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第42話 俺&ルーファス&リーガルVSネイバー&ワイバーン

長くてすみません。

今回で第二章の戦いを完結させようと思ったのですが、思い通りにならず、

ですが、次回で第二章を完結近く持って行けるように頑張ります。

 東側、そこは巨大な樹木が支配している緑の土地で唯一開けている面積30mの平原がある所。

 そんな場所で二人の人物と一体が死闘を繰り広げていた。


 そこに俺とルーファスは転移してきた。


 あれがこのエルフの樹海NO.3、リーガル・ウイルター。

 溌溂とした表情で戦ってるなー、まだまだ余力を残している顔だ。

 そしてあれが今回の騒動の黒幕。

 デカいワイバーンを飼いならして常に二体一の形でリーガルと戦ってる。

 やられるのも時間の問題か?

 リーガルの見た目からはいかにも魔法職専門って感じが沸々と伝わって来るし、身体は鍛えてなさそうだよな。

 体力も当然なさそうだし、長引けば当然数で有利を取っている敵側が押していくはず、

 ここは早めに加勢した方がいいな。


「今加勢にっ、」


「まて、」


 リーガルの為に駆け付けようとした時、何故かルーファスが俺の行動を制止した。

 俺はその行動に疑問を持つもシンプルな意見を飛ばす。


「何で止めるんだルーファス!」


「いや、俺達が行ったとしても彼女の邪魔になるかもしれん。ここは大人しく見守っておこう。だが、直ぐに助太刀できるよう構えておけ。気を抜くな。」


 ・・・・・・まぁいいか。

 きっとルーファスなりに彼女を評価しているからこそ、暫くは任せる、という行動がとれるのだろう。

 実力も分からない味方にいつまでも戦いを任せることはしないだろうし、俺もNO.3の実力を見ておきたい。

 そしてリーガルの戦い方を成長への糧とさせてもらおう。




 ー----------------




 一方、熾烈な死闘を繰り広げている激戦区個所では、爆音と轟音の旋律を奏でながら両者一歩も譲らぬ戦いをしていた。

 その戦いを暫く見ていると気付くことが一つだけある。

 リーガル・ウイルターの方が優勢なのだ。

 ネイバー・クイルを徐々に押している。

 いや、かなり押してる。

 これがNO.3の実力なのか!!


「まだまだ!」


「さすがにやるね~、でも手は抜かないんだぞ☆」


 リーガルは土の上級魔法を使って三頭の土くれ狼を作り上げ、統率と連携の取れた三位一体の攻撃を多方面から食らわせる。


「上空に逃げれば問題ない。ワイバーンちゃん上へよ!火球を地面に撃ったその瞬間的爆発力を利用して直ぐに上へ飛翔して、」


 ガウッ!


 ワイバーンは言われた通りに飛翔した。

 辺りに火球を放った反動が四方八方に及び、粉塵を舞い上がらせる。


「さぁ、ここまでこれば土くれ狼は襲ってこれないでしょ。」


「いいや、出来るよ☆」


 リーガルは人差し指を上へスッと向けて、三体の土くれ狼を形成していた魔力を分解し、その魔力をまた再構築して一体の怪鳥へと姿を変貌させる。

 そして、上空で滞在しているネイバーとワイバーンを真下からの直上突撃で攻撃する。


「!?」


 しかし、危なげに躱す。

 スレスレだ。


「(今の攻撃を食らっていたら危なかったわね。何なのあのエルフ。滅茶苦茶強いじゃない。油断してたわ。でも最終的に勝つのはこの私よ。ふふふ、)」


 戦いの最中に不思議な笑みを口端に浮かべて表情を歪ませる。

 何か企んでいる目なのか、切り札になりうる対抗策を持っているのか・・・


「中々粘るね~、でもあんまり時間かけてられ無いからそろそろ終わりにしたいんだぞ☆」


「いや、それは無理な願いね。何故なら・・・」


 歯切れが悪い文章を最後に再び魔法の激突を繰り返す。

 彼是(かれこれ)まだ一時間は経っていないというのに周りの地形は大荒れである。

 一体どんな攻防戦を繰り広げていたのだろうか?


「倒れなさい!!【炎帝エングラム】」


 遠心力にものを言わせた炎煌めくチャクラムがリーガルを真っ二つにしようと向かって行く。

 しかし、リーガルは身を捩ってスレスレで交わす。

 そしてそのまま雷の魔法でワイバーンの翼を光の一閃が貫き、小さい穴を開ける。


 グアアアアアアアアアアアア!!


「(くっ、これ以上はキツイか・・・だがそろそろ身体の異変に気付き始めた頃かしら?)」


 ネイバーが悪い企み顔でリーガルを見つめる。

 するとリーガルの顔が引き攣った。

 一体どうしたというのだろうか?


「(何となくだけど全身に力が入らなくなってきたような?それに魔法の威力だって・・・これは彼女の仕業で間違いないのかな?だとしたら早々に決着を着けなきゃ☆)」






 ー-------------





 そして10分が経過した。


「(これは気の所為でも勘違いでもない。確実にあらゆる力が衰えて行っている!?)」


「ふふふ、違和感に気付いたみたいね。」


「変な技使うじゃない、魔法?」


 疑問をぶつける。

 ネイバーは胸を張って威張る様な態度と構えでリーガルに言った。


「能力よ。その違和感の正体は私の能力【衰える力(レベルダウン)】。時間が経てば経つほど自身の実力が下がっていく力。1分経つことに約2%。あなたに残ってる力ではもう私たちを倒すことは出来ないんじゃないかしら?」


「能力者・・・なるほど、納得したんだよ☆。そしてこのままじゃNO.3とは言えども負けちゃいそうね。ここは無駄な意地なんて張らずに頼もしい応援者に協力してもらっちゃいます☆」


「もしかしてさっきからこちら側を窺っているあの二人のこと?」


「そうよ。」


 二人は俺たちを見た。

 完全にこちら側の存在に気付いている感じだ。


「ルーファス、なんかあの人達こっち見てるけど。」


「そのようだな。」


 短い会話のキャッチボールをしていると突如として目の前にリーガルが短距離転移してきた!

 目の前に美しい金髪美少女が姿を現す。


「「うおっ!」」


 二人して驚くが、リーガルは用件だけを伝える。


「二人とも協力してくれないかな?あいつを協力してブッ飛ばすんだよ☆あと、なるべく時間は掛けない方向で、」


「任せておけ、」


「おう、」


 了解の言葉をその場で放ち、俺たち三人による共闘バトルが始まった。

 そしてその光景を律義にも遠くから見守っていたネイバーは不満と余裕があった。


「二人はわかるけど一人は子供じゃな~い。そんな不出来なチームで一体何が出来るって言うのよ。もしかして私を舐めてんの?だったらこのワイバーンの餌になってもらおうかしら?」


「大丈夫なんだぞ☆この二人の救世主は強いんだぞ☆特にこの少年は人間だけどすごく強いという事だけは保証しちゃうよ☆」


「へぇ~、ならまずはその子供から餌になってもらうわ!!!」


 ネイバーはワイバーンに指示を出して、飛膜に穴が開いた翼を活用し低空飛行で俺を狙いに来た!

 口を大きく開けて文字通り喰うつもりらしい。


「大丈夫だ落ち着け俺。やる事は他のモンスター戦と同じ。動きを読んで狙いを着けて撃つだけ、【炎帝奔龍】」


 炎の龍が相手を焼き殺す勢いで一直線に突っ込む。

 しかしネイバーの顔に歪みは生じない。

 真っ直ぐと向かってくる勢いは俺を殺す為にさらに加速する一方だ。


「確かに実力はあるようね。だけどいちいち魔法の位と威力にもの言わせて安直に撃ってるだけ、大したことないわ!此処で退場ね少年。」


 そう言ってワイバーンの口が開けて特大火球息吹(ブレス)を放ってきた。

 その息吹(ブレス)は俺の【炎帝奔龍】を易々と飲み込んでは撃ち破り、俺を焼却する為に熱を上げて行く。

 しかし、ピンチと思われる場面を救ってくれたのがルーファスだ。

 お得意の弓矢に魔力を纏わせた攻撃【白風の翔貫鏃(エア・アクファ)】で特大火球息吹(ブレス)を貫いた。


 ズドオオオオオン!


 鈍くて低い爆音が辺りを包み込み、爆炎を撒き散らす。

 その中から剣を両手に握りしめたネイバーが怒涛の攻めで爆炎を突き抜け、迷わず俺に斬りかかって来る。


「ふん!」


「っ!?【ロックウォール】」


「ワイバーンちゃん!もう一発!」


 グワッ!


 ワイバーンはネイバーの命令に従い、もう一発特大の火球を俺が発動した【ロックウォール】に向けてぶち込んできた。

 しかしその火球は進行方向を何故かネイバー側へと軌道変更して後ろから攻撃するルートに入る。

 リーガルがやってくれたようだ。


「あいつか・・・まだまだ衰え切っていないな。」


【鋼鉄の壁】


 鋼の壁を後方に出現させて火球を防ぐ。

 咄嗟の事とは言えここまで柔軟に対応できる者はそうはいまい。

 実践経験が活きている証拠だ。


 まだネイバーとやらは地面に着地せずに俺に剣を振りかざすモーションをしている途中。

 攻撃するなら今。

 今が好機!


【炎弾】!!


「くっ!」


 流石に数の暴力、しかも連携なんて取られたら攻撃は受けてしまう。

 ネイバーは俺の【炎弾】をまともに受けて所々の鎧が破損した。

 彼女の顔を見るにダメージ自体は少なそうだが、表情は苦渋の顔を浮かべていた。


「良いね君!"しきたり"の時に影からこっそり拝見させてもらった時からちょっといいなって目着けてたんだよね☆」


 リーガルが俺に興味の眼差しを向けて話しかけてくる。


「え、あぁ。はい・・・」


 戸惑う感じで俺も返事をする。

 一方ネイバーは、


「(あの子供中々やるわね。でも脅威じゃない。さっき立ち会ってみて分かった。数を減らす為にはあの子供から消す。そして後は私とワイバーンちゃんで協力してあのエルフ共を焼き殺す!)」


 そう言ってネイバーはワイバーンに【強化(エンチャント)】の魔法掛けて高高度に飛翔した。

 何か仕掛けてくるつもりらしい。

 俯瞰して来る目付きは獲物を見定め慎重に敵を仕留めるハンターだ。


「今からお前を討つ!!」


 宣言するネイバー。

 一体標的を誰にしたのか。と言ってもこの場で一番実践経験も魔法も未熟な俺一択だろう。

 そして剣に滾る炎を纏わせて、ワイバーンと一緒に高高度から急速落下してくると共に狙いを俺へとロックオンした。


 ルーファスとリーガルと俺は構えた。

 鏃に魔力を纏わせ、魔力を練り、浅知恵で回避の手段を考える各三名。

 しかし狙いは俺のみ、

 二人はネイバーの宣言が俺を指すものだと分かっていた。

 長年の経験と彼女の目線で悟ったのだろう。


 だからルーファスとリーガルは思考を巡らせて一つの考えに辿り着いた。

 両方とも考えることは同じなようだ。

 ワイバーンとネイバーを引き離し、戦力を分断させて確実に叩く!

 手っ取り早く倒すにはこれに限ると。

 二人は互いの顔を見て頷いた。


 しかし、思考を巡らせていたのはこの二人だけではない。

 俺だって未熟ながら出来ることを一から考えて自分なりの結論を出していた。

 まずは魔力を込めて反撃できる態勢を作り、彼女本体だけを狙うイメージで魔法を放つ。

 攻撃を受けることは覚悟の上で組み立てて、それからは根性で何とかする。


 ※完全に脳筋思考にチェンジ。


 流星の様に天から降り注ぐ一筋の光が俺を仕留めに掛かる為に迫りくるネイバー&ワイバーン。

 魔力を練って迎撃態勢を取る俺達三人。


「来るぞ!」


 ルーファスが声を上げたのと同時にリーガルが守りの魔法を使った。


神秘のベール(ベネクト)


 すると透き通った一枚の薄いフィルムが出てきた。


「そんな薄っぺらい魔法が防御魔法だと?笑わせるな!!」


「あなたの能力の所為で本来の力が発揮できない為にすぐ壊れてしまうだろうけど、数秒は持つわよ☆だからお願いルーファス。」


「任せろ、」


岩人形(ゴーレム・オブ・)母神の眷属(ガイアジェヌス)


「!?」


 黒鉄の岩鎧を着た巨人のゴーレムが【神秘のベール(ベネクト)】の一歩後ろ側へと位置する。

 そしてドラッグマシンの様に止まることの無い勢いに乗ったネイバーの攻撃は【神秘のベール(ベネクト)】に突っ込み、数秒の間だけその場に停滞した。

 その隙に後ろに控えてあった【岩人形(ゴーレム・オブ・)母神の眷属(ガイアジェヌス)】でぶん殴る!


「ぐああっ!!」


 その衝撃で見事ネイバーとワイバーンを切り離すことに成功した。

 しかし、切り離された後にネイバーは往生着の悪い一発の攻撃を仕掛けてきた。

 ルーファスに向かって、


【炎帝エングラム・虹梁矛顛】


 このタイミングで放たれた攻撃をルーファスが避けれると思えない。

 強力な魔法を放った後だからか動きに無駄が見え、連戦に次ぐ連戦という要因も相まって魔力もかなり消耗して以前"しきたり"で戦ったようなキリの良い動きが見えない。


 リーガルは彼女の能力で衰えているし、ってまぁ、ここに居る全員彼女の能力の効果を現在進行形で受けているわけだが・・・


「此処で動かなきゃ着いて来た意味がないでしょ!」


 此処へ来た理由と覚悟を思い出し、俺は魔法を放つ。

 いや、魔法ではない。

 能力を、本日二回目の【万物を刈り取る死神王(ヴェッサル・リーパー)】を行使する。


 すると先程彼女が放った攻撃が容易く黒い大鎌で刈り取られ、そのまま相手に向かってリリース。

 まさに刈って&リリースってやつだ。


 驚くネイバー。

 自身の中でも強い魔法を放ったのにも関わらず、簡単に無力化されてこちら側に自身の攻撃が何故か迫って来ているのだから、

 態勢を整えていたネイバーは直ぐに思考を切り替えて躱す。


「何あの力は・・・もしかして私と同じ能力者。だとしたら早々に排除しなきゃ、これはいい手土産が入りそうね。」


 ネイバーは自身を包み込んでいた全身鎧を外し、剣を片手に走り出した。


「ルーファスと少年、私はワイバーンの方を相手にするからそっちはよろしく頼むわね☆」


 リーガルは分担して相手をするべくワイバーンの方を担当する事に、

 そして必然的に俺達二人はネイバー・クイルの方を相手取ることに、


「行くぞルーファス。」


「あぁ、二年前のあの事件の黒幕であり、裏で糸引いていた者だというならば此処で片付けなければっ。我が同胞たちの恨みや無念をこの魔法に込めて100倍にして返してやる。」


 握り拳を眼前で更に強く握り、決意を固める。


 ルーファスもやる気十分そうだな。

 本来俺はこの問題に首を突っ込むべきじゃないんだろうが、それでもケーラさん家や他の心優しきエルフ達の住処を炎で焼き尽くしたあいつは許せん。

 だから俺も魔力の残量とか気にしている場合じゃない。

 俺も能力をフル活用させてもらうぜ。


 残り5回の能力行使でどこまでいけるか、

 今は目の前の敵だけに全神経を研ぎ澄まして攻撃できる機会を窺いながら攻めるんだ。

 素人なら素人なりの戦い方があるってことを思い知らせてやる!





 ー-----------------





「あら?逆に二体一にされてしまった感じかしら?でも問題はない。お前たち二人ともこの私が完膚なきまでに殺してやるんだから、」


「ふん!出来るものならやってみるがいい。だが気を付けろよ。今の俺はお前を倒すことしか考えていない。過去の出来事故にな、それに本気も出していない。慢心して後ろを刺されない様に警戒態勢を怠らない事だ。」


「言ってくれるじゃん。(まぁ、倒しやすい方から狙って数を減らすのが定石。しかしあのエルフがそれを許してくれるとは思えない。だから手始めにそこの少年を殺し、いや、人質にすることで行動を制限させてやろう。)」


 何か俺だけ関係ない人みたいになってるけど、こっちは能力を相手に見せたんだ。

 何やかんや俺の事を一番警戒しているかもしれない。

 今まで以上に気を引き締めなきゃな。


 胸の内に秘める思いに従い、三人同時に地を駆けた。

 まず一番初めに動いたのはルーファスだ。


「乱れろ!【怒木の(イーラル・)疎散総樹海(コンシーオン・ガハラ)


 周りに生えているデカい樹木の根が蜘蛛の巣のように絡められた状態で這い出て来ては無理やり地形を変貌させ、一瞬の内にルーファスにとって都合の良いステージになった。


「小癪なマネを、そんな事をしても結果は変わらん!私が勝つという結果だけは!!」


 根がタコ足の様にうねり動き、ネイバーだけを器用に攻撃する樹木の根。

 "しきたり"の時に見せてくれたあの魔法だ。

 多種多様な攻撃手段で相手を翻弄して来るあの魔法は厄介極まりなかった。

 俺でも苦戦したんだ。

 根の攻撃を躱しながら俺たち二人を相手取る事なんて難しいだろう。


 俺は五月蠅い声を頼りに大鎌をギュッ!と握りしめて5回の内1回目の力を行使する。

 すると、空間を刈り取ってネイバーがルーファスの放った魔法矢と直線距離になる位置に瞬間転移させる。


「!?」


「貰った!」


「舐めるな!!」


 しかしネイバーは瞬時に頭の中で防御とカウンターのプロセスを検索して行動に移す。

 キリモミしながらな魔法矢を躱しながら【炎帝エングラム】を放つ。

 燃えるチャクラムが根を焼き切りながらルーファスへと向かう。


「隙あり!【水弾】」


 俺は彼女が魔法を放ったのを見計らい、僅かなインターバルとタイミングを見て【水弾】を放った。

 ネイバーの横っ腹にヒットした!


「よし!!」


「くっ、ガキが調子に乗り上がって!」


 口悪くなって行くネイバーを正面に捉え、ルーファスは彼女の能力で徐々に衰えていく全体パラメーターを脳に入れる。

 感覚で伝わる情報を脳で処理して、衰えてしまった力を把握しているのだ。

 その上で必ず致命傷を負う体の部位を狙った的確なショットを放ち続ける。

 どれだけ衰えると言ってもまともに当たりさえすれば血が流れる。

 つまりダメージ自体は与えられるという事だ。


「ウザったく遠くから攻撃して来るじゃないの、しかもいやらしいタイミングで攻撃を仕掛けて来るガキもウザい!あぁ、段々考えるのが面倒になって来たわ。」


 頭に血が上り、今にも沸騰しそうな程の怒りと感情を抑えつつ冷静に周囲を見ながら攻撃を仕掛けて行く。

 だがその行動と感情は俺の一手で覆る。


「噛み付け!【流水転巳は(ラズメン・)空を駆け巡り(オロチ・)獲物を狙う(カミ)


 上級魔法を放ち、水蛇でネイバーの身体を瞬く場に傷つけたのだ。

 ネイバーは自身から流血していく光景に業を煮やし、俺を睨め着けてきた途端に怒号の咆哮を放ちながら俺を剣で斬り殺す勢いで迫ってきた!!


「ガキがあああああ!楽に殺してやろうと思ったら調子に乗り上がって!!」


「え!?」


 何あの人怖っ!!

 いきなり剣構えて根の中を縦横無尽に掻い潜り向かって来てるんですけど!

 さっきまでのスピードとは比較にならん程力強い動きだな。

 俺が上級魔法を当てたから怒ったんだろうが、その位覚悟の上だろうに、


 本能的にビクつく精神を自身で叩き直して能力を発動させる。

 2回目の行使だ。


「ルーファスには悪いが、この辺りに生えている根を全て刈らせてもらう!」


 そう言って俺は能力を行使して、大鎌の直線距離にある根を全て一刀両断する。

 横にだ。

 次々と輪切りの様に綺麗な断片した切り口が露になり、ネイバーをも巻き込む。


「安直な攻撃だって言ったわよね!」


 ネイバーは空中に描いた魔法陣を足場にして虚空を飛び上がった。

 それにより能力からの攻撃から回避することに成功した。

 が、ルーファスからの遠距離攻撃が絶えずに飛んでくる為に常に矢を躱さなければならない。

 現に三発程掠ってしまっている。

 そして今も数本がネイバーに向かって飛んできている。


「ふん、」


 ネイバーは空中で見事な剣捌きを披露して矢を弾く。


「奴の能力で徐々に力を衰えさせられる状態であるが為にリーガルの言った通り時間は掛けてられない。狙い撃つ。」


 静かに息を吐いて矢を連射する。

 曲射や魔力を用いての加速矢も放てるためにネイバーは、遠くからの攻撃に注意を主に向けながら俺に向かって剣を握りしめながら距離を縮めて来る。


「させない!」


 ルーファスは更に力を込めて矢を放つ。

 俺もそれに習って魔法を放つ。


 周りの環境を上手く利用してあちらこちらを猿みたいに突き進み、幹を蹴り、身体を捻っては鮮麗されたその綺麗な身のこなしで俺たち二人の中・遠距離攻撃を軽々躱す。

 そしてネイバーはとうとう辿り着いた。

 俺がいるポイントへと、


「さようなら。」


「抵抗もせずにやられると?零距離能力発動!」


 本来はこんな真正面近くで能力を発動させるべきではないのだろうが、今回ばかりは反射的に能力の行使を早まったしまった。

 敵が目の前に居たのだ。

 戦い慣れしていない俺からすれば反射的に使ってしまうのも分かるだろう。

 その結果、相手の表情を綻ばせることは成功したものの余裕をもって回避されてしまい、俺は横っ腹を剣で切り裂かれてしまった!?!?


「グフッ!!」


「やっと一人目ね、」


 そしてネイバーは体の向きを反転させ、俺を殺そうと剣先を首へと当てる。

 剣の鋭い感触が伝わってくる。

 冷たい銀製特有のひんやりとした温度が俺の首元に伝わってくる。


 痛みの感覚と冷たい感覚が入り混じり、伝わったと同時に思いっきりネイバーは剣を振った!!

 だが、ルーファスの矢がそれを阻害した。

 三発の矢だ。

 三発の矢が肩に一本、脛を貫通して脹脛に二本ほど貫通する。


「畜生!!痛って!!」


 もう少しの所で俺に止めを刺せると慢心したのだろう。

 その瞬間だけ注意が散漫になり、矢に当たってしまったネイバーはその場から一旦去り、根による攻撃を躱しながら急いで身を引いた。


 だが剣に横腹を斬られてしまった俺は・・・


 くそっ、痛い!!

 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!!

 斬り口からは何故か熱い感覚が襲って・・・きて、動けば動く程痛みと傷口が開いて行くような、、、声も出せない・・・・・・。

 腹に力を入れることも出来ないくらい痛い!!


 斬られた俺は腹から真っ赤な血を流して倒れ込んでいた。

 両手で斬り口を押えて悶え苦しんでる。

 血の池が腹から溢れ出し、俺の思考能力を奪っていく。


 なんだよこれ・・・

 覚悟していた事とは言え自分がこんなにも深手を負う事になるなんて・・・考えもしなかった。

 と、とにかく・・・落ち着くんだ。


 敵は一旦退いた。

 止血だ。

 止血が必要だ。

 このままでは感覚が無くなり掠れ行く朦朧とした視界の中で死ぬことになる。


 此処は呼吸を整えてから・・・ゆっくりと態勢を立て直す・・んだ。

 大丈夫、、、回復魔法を掛けて傷口を塞ぐんだ。

 魔力の問題はあるが、今は回復が・・・優先。

 落ち着け、落ち着け、俺は大丈夫。

 死なない。

 生きる生きる生きる。

 この戦いを生き抜いて帰るんだ・・・



ここまで読んでくれてありがとうございます。

面白かった、続きが読みたいと思った人は評価をお願いします。


これからもよろしくお願いします。

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