンバー!

初期構想では本筋に組み込もうと思ってましたが、話のボリューム的に別枠でやった方がいいという判断になり、かと言ってこれで1話使うのもなぁと思いスピンオフ枠という形に落ち着きました。

「はぁ〜今日は暇だな。」

「まぁ最近依頼が立て続けに来てたしゆっくり休めるから良いけどね〜。」

今日は朝から依頼が来なかった。

美容依頼も予約制になってから大幅に負担は減り、ユーザ達は体を休ませていた。


「ザッドとシャーバランは?」

「ザッドは朝からシャーバランをれ連れて釣り堀に行ったらしいよ。ウォータスの釣り堀にある世界最大の釣り堀に行けなかったのがすごい心残りで、それを少しでも埋めたかったんだって。」


「全然なっておらん!もっと空高く大きく投げるのをイメージしろ!」

「え〜空高くって言われても……」

その頃釣り堀ではザッドはシャーバランに釣りの極意を徹底的に叩き込んでいた。

「そうか、そういやキンノミヤに会う前そんな事行ってたな〜。ウォータスも、もはや懐かしくなってきたな〜。」

ユーザはウォータスでの出来事を回想し黄昏る。

「って!全然黄昏られねぇわ!ロクな事しか思い出せねぇ!現在進行形でアイツもいるしな。」

ユーザは事務所のある一室に目を向ける。


「ほうほう!こうなるとこうなる訳か……でアレがアレすればアレになるからアレの出来上がりで要するにアレだぁーー!!ハハハハハハハ!」

その部屋の中でバカ医者が瓶を持ち高笑いしていた。部屋には多種多様な植物や生肉、メモが散乱しておりとんでもない悪臭を放っていた。


「全く意図の掴めない独り言御苦労さん。医者、調子はどうだ?」

マスクをしながら入ってきたキンノミヤが何かを尋ねに部屋に入ってくる。

「おう!キン見てよ!このナンセンという草をすり潰して塩大さじ2杯砂糖小さじ3杯片栗粉大さじ4杯足して混ぜながら少しずつ激しく水を加えていくとあらびっくり!胃薬型のスパイスになってしまうんだ!お一ついかが?」

バカ医者が押し付けてきた瓶をキンノミヤは受け取り中身を一滴手に垂らし舐める。


「うーん?少し青臭くて塩辛いが珍味スパイスと言えばイケるか……ナンセンはこの地域では何処でも生えてるらしいしよし採用!」

「やったー!コレでノンマルトたっせーー!」

「ノルマな。」

はしゃぐ医者をキンノミヤは嗜める。


「で?何これ?」

「あのなぁ……」

首を傾げる彼にキンノミヤは頭を抑えながらゆっくりと口を動かして説明する。

「お前は調味料から薬を作れる上この机にある分を一日で作れる程の調合技術の持ち主だ!だからこそ、事業拡大の為我が事務所では調味料という建前で薬を売ることにした。で、今この瞬間にオレが利益を出せるかつ常時販売可能と判断した7種類が揃った訳だ。」

「へぇ〜凄いな。私には思いつかなかったぞ。」

「もうこのくだり10回目だぞ!」

バカ医者の調子はいつも通りだ。


それはウォータスでも変わらなかった。

「コラ、何でやったか説明しなさい!」

ウォータスの診療所ではツミとラブクープの怒号が鳴り響いていた。

バカ医者が備品の皿を使って野良犬と戯れた結果皿を割ってしまった事を注意されたのだ。

「すいません!悪気は無いんです!」

「でしょうね……悪気だの何だの言う知能ありませんものね!」

「え?え?じゃ、じゃああります!悪気があってあります!」

バカ医者はそう言って安堵した表情を見せる。


「じゃあありますじゃねーですわよ!どっちにしろ許しませんわ!ふざけた事をしでかしたのは変わりありませんですわ!大体あなたを真人間にする為私は…」

「え?2人ともあるなしクイズ好きじゃない?」

話を切られた上、惚けた表情で言われた為2人の怒りは頂点に達した。バカ医者は首を締め上げられた上、頸動脈を刺された。

「はぁーッ…ん…っ!あっ…♡…っ!むり、らからあ゛…ッ♡♡もぉっ♡ぁッ♡きもち、いのい゛ら゛な゛い゛ぃッッ♡♡♡あ゛、ぉ…っ!?♡♡やっ…あ゛ァ!!♡♡あ、あ゛ーッッ♡♡し、ぬ゛…ッ♡♡しんじゃ、あああ゛ァッ!!♡♡♡」

「「喘ぐな!」」

それを横からペキオラは見ていた。

「ひゃあ、今日も平和だにぇ〜。」


その日の夜、バカ医者は今日の出来事を寝て忘れていた。

「Zzz…ってなんて読むの……」

寝言を言うほど深い眠りに付いていたバカ医者に魔の手が伸びていた、

「ん?アンタ誰?」

「私達5人揃って世界初!逃亡犯系アイドルの」

「「「「「手配書の女神でーす!!」」」」」

目を覚ました医者が彼女達の恒例の自己紹介を聴いていたらエイメンがやって来た。


「新メンバー?」

「はい、私は貴方の力を信じている!」

医者の手をギュッと握りしめてエイメンが応える。

「私の考えているアイドルはとにかく埋もれない!模写にならない事というモットーを第一に活動しています。」

「うぐぅ………長い話………!…頭が痛い!」

バカ医者はこれだけの話を聞くのも集中出来ず理解も出来ないので机に突っ伏し悶絶していた。


「で、私は貴方のお知り合いに話を聞いたんです。」

バカ医者は

「お知り合い?」

「ユーザさんとか?」

その名前を出した途端あからさまに態度が変わった。

「おぉ〜ユーザ!ユーザか!知り合いなの?」

目を輝かせて尋ねた。

「はい!知り合いです!その後ユーザさんの事務所な伺って、貴方がいる事を知ったんです。んでもう1人同じ人間がウォータスにいる事を知り、ここにやってきたのです。」

「でも凄いでよね!事務所で見た顔聞いた声そっくりそのまま!」

「うんうん!本人よりそっくりじゃない?」

「いや本人なんだから一緒に決まってるっしょ?」

「ちょっとメイがまた変な事言ってる〜。」

メンバー達もバカ医者に注目していた。


「今まで女性オンリーのグループに男が、それもかなり特殊な人間が入るなんて誰もやった事無い!まさに私の理想が完全に叶ってしまうんです!なので手配書の女神、やってくれるかな?」

「いいとも!」

こうしてバカ医者が手配者の女神の新メンバーになる事が決まった。


「まずはアイドル活動をやるに当たって!歌とダンスは重要です。まず歌の方から見ていきますね。」

「はい!愛しく切なく心強くやります!」

「ちょっとその心意気アウトくさいですねー。まぁ早速やってみますか。一曲知ってる歌をどうぞ。」

「はーい!」

こうしてバカ医者の歌唱が始まった。


「………どうですか?ワタシやるるしたか?」

医者が噛みながら尋ねると皆絶句していた。


「いや、もう脱帽です……今噛んだのが惜しいぐらいに。」

エイメンは椅子から立ち上がった。

「素晴らしい。この一言意外無いです。」

「えぇ。正直2年間活動してる私達より何倍も上手いと思います。」

「待って、ラン泣いてるんだけど!」

「い、いやだってぇ〜もうすごくてうまくてあたしふがいなくてぇ〜」

「いやいや私達全員思ってるから……」

「高音も低音もよく通ってブレないし、芯が通ってるけど儚さも同時に感じる……貴方の喉はもはや国宝級です。どこかで習ってました?」

「なすとなすびの見分け方とスイカとスイカビの、見分け方なら習ってたな。」

「は?何ですかそれ……ゴホン、まぁこの調子でダンスも期待出来ますよ。」


「それでは彼女達が踊るのでそれに合わせて見てください。」

「はい!言いたいことも言えないこんな世の中でも目一杯踊ります!」

「それもちょっとアウトっぽいですねー。それではスタート」

アージ達が手拍子しながらステップを踏むのを見ながら医者も手足を動かす。

「どうですか?」

「っふふふふふふ…………」

エイメンは椅子から立ち上がった。

「ゴホン、ごめんなさい本当に面白くて……いやでもアリですよ?こういうのも個性な……ナアーハハハハハハハハハハ!ナァハッハッハッハ!」

彼は必死に笑いを堪えていたが吹き出してしまった。

「もう何もかも違いから……ハハハハ!」

「そうはならんやろwwwww」

「ちょっとメイがまた泣いてる!」

「いやホントに!お腹いたいアハハハハハ!」

「ハハハハハ!」

医者もつられて笑ってしまい、全員腹を抱えていた。


そして翌日

「私入って一日でいきなりか?プロデューサー焦らしプレイ好きじゃない?」

「ハイ!こういうネタはすぐに出すべきだと私は考えているので。まさに光る原石である貴方なら尚更ですよ。」

医者は今日ウォータスで早速行われるライブで、お披露目する事になった。


「ウォータスの皆さーん!こんにちわー!」

「うおおおおおおお!!」

「潮風が気持ちいいですねー!」

「うおおおおおおおおおお!!」

特設ステージには追っかけやファンや現地のファンが入り乱れ全員で盛り上がっていた。唯一無二のアイドルグループだが、何だかんだ物好きはいるものである。


「早速ですが、皆さんに大事なお知らせがありまーす!」

「え?」

「なになに?」

「ん?」

「流れ変わったな」

「ん?」

会社にどよめきが起こる。


「実は、手配書の女神に新メンバーが入る事に!なりましたー!」

「新メンバー!?」

「いきなり過ぎんだろwww」

「まあ手配書だし……」

ファンの反応は悪く無かった。

「それでは早速呼びまーす!テッドくん!」

「どうも〜〜!!新メンバーのテッドでーす!!体悪いやついる?直してあげるぞー?」


「これからはテッドくんと一緒に6人で頑張って行きたいと思います!」

その瞬間、会場が冷えた。

「……………………」

「え?」

「ん?こんな反応は予想外だぞ?」

あまりの変わりようにエイメンとメンバーは戸惑う。

「バカヤロー!」

観客席から突然聞こえたこの言葉その瞬間会場は批難の嵐が巻き起こる。


「男いれるとかふざけんじゃねー!」

「精液臭せぇのをさっさと退けろ!!」

「マジで見損なった!どんだけつぎ込んだと思ったんだよ!」

「オレの気持ち考えた事あんのかよクソが!」

「もう推さない。商業主義に魂売った奴らに要はない。」

「アイドルの自覚あんのかよ!マジでクソクソクソクソゴミオブゴミ」

「死ね!」

「くたばっちまえ!」

「ボケ!」

「こんなヤツら豚箱にぶちこもーぜ!」

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」


一部のファンが暴れ出したのだ。

この時の反転アンチと化したファン達の行動は早かった。

彼らはウォータス警備隊の事務所に通報、エイメンを含めた6人は身柄を拘束。

バカ医者は保護された。


「アイドルって凄いな!」

「これがアイドルだとは間違っても思わないでくれ!」

警備隊員に突っ込まれる

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