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第4話 バトルヒロイン設定資料集的な?


 ぼっさぼさの髪をさせたカナとは、ネットカフェ付近で再会。カナは手持ちの現金が少ないという理由で、俺にご馳走の恵みをおねだりしてきた。


 いつも行く駅前コンビニで奢る程度なら大したことでもない。


 ――などと俺は思っていたのだが、カナはかなり嬉しそう。

 しかし駅前のコンビニに近づくとカナは、


「おおっとぉ! 用事があったのを思い出したぜ! 少年! あたしはとんずらさせてもらうぜ! あばよっ」

「――えっ、ちょっと!?」


 おいおい、マジかよ。

 せっかくキイに会わせてやれると思っていたのに……。


 ――で、こうなる。


「真面目にさっきまで一緒にいたんだって!」

「姉と再会した話は全部嘘……そういうこと? 天近あまちかすばる!!」

「いやっ、そんなわけないって!! ちゃんと会って会話したし、本当にさっきまで隣にいたんだって!」


 何か物的証拠があれば良かったが、何も無いしな。しかしカナのあの逃げっぷりはどう考えても……。


「あんたなんかに期待したのがバカだった」


 この言い方はまるで――


「一応聞くけど、カナとケンカ別れしたわけじゃないんだよな?」

「してない!! 会いたいけど、忙しそうだから連絡も聞いて無いだけで、すごく仲がいいんだから!」


 ――つまり。


 姉に対する愛情が強すぎる妹に対し、カナはそれほどでもない感じか。


「で、どうする?」

「は? 姉を連れてくることも出来ないあんたと話をするとでも?」

「……だよな。何とも言えないけど、そのうち会えると思うぞ」

「あっそ。どうせあんたの妄想だろ? もういい!!」


 ああぁ……。


 勝手に期待を膨らませていたようだが、連れてくるなんて一言も言って無かったはず。あくまで会えた場所がコンビニ前ってだけだったのに、どうしてこうなった。


 妹にさらに嫌われてしまったけど、とりあえず何か買って部屋に帰るしかないな。


「おぅ、お帰り~!」


 アパートに近付いたところで、どこかにとんずらしたカナが俺を待ち構えていた。ぼさぼさの髪こそ整えられているが、特に何かを手にしてはいないように見える。


 俺を見てやたらと嬉しそうに、ゆさゆさと胸を揺らすくらい手をぶんぶんと振りまくりだ。


「……用事があってどっかに行ったんじゃ?」

「うむ! だから来たのだよ!」

「あぁ……うん」


 多少の予想はあったが、やっぱりアパートの場所を突き止められたのは完全に失敗だった。すぐに追い出したとはいえ、部屋に上げたのも早まったな。


 ――で、こうなった。


「おほほほぅ! 単なるえっちぃブックかと思ってたら、違うのだね?」

「エロくはないですよ。それ、設定資料集だし」

「でもでも、こんな肌を露出してけしからん!! アレか? すばるくんはすけべくんだから平気なのか!? こんなこんな……けしからんではないか!」

「今カナが見てるのはバトルヒロイン集だし、肌の露出は多めですよ。聖女とかならともかく、戦士はそんなもん……」


 けしからんと言いながら食い入るように見てるんだが。


 好きなアニメのヒロイン設定資料集に手を伸ばすとは思わなかったけど、話しづらそうな空気を変えたきっかけにはなったな。


 実は純粋乙女とかだったりで、免疫が無いとか?


「はふぅ……。そうか、すばるくんは()()()()()()好きなのか」

「別に露出が多いから好きってわけじゃなくて、声と絵が合ってたっていうか……上手く言えないですけど」


 そういえばカナが行っていた専門は確か……。


「すばるくんはあたしの声をエロいと感じたことは?」


 答えづらいな。高音ハスキーボイスは人によるところがあるし、聞き慣れてるから苦手でも無いし。


「色気は感じるんじゃないですかね? でもカナの声は慣れてるから、そこは何とも……」

「なるほど! すばるくんはあたしの声に色気を感じる……と。そこに露出が加われば完璧に――」

「何もメモらなくても……」

「いいや! 大事なことなんだよこれは!」


 俺の言ってることが何かの役に立つのか、カナはメモを書き込んでいる。今見ているのはバトルヒロインだけの設定資料集だ。


 さすがにこれ一冊だけでカナが求めるものになるかどうかは何とも言えない。


「大事なこと……」

「うむうむぅ!」


 何を勝ち誇った表情を見せているのやら。それよりも、カナには聞いておくべきことがあるな。


「コザカナはどうして実家に帰らなかったんですか? キイのことだって嫌いじゃないなら避ける必要は……」

「……キイちゃんはあたしのことが大好きなのだよ。大好きすぎるからこそのスパルタであって、嫌いなんかじゃないのだ」

「会ってやればいいのに。そのせいで俺が偉い目にあったんですよ?」

「なんだとぉ? エロい目に!?」

「違くて!」


 何だか埒が明かない。よほど話したくないことだろうなのは分かるが、頑なすぎるだろ。


 ここは心を鬼にして、


「――というか、専門学校で何かあったんでしょ? だから実家にも行きづらいし、妹にも顔を合わせづらい。違いますか?」


 ここまで言えばいくら何でも詳しく話してくれるはずだけど、どうだろうか。

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