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紙は神だっ!

時系列的には第14話の前に見るといい感じです。

それは紛れもない事実である。

 

そう信じている男がいた。彼にとって植物紙や羊皮紙。全ての紙が信仰の対象なのだ。


彼にとってコピー用紙は仏像であり、彼にとって製紙工場は神社で、彼にとって紙の発祥地中国はエルサレムだ。


 そして彼は紙を道具として使う文明人類を憎んでいる。

教科書の存在に腹を立て学校はまともに通っていない。


「御神体にウ⚫︎コつけるなこの糞がっ!」というのでケツが汚い。

紙幣に対して

「お前らは仏像に人の絵を描くのかアァン!」

と言うので、PayPay支払い。


中国批判を許さないので5chで要注意人物。


絵画にトマト缶を投げようとする。


人ん家の障子を勝手に持って帰る。


そこかしこで

「神を敬え!」

と怒鳴り散らす。

警備員に摘み出され泣き喚く。

そんな調子で何時も迷惑行為を働く。


 こんな人間が25まで生きて行けるのだから神様も人が悪い。

 

「ウチの子に何かあったらどう落とし前付けるつもりですか!もー!」

母親が怒鳴り散らした。


 彼は今日小学生を追いかけ回した。

彼にとって学生は全て敵だ。

「神に仇なすものに制裁を加えようとしただけだ!」と言う彼を

「わかったから落ち着いてください!」

と数人の初老のスーツ姿の男達が取り押さえる。


「誠に申し訳ございません。」

と男達の1人が謝ると

「何故アイツに謝らせないんですか!大体貴方方は誰ですか!」

と母親は言葉を荒げる。

「あの…彼は…ああ見えても我が社の社長なんです…。我々役員でして…」


 彼は印刷会社の社長なのだ。

と、言っても跡継ぎボンボンで経営に関わっていない。

それどころか

「カミサマをいじるなこの狼藉者が!」

と社員を怒鳴り散らす始末。ただ社員達も

(何で狼藉者なんて言葉知ってるんだあの人?)

(水戸黄門に影響されたんだろ。)

という具合に鍛えられてる。


朝礼にも顔を出さない。

というか出させれない。

そんな役員の不安な種はもちろん社長だ。

 

1人の役員が呟いた。

「今回の件も何とか和解できたがこれからどうしますか。このままじゃ逮捕も時間の問題だ。」

「確かに社長のアレは年々ひどくなって言ってる。幸い経営自体は上手く行ってるからこそ余計頭を抱える。」

「強制入院でも治らなかったからなぁ。打つ手無しだ。」


そんなこともつゆ知らず彼は後日「紙は神だっ!」だとか「神を敬えバカ!」と騒音を撒き散らしていた。


 すると、同年代くらいの男が彼に声を掛けた。

「あの、すいません。」

「何だオメェ。」

「あなた紙を神だとか言ってますが…それは違うと思うのです。」


「おい、もう一度言ってみぃ。」

その男ははっきりとした声で

「だから、違うと申しているのd」

バカ社長は言い切る前に男の胸ぐらをつかんだ。


「何言ってんだボケェ!どうしてそう言い切れる!」

男は淡々と切り出す。

「逆に聞きますが、どうしてあなたもそう言えるのですか?」

「どうしてって、俺がそういうならそうなんだよ!」

「ひどいですね。答えになっていない。」

と男はため息交じりに答える。

「じゃぁオメェはどう思うんだよオメェはよぉ!」

すると男は自分の頭を指差して、


「髪が神なのです。」

「!」

 

同類だった。

「どうしてそう思うんだ!」

「私がそう言うからそうなんです」

「めちゃくちゃだぁ!」

その後もキチガイ2人の問答が続く。

「紙こそが神なんだ!」

「いいえ髪こそ神です。」

「紙だ!」

「髪です!」

「紙だ!」

「髪です!」

「神!」

「髪!」

「神!」

「髪!」


 すると、突然2人の頭上に雷が落ちた。

2人は即死だった。


 神様は案外人々のことを見ているのかもしれない

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