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第37話 熾烈な戦場

 36,000名のエルフ達が出陣して約二時間。

 複数人の偵察隊エルフが慌てた相貌(そうぼう)で皆に念話を飛ばして報告してきた。


「(モンスターを発見しました。皆さん、作戦通りにお願いします!)」


 その報告を聞いた途端皆の顔が引き締まる。

 いよいよ始まるのだ。


 戦いが、


「来るぞお前ら!構えろ!!」


 ガイダ・クロノイが渇を入れる。

 ルーファスや他の隊長たちも気合を入れる。

 唾を飲み込み、目を凝らし、魔力を静かに高める。


 始まるのか、大丈夫だ俺。

 過去に一回モンスターと戦った経験がある。

 だから戦い方は理解しているつもりだ。

 クソッ、やっぱり分かっていても手足が震えてきやがる。

 心もざわついて鼓動音が激しく高鳴ってきやがった。

 落ち着け、落ち着け、落ち着け、ゆっくりと深呼吸をして心を冷静に保つんだ。

 今まで俺なりに努力してきて結果を出してきた。

 良くも悪くもそれは自分にとってプラスに働く何かだったはず、

 その経験を此処で出し尽くして勝てるビジョンを俺自身に見い出せ、思い描け、俺一人で戦うわけじゃない。

 皆と一緒に戦うんだ。

 恐い事は何もない。


 そんな風に俺は自分に言い聞かせて自己肯定感を出していると、前方から(おびただ)しい程のトゲトゲとした魔力の波が迫って来ていた。

 肌に突き刺さる様な威圧感漂う不思議な魔力の波紋が、

 そして遂にその姿を現す!!


 グアアアアアア!   ギャギャギャギャ!!! 


 ルウウウウウウウウウウウ!       Κoooooooooo!


 ギイイイイイイイイイイ!!!         ガウガウ!


 ゴアアアアアアアアアアア!!


 チリリリリリリリリ!!   バチバチバチ!!    キュルルルル!


 シャアアアアアア!!       シュルルルウウウウウ!!



「あれが全部モンスターだっていうのか、予想していたよりもずっと多い。」


「取り乱すなよエマ。魔力の反応を見るに一体一体の強さはさほど脅威じゃない。しかし群れで迫ってくるとなると厄介だ。絶対に囲まれない様に上手く立ち回って行動してくれ、」


「はい!」


 モンスター。

 それは本能のままに生きる屍の様な生物。

 知性が無い無我の生き物。

 特に意味も無く無差別に被害を与えて周囲を血に染める。

 だからこそ、この世界に住んでいる人たちはモンスターを絶対なる敵意の目を向けて見ている。

 危険だからだ。見つけたら必ず討伐。

 これが基本。

 そして目の前にはそんなモンスターが万は超えているであろう数で群を成して大行進をしてきている。

 ワイバーンに触発されて逃げる様に走ってくるモンスター。

 走るだけで地響きを起こし、周囲に悍ましい魔力の塊が空間を歪ませる。


「構え!」


 エルフ達は見つけるや否や作戦通りに動く。

【巨影の樹木】のエルフ達が魔鉱石で出来た頑丈な大盾を横一列に展開して鉄壁防御の陣形を張る。

 絶対に後ろへは通さないという気概を持ち、この場に一秒でも長く留めておく。

 全魔導部隊は超広範囲転移魔法を発動させる為に5分間の時間を必要とする。

 つまり、5分間という時の中、死ぬ気で魔導部隊の人達を守らなければならない背水の陣。


「後はお願いします。」


「前衛は任せろ。俺達の後ろにモンスターは一匹たりとも通しはせん!」


 そして巨大な質量のあるものが衝突した!

 此処からは質量同士の相撲を取る。

 前へ行きたいモンスター、だが絶対に後ろへは通したくないエルフ達。

 対立する二つの攻防は互いに引くことを知らない。


「押せええええ!」


 声を出しながらも徐々に後ろへと電車道を作り、初撃に押されていく。

 だが、こちら側も負けてはいない。

 着実にm単位ではあるが、モンスター達を押し返している。


「声を上げろ!!」


 怒号の様な重い声が辺りの空間を震えさせる。

 腕の筋肉を最大限使い続け、明日の分までパワーを捻り出す。

 しかし、モンスターは盾と盾の隙間から爪やら牙を出して攻撃を加えようと盾をこじ開けて来ようとしている。


「ぬおっ!すごい力だ!」


「こんな鋭利な爪攻撃なんて貰ったら人体は直ぐに切断されちゃいそうですね。」


「物騒なこと言うな。いいから押せ!」


 だがこの展開は予想通りだ。

 なのでこちらも反撃する。

 後方に待機している【烈日の炎熱】と【恵みの雨】と【銀矢の風】隊に所属している全弓兵(アーチャー)たちが後方支援をする。

 盾に降りかかる火の粉を払い、脳天に一発一発丁寧にヘッドショットを決めていく。

 百発百中の命中精度を誇るエルフの名手。

 流石だとしか言いようがない。

 しかし、時間を掛ければかける程に後ろから迫って来るモンスターの大行進の影響により、前衛で体張ってくれている盾のエルフ達に質量が更に圧し掛かる。

 戦いは熾烈を極め、腕の筋肉が悲鳴を上げる。


「うおおおおおおお!!」


 盾越しに伝わってくる重い反動でエルフ達(大盾)は鉄壁の防御陣形を早くも崩しつつある。

 しかし、彼らを諦めてはいなかった。

 瞳で分かるギラついた目力。

 彼らを突き動かすものは数多のエルフ達が自分たちに思いや命を託してくれた期待と信頼、そして自分たちの居場所を守る為、

 気合で押す。

 心の奥深くに眠っている力で大盾ごとプレスするかのように()し付けモンスターの行進を止める。


 そして五分後。


 準備が整った。

 後ろに控えていた魔導隊のエルフ達が天へと杖を掲げて直径15mの魔法陣を出現させた。

 かなりの大きさだ。

 直径15mと言えば里の半分を占める規模。


「何だこれ!?デカすぎだろ!こんな超大規模な魔法陣見たことない。ていうか今始めて見た。一万人以上の魔導士たちが集まって魔法を使うとあんな大規模になるのか。」


「エマ、感心している場合ではないぞ。ここから直ぐに第二の作戦を開始する。どうやら魔力の反応を見るに向こう側も成功させたらしい。ここからは更に苛烈な戦いになることを肝に銘じろ。油断するな。」


「分かりました。どんな敵だろうと俺の能力で瞬殺してやりますよ。」


「期待してる。」


 ルーファスは心頼りにしているかのような朗らかな笑みを浮かべて優しく返事をする。

 そして、俺達エルフ軍を含むモンスター達の大軍勢が巨大な魔法陣の光と共に姿を消した。


「超広範囲転移魔法発動!!」





 ー-------------------





 ~サンリュー山~


 此処からはサンリュー山が舞台の戦場だ。

 不規則な樹木が森羅している怪しげな雰囲気と温かい春風の様な風が吹いている心安らぐ山。

 だが、今は周りの空気に浮気をしている場合ではない。

 当初の予定通りに第一作戦が成功し、第二の作戦に移行する。

 しかし、その第二の作戦に移行するためには現場指揮官のルーファスの存在が必要不可欠。

 一体どんな作戦を立てて指示を下してくれるのか、


 そう思いながら目的地に転移して来た。

 西側を担当していたもう一つの15,000人のエルフ軍もここで合流する。

 どうやら向こう側も成功したようだ。

 だが忘れてはならないのがモンスターごと転移して来ていること、


 なのでルーファスは手短に告げる。


「皆の者よく聞け。ここからは各々が自分の判断で行動して今まで磨き続けてきた刃を露にしろ。存分に戦ってくれ。作戦は常時指示する。それと上級モンスターは我々隊長、もしくは複数人で撃滅してくれ。それから絶対に死ぬな!!以上!」


 この土壇場に来て作戦は常時指示。

 ルーファスの口から出てきた言葉を言い換えれば「指示をするまでは好きにやれ。」そんな、この場にそぐわぬいい加減が過ぎるであろうまさかの衝撃発言。

 ごたつくエルフ達が大勢。

 そう告げられたら困り果てるのは当然の理。

 だからエルフ達の反応は当然と言えよう。


 特に作戦とかないのね。ホントに好き勝手やっていいのかな?

 だったら俺も遠慮なく魔法を撃つよ?

 だけど【万物を刈り取る死神王(ヴェッサル・リーパー)】はまだ使わないでおこう。

 なんせ能力を一回使う度に強力故の対価なのか魔力を大分消費してしまう。

 上級魔法を連続で二回分使ったくらいの魔力消耗量だ。

 だから無駄遣いは出来ないし、最後の切り札的な感じで残しておくのも良いかも知れない。

 気持ち的にも余裕が出来るしな、


 俺も能力や上級魔法を制限なく放ちまくって良い展開になり、ワクワク気分が心のどこかで騒ぎ立てているが、どうやら周りを見るに俺だけでは無かったらしい。


「その言葉を待ってたぜ!ルーファス。」


「レイズさん頑張っちゃうよ!」


「癒します!!!」


「あらあら、やっぱりこうなるのね。」


 隊長各に上り詰めているエルフ達は寧ろその発言を聞き、大喜びな様子だ。早速と言った感じで好き放題に上級魔法や複合魔法を放ち、魑魅魍魎(ちみもうりょう)跋扈(ばっこ)している箇所を重点的に狙い撃つ。

 すると面白い事に簡単に敵が吹っ飛んだ。

 一撃の魔法で600体くらいは消し炭にしただろうか。

 所々から派手な音と共に黒煙を立ち昇らせ、モンスター軍勢の中に穴を開ける。

 開けた道だ。

 そこに、近接をメインとして戦う【烈日の炎熱】と【銀矢の風】が入り込み、更に道を広げて支離滅裂になって逃げるモンスターや攻撃して来るモンスターをひたすらに狩って行く。

【巨影の樹木】隊は腕の筋肉を酷使過ぎたせいで盾としての役割を半分以上持って行かれた。

 実際に尻目で確認したところ、大盾を地に落とし、筋肉疲労といった様子が見て取れる。

 だがそんな時に役立つのが【癒しの包容】隊だ。回復術師が治癒魔法を掛けて傷を癒す。


 ==現在回復タイム中==


 しかし休んでいる暇ではない。

 回復タイムを入れつつ自分たちに与えられた使命を全うする。

【恵みの雨】や【緑の大地】に所属する弓兵(アーチャー)隊と魔導隊は後方支援として魔法を放ち、場をかき乱す。

 特に魔導隊の皆は火力重視兼広範囲魔法を発動しているので敵が1km吹っ飛んだりする事もある。

 山の中にクレーターがいくつも出来て、小さい隕石が降って来たかのような窪みが出来る。

 黒い煙と土煙もバンバン立ち昇らせ、砂嵐の様に風の影響で吹き荒れる。

 モンスターも爪による引っかき、噛み付き、魔法を放ち、山に火種の要因となるものも着けて行く。

 まさに大乱闘。

 現場は途轍(とてつ)もない過剰な魔法の大応酬で滅茶苦茶になっている。

 しかし、エルフ側は一見バラバラに攻撃しているように見えて実は統率の取れた隊を複数作り攻撃している。

 必ずモンスター一体に対して二人以上で対処している。

 近接隊でダメージを与えて遠距離攻撃の魔導隊か弓兵(アーチャー)隊で確実に狩る。

 そのコンビネーションは感服であった。

 手慣れている動き。

 最早こんな光景を目にしたらルーファスの指示なんていらない事が分かる程によく鮮麗された玄人の動きであったのだ。

 俺は周りでおっぱじめているお祭り行事に感化されながら上級魔法を放つ。


「俺も負けてられないな。【炎帝奔龍】」


 直径20mの燃える一匹の龍が敵を焼き尽くす為に空を泳ぐ。

 身体を滾らせ、火焔が真っ赤に光り輝く。

 そんな龍が敵の真正面に向かって一点突破していき、数多のモンスターに恐怖を与える程に轟然とした爆発音が奥側から支配する。


 ズゴオオオオオオオオオオオ!!


 炎熱の柱が一本立つ。

 それに巻き込まれたモンスター達は原形も残さない程に真っ黒な塵芥(ちりあくた)になる。

 後れは取らない。

 自分から参加したわけではないにしろ、カーチェやルーファス、他の隊長たちも期待している。

 こんな所で一人活躍無しで失望させられるわけには行かない。


 騒々しさは加速していき更に熾烈さを増す戦いの庭。

 (きわ)まりない光弾が激しく撃ち合い、花火の様に弾ける。

 統率の取れていない乱れた行動をするモンスター達はそれぞれ個性的な技で俺達を攻撃してくる。

 体内にある特殊器官を使っての攻撃だ。

【雷の咆哮】、【炎熱地獄】、【破壊烈魔】などの攻撃で俺達側の行動や勢いを潰し、隙を作って来る。

 だが、負けずと俺らも応戦する。

 守りに転じたら負けると誰もが分かっていた。

 だから勝ちの姿勢を崩さない不動の志を胸に秘め、密林生い茂る山の中を熾烈な弾幕の撃ち合い戦争へと変貌させていく。

 しかし、その中で数名モンスターをものともしない鮮やかな動きでバッタバッタと薙ぎ倒して無双して行く者がいた。

 その者たちはガイダ、レイズ、ルーファス、俺だ。


「今日のレイズさんは一味違うよ。切り刻む【二角の双覇斬(ツイン・ウェイク)】」


 両手に握りしめている二刀流の鋭い剣に赤いオーラが纏う。

 そして千切りするかのように素早く剣先を動かし、華麗なステップでリズムに乗り、踊っているかの如く敵を切り刻む。


「俺も居るんだぜ!【逢焔火憤時樹】」


 モンスターが踏みしめている大地から生える様にして高さ20mの火焔の樹が爆誕する。

 ガイダの複合魔法だ。

 その樹は只燃えているだけの樹ではない。

 爆発するのだ。

 辺りを巻き込む超炎熱の広範囲爆破の樹。

 それがこの魔法の本質。


 ドカアアアアアン!!


 衝撃波が襲い、爆風を巻き散らかす。

 遠くからでも分かる威圧感ある攻撃魔法。

 あんなものを食らったら只じゃすまない事は確定していた。


 その後方で二人の人物が遠距離攻撃をしている。又は支援。

【恵みの雨】を率いるエリュリャと【緑の大地】を率いるルーファス。

 お互いはそれぞれ指示を出し、ただ一言「放て」とだけを言い残して自分たちも攻撃に移る。

 なるべく早く事を済ませたい。

 エルフの里には範囲の事情もあり転移させることの出来なかったモンスター達が今も迫って来ている。

 焦りはあるものの、ピンチではない。

 だが、そういった危機は早めに対処して損は無い。

 なのでルーファスは早めに戦場を掃討するべく次々と広範囲爆発魔法を放っては殲滅していく。

 その攻撃は曲射型に火の球が地上へと落ちてはキノコ雲を作る煙を発生させる爆撃攻撃。

 第二次世界大戦を連想させる空襲爆撃を思わせる攻撃だ。

 俺は尻目で確認する。

 実際に体験したわけではないが、一発一発の爆発音が俺の心臓と鼓膜に衝撃を与える。

 一方エリュリャは矢に魔力を込めて天空へと穿つ。

 すると、空中に直径10m程の魔法陣が描かれて雨の様に光の雨が降り注ぐ。


星の天雨(スターレイン)


 モンスターの頭上から落ちて来る無数の青白い光。

 次々と体を穿って敵の数を減らす。

 俺も頑張ってモンスターの数を減らす。

 上級魔法を放ち、包囲されない様に上手く立ち回って他のエルフと積極的に連携するかのようにモンスター達を追い詰めて行く。

 ここまでは事が全て上手く行っている。

 調子がいい。

 順調そのもの。

 誰一人としてモンスターの攻撃で死ぬことも無く一方的にこちら側が優勢。

 負ける要因が見当たらない。


「この戦、勝てる!!!」


 俺はもう一発上級魔法を放つ。


電影落崩天撃(トール・アビトレート)


 天を裂き、音を裂き、地面を裂く程の雷轟高鳴る稲妻が吸い込まれるように地上のモンスターを狙い打つ。


 ゴロロロロロロロロロロロロロロロロロ!!


 色々なものがビリッと破れそうな恐怖の音。

 雷轟電撃だ。


「どうだモンスター共。痛かったか?ふっふ~ん、」


 陽気な気分でまたもや上級魔法を放つ。

 しかし、そんな俺の陽気さを打ち崩す悲劇が起きた!!


「助けてくれええええええええ!」


「きゃああああああああ!」


 それは複数人の悲鳴であった。

 助けを呼ぶ声。

 その悲鳴に気付いたエルフと俺は周りに注意を向けながら振り向く。

 するとそこには、恐怖を具現化したかのような底気味わるいモンスターが一体佇んでいた。


 そのモンスターの名は"アラナイム"。

 ランクB+の上級モンスターで四つの人面を胸部に埋め込んでいる畏怖の象徴みたいなモンスターだ。


「アラナイム!そうか、遂に来たか上級モンスター!!」


 ルーファスは弓を構えて、エルフを鷲掴みしている剛腕の腕を狙い撃った。

 奇跡的に女性エルフは助かった。

 しかし、もう一人捕まっていた男性エルフは腹部にある巨大な口の中に放り込まれて思いっきり噛み砕かれた!!


 グシャッ!


 ドバドバと流れ出る大量の鮮血が水溜まりを作る。

 地面の土がその鮮血を啜り、薄い膜の様な血痕を残す。


「クウェン!!」


 目の前の残酷で悲惨な光景を前に、涙を流して剣を構えるダークエルフ。

 そして剣先を"アラナイム"に向けて突撃する。


「馬鹿止せ!」


 ルーファスはせっかく助けた彼女に必死になって呼びかける。

 だがその願いは届かなかった。

 地中から現れた巨大な尻尾の様なものに胴体をグルグル巻きに蜷局(とぐろ)を巻かれ、そのまま地中世界へと連れて行かれたのだ。

 叫び声を上げる暇なんてものはなかった。

 一瞬の内に持って行かれた。

 反撃する余韻が無かった。


 俺は驚愕する。

 いや、驚愕を通り越して口籠る。

 驚くというより反応の仕方が分からなかったのだ。

 ホラー映画で例えるなら、生きて欲しい善人の人が無残にも酷い殺され方をして、後々遺体が見つかった時の様な何も言えない状態。

 推しキャラが死んでしまった時の様な喪失感。

 今の心境は例え話の約3倍である。


「"ネイコブラ"か、その常軌を逸脱した長い尾は相手を絡め取り抵抗できない様に拘束する。そこから毒を体内に注入されて(もが)き苦しみながら息絶える狩りの仕方をする蛇型モンスター。ランクB+の上級モンスター。」


 突如としてその存在を一気に知らしめ恐怖を植え付けた二体の上級モンスター。

 "アラナイム"と"ネイコブラ"。

 厄介極まりない戦慄するかのような威圧を漂わせている。


「あの上級モンスターを倒さなければならないというのか・・・、さっきの女性ダークエルフの人は今頃"ネイコブラ"の腹の中かな、ははっ、笑えないな。俺、ホントに勝てるのかな?あんな奴に、」


 心を一瞬で塗り替える脅威はエルフ全体の指揮を下げる。

 青褪めさせる。

 しかし、ルーファスと隊長たちはそれでも声を上げる。

 皆の心が後ろ向きの感情に支配され、囚われようとしているのに気付いたのだ。

 だから声を上げた。

 その声は、俺達の心に再び情熱的な燃え盛る聖火の灯火を着火させる火種であり、どっしりとした言葉だった。


ここまで読んでくれてありがとうございます。

面白かった、続きが読みたいと思った人は評価をお願いします。


これからもよろしくお願いします。

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