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鳥籠の鳥達  作者: キレショー&露
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第六話

「あのね、アヤちゃん、昨日もソウタくんとお話しましたの!とっても楽しかったですわ!」

「そうか、それは良かったな」

「それでねそれでね、ソウタくんったら……」

「ハルはソウタの事が好きなのね」

「え?」

アヤノとハルが談笑していた所にレイが現れた。

「レ、レイさん……」

ハルは突然現れたレイに声をどもらせた。

「お邪魔だったかしら」

「そ、そんな事ありませんわ!」

「なら、私もお話に混ぜてもらおうかしら」

「は、はい!」

「それで、ハルがソウタの事を好きって話だけど……当たってるかしら?」

「ええ!ソウタくんの事は大好きですわ!」

「……」

ハルの回答にレイは首をかしげた。

「あら……?私、変な事言いました……?」

「そっちの好きじゃなくて……」

「?」

ハルはレイの言わんとしている事がわからない様だ。

「つまり、恋愛対象として、という事でしょうか?」

アヤノが言った。

「『れんあいたいしょう』?」

「ハル、貴方ソウタといてドキドキしない?」

「し、しますわ……!」

「もっと一緒にいたいって思わない?」

「お、思いますわ……!」

「ソウタの事、誰にも渡したくないって思わない?」

「……お、思います……わ……」

ハルはレイとの問答にだんだん顔を赤らめてきた。

「それが、『恋』」

「こ……こい……」

「恋の愛の対象。それが恋愛対象」

「『れんあいたいしょう』……」

「ハルがご主人様に思う『好き』とは違うと思わない?」

「……確かに……違いますわ……」

「それが、恋愛感情」

「『れんあいかんじょう』……」

ハルはソウタに『恋』をしている事を再確認させられ、心臓の鼓動を早めた。

「アヤノはしてる?恋」

「えっ」

アヤノは突然のレイの質問に戸惑った。

「えっ……え~と~……」

アヤノは目を泳がせた。

「心当たり、あるのね。相手はナナシかしら」

「!いやっ……そっ……そのっ……」

「アヤちゃんいつもナナシさんと一緒にいますものね」

「うぅ……」

アヤノは顔を真っ赤にして縮こまった。

「レ、レイさんだって恋してるんじゃないですか!リョウに!」

アヤノは自棄だとレイに反撃した。

「……………………」

「レイさん……?」

アヤノは突如としてロボットの様に停止したレイの顔を覗き込んだ。

その顔は徐々に赤く染まっていった。

「私……してるかもしれない……リョウに……恋……」

「えっ……ええー!」

「まあ!」

「アヤノ、ハル、どうしよう……」

「えっと、告白……とかでしょうか?」

「……出来ないわ」

「えっと、えっと……今まで通り一緒にいらっしゃるのはどうでしょう?」

「そ、そうね」

皆、顔を赤らめながらため息をついた。

「(私が……ソウタくんに『こい』……)」

「(私はナナシの事……そんな風に……)」

「(私がリョウに恋……)」

各々の想い人に想いをはせながら女子トークは終了となった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「ハル、またな!」

「ええ、ソウタくん、また、ですわ」

そう言ってハルはソウタの前から去って行く。

「(名残惜しいな……。もっと一緒にいられたら良いのに……)」

「6番くん、顔から好意がだだ漏れだよ?」

「わっ!リョー!」

いつの間にかソウタの横にはリョウがいた。

「な、なんだよ……」

「3番ちゃんの事が好きですーって丸わかり」

「なんだテメェガキのくせして一丁前に好きな女はいるのか!」

「ナっ、ナナまで」

いつの間にかナナシまで近くにいた。

「なっ……なんだよー……いいじゃんか。ハルの事好きで……」

ソウタは口を尖らせながら目線を反らし、微かに頬を赤らめた。

「おっ!認めやがったな!こりゃいいネタだな!ガキと泣き虫ができてやがるなんてな!」

「できてるって……ハルはどう思ってるかわかんねーだろ」

「あれは脈有りだよ」

「んー……そうか?そうだったら良いけど……」

ソウタはリョウの言葉に自信が無い様だ。

「僕の見識が間違ってるとでも?」

「そうは言ってねーけど……」

「もういいじゃねぇか、できてるって事でよ!男女とロボ女にも言ってやろ」

「あーもー止めてくれよ!ハルに迷惑がかかる!そーいう二人だってアヤノとレイの事好きだなんて言いふらされたら困るだろ!」

「「はぁ?」」

ソウタの言葉に二人の動きが一瞬止まる。

「えっ、好きじゃん。いっつも一緒にいるし」

「何で俺が男女の事なんて好きになんなきゃなんねーんだよ!」

「だっ、誰が5番ちゃんの事なんて!大体俺の好みじゃ無いんだよああいう子はさぁ……」

「どっちが誰とまでは言ってないよ」

「……」

「……」

「おれも言いふらそっかな」

二人の反応にソウタはしれっと言った。

「……1番くん、解ってるね」

「おお」

ナナシはそう言うとソウタの腋(わき)を羽交い締めにした。

「えっなっ……」

「君が妙な事を起こす気が無くなるまでくすぐってあげるよ」

「ちょっ……二人がかりとか卑怯……!」

「覚悟はいいね、6番くん……」

「ちょっ……待っ……あは!あはははは!」


「何をやっているのでしょうね、あれは」

「みんな仲良いわね」

遠くの方でアヤノとレイはそう言った。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「ナナシ」

「あー?んだよロボ女」

「話があるのだけれど、良いかしら」

「あー?」


「けーさつかんねぇ」

「協力していただけるかしら」

「あー、俺の脱走に関しては手伝ってやるよ。解体なんちゃらに関してはめんどくせぇ。やんねーからな」

「わかったわ。ありがとう」

「へっ。せーぜー感謝しときなぁ」

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