表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/12

第四話 便利な〔本日のニュース〕!死亡フラグ回避の希望の光

2024.03.24


 毎朝の日課のようになりつつあるテラスから見える領地を見ること。

 前世の記憶が蘇ってから早くも1年が過ぎた。ここから見える景色もかなり様変わりした。

 何も防衛設備が無かった領地に防壁と見晴台が設置された。

 優秀な警備兵達も駐屯している事からそう簡単に攻め込めないようになっていて多少は安堵する。


 この1年ですっかり見違える程領地は豊かになった。


 我がフレイムグラス家は魔石と聖水とウルルの薬草で膨大な利益を叩きだしており社交界では成り上がりの貴族として注目の的らしい。


 ぶっちゃけそんな事はどうでも良く、少しでも世界情勢が変わってくれればと思うがこれしきの事では世界は変わらなかったらしい。

 今の所、記憶している事件事故等は全て起きている事から、この程度の変化では強制力?的なもののせいか問題無く事件年号通りに発生している。


 と言う事は、未だに私の命の危機は現在進行形であると言う事に他ならない。


 固有スキルにあった【英知の結晶】と言うスキルが重宝している。

 知りたい情報の検索等が出来たりアラームなんて便利な機能がついている為に、私自身ですら忘れてしまったりしている細かい情報もちゃんと一日の始め、朝になると〔本日のニュース〕なんて、まるで新聞の様な見出しのヴィジョンが現れその日に該当する事件や情報などを知らせてくれるのだ。これには本当に助けられている。

 恐らく設定資料等にない細かい情報ですら知らせてくれるみたいで初めて見た時は本当に驚いた。

 例えば、本日母親が新しいドレスを買うとかそう言う細かい情報など。

 

 それでも。

  

 どれだけ固有スキルの数に恵まれていようとも、加護に神がついていていようとも、戦闘系の才能が皆無で運動制限のある欠陥を持つ私にはこれからどれだけ特訓しても目覚ましい変化は見込めない事は確定しているのが現状だ。

 良い解決策は1年が経過しても変わらず見つかっていない。

 いい加減に気が滅入りそうな為に今日は気晴らしに久しぶりに町へと向かう事にした。


 基本的に6歳児でしかも希少な予知夢を見る子供を辺境でのどかな町とは言え一人で行かせられないと護衛(国王が派遣してきた聖騎士)を2人付ける事を条件にお出かけの許可が出た。

 久しぶりの外出と言う事もあり浮かれながら到着した町、辺境の町なんて都会と比べれば店は少ないがそれでもこの1年でかなり発展した為にお店もかなり増えた。

 今日はメイド達が話していた小物屋にでもとウキウキしながら馬車から降りたその時だった。


 「お願いしますッ、どうか、どうかッ助けて下さいッ!!!」


 聞こえてきたのは悲痛な救いを求める声。

 何事だと周囲を見渡せばそこにいた人物を見て思わず絶句する。


 銀髪に赤色の瞳。


 小汚い姿をしているが良く見れば整った容姿をしていて、設定資料で見たあのキャラクターの幼少期の姿そのままだった為に間違いない。


 この世界がどちらを主軸としているか分からないが、乙女ゲーム化した方ならば、のちの冷酷無比、ラスボスであるカサブレア王国第二王子、ガイウス・ル・カサブレアの腹心側近でプレイヤー達に彼こそが最強最悪のラスボスと言わしめたチート級天才騎士、アルフレッド・ミルグレア、その人だった。

 乙女ゲームの癖にミニゲーム要素である戦闘がやけに作り込まれていて難易度が高かった為に乙女ゲームに興味ない勢までもが購入してプレイしていた程の話題作。

 ラスボス前の中ボス戦で登場するアルフレッドが正直馬鹿強すぎな上に、勝利するのも完全にランダム運がなければお話にならないクソゲー仕様の超絶チート剣士だ。彼が持っている加護は秘匿されていたが、なんとの武神と神付き加護持ち、更に剣聖の加護もあるダブル加護持ちである。更に固有スキルで【聖剣】【鉄壁】【自然自己回復】【必中】【完全回避】【魔法耐性】【物理攻撃耐性】【能力向上】【身体強化】と、もうそれどうやって倒すの?レベルの非常識チートっぷり。

 そのうえ、ボスあるあるの「何なのそのHPの桁は!?」こんなの絶対に普通の人間じゃない!仕様。

 

 何度もセーブ&ロードを繰り返し、たった一度の奇跡と言う幸運を掴み倒した後は歓喜の余り号泣してしまった程である。

 ちなみに自慢ではないが一応初討伐者として公式HPに掲載されました。

 そんなこんなあって次に出て来たガイウスは強いがアルフレッド戦に比べれば超楽勝であっさり倒してゲームはエンディングを迎えるのだ。

 本当にラスボスよりその護衛が強いって言う意味不明のクソゲーだった。


 前世の事を思い出して思わず遠い目になったが、その最強チートなアルフレッドが目の前にいた。

 どうやらまだカサブレア国には行っていないようだ。

 小説にも設定にも作者の初期設定にすら、アルフレッドがケスニア領地にいたなんて情報はなかった。

 これはどう言う事だ?と考え込んでいる時にある事を思いつく。


 もしも、彼を味方に出来たら。

 あの強さがアレば私は死なないのではないだろうか?


 そう思ったら護衛で今は変装して傍にいてくれる騎士達が止めるのも無視してアルフレッドに近づいた。


 「どうかしたの?」

 「あ、あのっ!た、助けて下さいッ!!おじさんが病気なんですッ!!」

 「え?」

 「お嬢ちゃんやめておけッ、そのガキを連れてた男は穢れ者だ!関わったら最後、お嬢ちゃんまで穢れちまうよッ」


 男が言った穢れと言う言葉に護衛達はすぐさま反応して私をアルフレッドから遠ざけた。

 穢れ、瘴気、と言うものがこの世界には存在する。

 穢れ者とは、穢れに触れた人間の事。瘴気に触れた者も同様に穢れ者と呼ばる。

 【穢れ病】又は【瘴気病】と言われ、症状はどちらも同じで医術的な治療が不明な上に触れたりする事で感染する驚異の死病である。

 高位の大神官や神官長それから聖女であれば治癒も可能かもしれないが、そんな大物が早々こんな辺境領地にいる訳がない。

 何よりそれらに頼むには多額の寄付金がいるなんて教会も中々に酷い、だけどそれがこの世界の常識だ。


 アルフレッドが穢れていない理由は固有スキルの【鉄壁】のお陰もあるだろうが、第一に神殿の人間級に聖属性の数値が高いからだろう。穢れは聖属性の数値が高い者は穢れ難く、傍にいても簡単に影響は受けないのだ。

 確かアルフレッドの属性はメインは超レアな氷属性だが実は聖属性も持ってる馬鹿みたいな2つ持ち仕様。もう笑うしかない。


 「お願いします!!!誰か、おじさんをッ」

 「余所者が!!厄介事持ち込みやがってッ!とっととこの町から出て行け!!!」

 「やめてーッ」

 「お嬢様いけませんッ!」


 今まさに目の前でアルフレッドを蹴りつけようとしている男の前に騎士達を振り切って飛び出した。

 うちの領地でこんな事をするなんて許されない。

 相手はまだ子供である。

 背中を思いっきり強く蹴られた衝撃にそのままアルフレッドへと倒れ込む。

 まだ幼いアルフレッドはそれでも私を驚きながら受けてめてくれた。

 騎士達は慌てた様に男を拘束する。


 「お嬢様ッ!!」

 「へ、へいき……だいじょうぶよ………それより、あなたおなまえは?」

 「ア、アルフレットです」

 「そう………おじさんどこ?」

 「え?」

 「ちりょう……ひつようなんでしょ?」

 「は、はいッ、あっちですッ!!」

 「ばしゃまのてはいおねがいします」

 「しかし、お嬢様!」

 「めいれい、すぐにおねがいッ」

 「しょ、承知しましたッ」

 

 義父と王弟のオルトスから私付きの護衛だと紹介されたカイルとナイシード。

 何かあれば何でも言う事、好きに命令していいからと言われて数ヵ月一緒にいるが一度として命令なんて使った事はない。

 二人は護衛でありながらも親切に優しく接してくれていたから。

 そんな二人に初めて命令した。

 私の命令はどんなことでも絶対、きっとそう言われているだろう二人はまだ言いたい事はあるだろうがそれを飲み込んで言う事を聞いてくれた。


 背中の痛みを我慢して立ち上がりアルフレッドの案内について町を出てすぐの木の下に背中を預けるようにして苦しそうに座る男の姿を見つけた。


 「おじさんッ」

 「…………ア……ル……」

 「しっかりしておじさんッ」


 この人は誰だ?こんなの設定にない。知らない。

 アルフレッドの家族構成は設定資料にも作者の初期設定にも簡単にしか記されていなかった。

 両親を早くに事故で亡くして兄弟はいない。

 イシュガレリア王国の人間に酷い目にあわされて逃げ延びた先で倒れていた所をガイウスに拾われた。命を助けてくれたガイウスに忠誠を誓い、以降は彼を守る為に研鑽を重ね側近として常に傍にあり続けたとあっただけ。


 酷い目にってまさかのうちの領地でだったのかと心の中で悲鳴を上げる。

 どうりで最強の側近自らこの領地に踏み込み滅ぼした訳だと、今になって漸く納得がいった。

 こんなイベント通知なんて朝は無かったじゃんと思わず自分にしか見えないけれどコッソリとウィンドウを出して確認すればそこにはシークレットイベント発生と表記され点滅している別枠があった。

 シークレットって何だ?と思わずタップしてそこに出た説明に思わず舌打ちをしたくなった。


 ※【孤高な天才の悲劇】発生場所 ケスニア領地 ドルル町酒場前


 どう言う法則かは分からないが実際に自ら接触したり関わったり、その付近にいないとイベント発生告知されず、発生しても情報は発生場所くらいしか詳しくは表示されないもののようだ。そう言う事はもっと早めに教えて欲しいと叫びたくなった。むしろこう言う情報が必要だってッ。


 すぐに男に鑑定スキルを使う。


 ◇名前 ハロルド・マナキン  ◇年齢 32歳  ◇Lv 40

 ◇HP 85/8500   ◇MP 2400/2400

 ◇職業 傭兵 元騎士

 ◇加護 身体強化【駿足】

 ◇属性 火属性


 ※◆状態異常◆※ 穢れに感染中 重症


 ◎補足◎ アルフレッドの父親の親友であり、親友の死後アルフレッドを引き取

      り育てている。穢れからアルフレッドを庇い感染した。


 マジか。小説にはない情報に思わず感動する。

 孤高の戦士にもいたんだね、身内と呼べる人が。

 その事実が少し嬉しかった。

 だからこそ、余計に助けなければと思った。

 馬車がやってきたのを見て私はすぐにカイル達へと視線を向ける。

 二人は既に鑑定済である。


 「カイルはだめ、ナイシードならへいき」

 「え?」

 「このひとばしょにはこぶのてつだって」

 「!?」

 「だいじょうぶ、ナイシードならぜったい」

 「お嬢様……」


 触れれば瘴気病感染粗確実なんて恐ろしい病気である、例え護衛対象からの命令であったとしても躊躇するのは仕方がない。

 こう言う時、本人のステータスを見せてあげられないことが歯痒くなる。

 仕方がない奥の手を使うしかない。


 「ゆめ、みたからへいき」

 「!?」

 「いまおもいだした」

 「承知しましたッ」

 「私は先に急いで旦那様に報告に戻ります」 


 夢を見たその一言で二人の顔つきが変わる。

 カイルは屋敷へと急いで戻っていき、ナイシードは先程の戸惑いが嘘のように平然とアルフレッドと二人でハロルドを抱えて馬車の中へと運び入れた。

 心配そうに見ているアルフレッドに大丈夫と一声かけて一緒に馬車へと乗り込んだ。

 絶対に死なせない、私の今後がこの人にかかっていると言っても過言じゃない。


 そこからはナイシードが馬車を飛ばして急いで屋敷へと向かえば知らせを受けた両親と執事が多くの護衛達と共に待っていた。


 「ユフィッ!大丈夫かいッ!?」

 「ユフィッ!!」


 義父とその妻である義母ディアナは私が馬車から降りると駆け寄って抱きしめてきた。

 穢れ者と関わったと聞いている筈なのに二人共気にした様子もなく抱きしてくれることが嬉しかった。

 大切に守る様にと国王からも命令が出ているだろうから余計に心配をかけたに違いなく反省する。


 「おとうさま、ちりょうするです」

 「治療だって?穢れ病をかい?」

 「はい」

 「………ユフィ、それは誰がするのかな?」

 「わたしです」

 「ユフィが!?できるのかい!?」

 「たぶんできます」

 「ああーーー、もぉッ、君って子はどんどんッ………夢を見た、間違いないんだね?」

 「はい」


 正直心が痛むが仕方がない。

 このやり方でやっていくと決めたんだ、今更泣き言なんて言ってられない。

 本当はあまり使いたくない手である。

 攫われて何処かに監禁されて一生予知夢を見ろなんて運命は全力で回避したいから、それでも、そんな事は今回ばかりは言ってられない。


 ハロルドが運び込まれたのは最近私が始めた薬剤調合する為の小屋。

 予知夢だけではなく魔法を使う為に絶対に必要な妖精達の傷などを癒す治療薬を情報通りにこっそり作ってみれば何と作れてしまったのだ。

 それを報告した時の義父は驚きの余りその場に崩れ落ちた。

 執事と商会長、更には王弟まで呼んで何日も話し合いをした結果、絶対に誰にもこの事を話さない事を約束されられた。

 しかし、私が薬作りを自分の意思でしたいと言うなら続けても良いと言うので二つ返事でみんなの為にやりたいと言えばみんな私は良い子だと嬉しそう頭を撫でてくれ屋敷の敷地内に小屋とは言え立派なものを立ててくれた。

 中の設備も研究者顔負けな程様々なものが揃っている。


 その小屋の中には私の体調を考慮してベッドが備え付けられている。

 感染率が非常に高い瘴気病患者を屋敷の中に入れる訳にはいかない為に急遽そう言う処置となった。

 私はすぐに治療の為の準備をした。


 「おそとでてて」

 「ユフィ、知らない人間がいる場所に大事な愛娘を1人残すなんて私には父親として絶対に出来ないよ」

 「………な、ならおとうさまとあの子いがいはでてて」


 私が妥協してそう言えば義父は納得して指示を出してくれた。

 どうせ義父には色々と知られているのだ問題無い、むしろ今後のフォローをしてもらう為にも知っていてくれた方が好都合だ。


 「おとうさま、ユフィのちからたりくなくなったらそのおくすりをのませてください」

 「MP回復薬かい?……わかった。だけどユフィ……くれぐれも無理だけは駄目だよ?いいね。もしもの時はその男は諦めてユフィの安全を優先すること、これだけは絶対に守って欲しい」

 「………はい」


 酷いことを言っているが仕方がない。

 アルフレッドもそれは承知してくれたようでお願いしますと深々と頭を下げた。

 私はそっと固有スキルを発動させた。


 「【浄化】」

 「「!?」」


 淡い光がハロルドを包み込んだ。

 初めて使うから不安だったけれど、なんとか無事に発動した事にホッとした。

 光の粒子が禍々しい穢れを消していくとても綺麗な光景だと見ていればグンッと魔力がドンドン持って行かれている事に気が付いた。

 これでも魔力量は他の人に比べてかなり所有している方なのにコレはマズイのでは?と冷や汗をかく。

 ドンドン減っていく。

 穢れは徐々に薄まり始めていてアルフレッドも義父も唖然とそれを見ている。


 穢れの【重症】を正直嘗めていたかもしれない。


 MPの消費速度が落ち着いて来た事に安堵した時、今度はHPが減り始めた。

 これには何でッと焦る。

 どうやらこの状態はかなり無理している上に先程、酒場の男に蹴られたのも良くなかったようだ。

 同時進行で減っていく数値に本気で焦る。

 これはマズイ、かなりマズイ。

 MPには自信があったがHPは駄目だ。

 そもそもが少ない上に心臓に欠陥が出来たせいで同年代の健康な子供よりも少ない方なのだ。

 視界が霞む。

 これ、死ぬのでは?と思った。

 だけど今治療を中断すれば一時的にハロルドは死ぬ免れるが結局、高位神官も聖女もいないこの地ではハロルドを助ける事は出来ないだろう。

 きっと義父は私のその状態を見れば二度と【浄化】は許可してくれないだろう。


 ハロルドは絶対に助けなければならない。

 私の今後の運命がかかってるんだ。


 ならばやるしかない。


 「お、おとうさま………あかいおくすりちょうだい」

 「は?……MPの方じゃないって………ユフィッ!いますぐにその力を止めるんだッ!!」

 「だめです……とめるのだめ……たすけられなくなる………おとうさま……おねがい……はやく」

 「クソッ!」


 義父は辛そうにしながら私を止めようとしたがそれすらも私の命を削る事になっているとすぐに理解して棚にある赤いHP回復薬を持ってくるとそれを私の口の中に入れて飲ませてくれた。

 甘いシロップのようなそれを飲むとHPが回復した。

 もう少し、もう少しと早く完治する事を祈りながら力を使い続ける。

 それは随分と長い治療になった。


 時間にして二時間、結局回復薬を七本も飲む事になった。


 ゆっくりと光が消えてハロルドの身体から完全に穢れが消えていた。

 苦痛に歪められていた表情は今では穏やかに寝息をたて眠っている。

 それを見てアルフレッドは泣いて喜んでいた。

 私はそれを見て安心した瞬間、グンッと思っても見なかった反動が来た。

 心臓が馬鹿みたいに痛い。


 「ユフィッ!!」

 「おと……かれを………ここに……おいて………ッ……」 

 「わかった、わかったからもう喋らないでッ」


 今にも泣きそうな顔で私を抱えると義父はすぐに小屋から出て外で待機していた執事に医者を呼ぶように指示を出せば既に念の為にと医者がいる事を聞けば執事に感謝の言葉を告げて急いで屋敷にある私の部屋のベッドに私を運んだ。


 診察をした医者は真っ青な顔でどれだけ激しい運動をしたらここまで悪くなるんだと頭を抱えていたそうだ。

 散々周囲に心配をかけた私が次に目を覚ましたのは何とあれから二日後の事だった。

 起きるなり義父達には盛大に泣かれてしまい、しこたま説教された。

 そして、【浄化】が使える事は絶対に他言しないこと、スキルも今後絶対に使用しないことを約束させられた。


 「いいかいユフィ、その力が外の人に入られれば間違いなく私達と一緒に暮らせなくなってしまうだろう」

 「い、いやですッ」

 「私だって絶対にそんなことは嫌だよ。だからお願いだ、絶対にその力をもう使わないでくれ」

 「おとうさま」

 「お願いだよユフィ、君の身体から力が抜けて身体が冷えて行くのを見るのはもう二度と御免だ。そんなユフィをもう見たくないんだ。ね?ユフィ、お願いだ」

 「はいッ、やくそくしますおとうさまッ」


 義父は泣きながらそう言って優しく私を抱きしめた。

 実の娘でないのにこれほど愛してくれる、私がずっと欲していた家族。

 家族は悲しませてはいけない。

 私は約束すると強く抱きしめ返した。


 




 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ