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【連載版】真実の愛を見付けた婚約者に、無理矢理『悪魔閣下』へと嫁がされましたが、私も真実の愛を見付けたのでおあいこですわね。  作者: きゆり


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第13話 再会

 唇を重ねている間はまるで時が止まったかのような気がした。周りの雑音もなにもかもが聞こえない。聞こえるのは二人の吐息だけだった。


「ラキシス」


 そっと唇を離すと名残惜しそうにラキシスの唇からは吐息が漏れた。


「ロザリア……」


「フフ、やっと私を見てくれた」


 ラキシスの美しい金色の瞳に私が映る。ようやく目が合った。


 ラキシスの魔力はその身のなかへと戻っていっている。それと同時に崩れそうになっていた壁も動きを止めた。


 ラキシスは子供のようにふにゃりと笑う。あぁ、可愛いわ。

 お互い見詰め合い、笑顔になったかと思うと、今度はラキシスが目を見開き真っ青になった。


「?」


「あ、あぁ……、ロザリア!! すまない!! 私はなんということを……あぁぁ」


 私の頬に片手を添えると、もう片方の手は私の肩を掴み腕を撫でた。


「ロザリア!!」


 お父様までもが血相を変えて走り寄る。


「大丈夫か!?」


「え?」


 なんのことか分からずにいると、ラキシスの綺麗な金色の瞳から大粒の涙が零れた。それを「綺麗」と思ってしまった私はどうかしているかしら。

 だって本当に綺麗だったのですもの。キラキラと輝く涙。瞳は涙に濡れ、より一層金色が揺らぐ。これほど美しいものは見たことがなかった。


 ぼーっと見惚れているとお父様に叱責される。


「あんな危険な真似、二度としてはいけないよ」


 よく見ると、私の身体はあちこち切り傷のようなものがたくさんあった。ドレスもあちこちが破け、なんともみっともない恰好に。


「あぁあ! 申し訳ございません!! なんてはしたない姿を!!」


「「そうではない!」」


 ラキシスとお父様同時に叫ぶ。


「えぇぇ、だって必死でしたので……」


「私が我を忘れたせいだ、すまない」


 ラキシスは私を強く抱き締めた。苦しいくらいに強く抱き締められ、小さく震えるラキシスにどれほど心配をかけたのだろうと心が痛くなった。


「ラキシス、心配かけてごめんなさい」


「姿を見るまで不安で仕方なかった。君ともう二度と会えないんじゃないかと……」


「ラキシス……」


 身体を少し離し、また泣きそうな顔で私を見詰めるラキシスの頬を両手で包む。


「勝手に一人で行ってしまってごめんなさい」


「もう二度と私から離れないでくれ」


「えぇ、二度と離れたりしないわ」


 額をこつんと合わせたラキシスの綺麗な瞳を間近に見詰め微笑んだ。



「何事だ!!」



 ラキシスの放つ魔力が収まってくると同時に、この騒ぎを聞きつけ騎士たちを引き連れて現れたロベルト様は、ラキシスの姿を見ると驚愕の表情となった。


「この惨状は君のせいか!!」


「あぁ、殿下……私がやった。それがなにか?」


 ラキシスは私の肩を抱きながらロベルト様を睨む。

 ラキシスの身体から再び魔力が大きく揺らいで見えた。金色の瞳もそれに反応するように激しく揺らいでいる。


 待って、このままじゃラキシスが捕まってしまう! ラキシスにしがみつき顔を見上げる。

 それに気付いたラキシスはにこりと優しい顔をした。


「大丈夫だ。さあ帰ろう」


 ラキシスは笑顔でそう言うとロベルト様を無視し促した。

 相変わらず魔力が身体の周りを揺らいだままだ。しかしなぜか怖くはなかった。皆、ラキシスの魔力に恐怖の顔となっているにも関わらず、私は一切怖いとは思わなかった。それどころかラキシスの魔力に包み込まれているような、そんな気さえする。優しく護られているような。


「こんなことをして帰ることが出来ると思うな! 捕らえよ!!」


 ロベルト様は集まってきた騎士たちにそう大声で命令した。


「ラキシス……」


 不安な顔でラキシスの顔を見上げる。ニコリと笑ったラキシスは私の額にキスをした。突然のことに驚き顔が熱くなる。


「ラ、ラキシス!! こ、こんなところでなにを!!」


「先程はロザリアから熱い口付けをくれたじゃないか」


「!! あ、あれは貴方を止めるために!!」


 しかもこんなに大勢の前じゃない!


 ひたすら甘い顔を見せるラキシスに、私は一人あわあわとしてしまっていた。


「そ、そんなことをしている場合ではないでしょう!」


 真っ赤になりながらも叫ぶ。ラキシスが捕まってしまう!


 騎士たちに囲まれたと同時にさらに一層ラキシスの魔力が広がった。その魔力にあてられた者たちは一気に戦意を失うように真っ青になり恐怖の顔となる。


「先程の爆発は私の魔力が暴発しただけだ。怒りでね」


 ラキシスはロベルト様を睨みそう言った。魔力が暴発?


「そんな言い訳が通用するわけがないだろう!! 魔法を放ったにしろ、魔力が暴発したにしろ、君がやったことには変わりがない! 大人しくしろ!!」


「貴方が私の婚約者を監禁しなければ、私とてこれほど怒ることはなかったさ。どこにいるのかなにをしているのか、無事でいるのか、なにも分からない不安が貴方には分からないらしいな」


「なにも分からない? 私は毎日お手紙を出しましたわ」


 王城に来てからというもの、毎日ラキシスに手紙を送った。確かに侍女にお願いし、ダルヴァン辺境伯領に届けてもらっていたはず。


「私の元には一度も手紙など届かなかった」


「!?」


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