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ひとこと、ふたこと

 ここはひまわり組。ケン君とユウちゃんがケンカしちゃったみたい。ユウちゃんは周囲の子に「ケン君と話したらダメだからね!」って言いまわってる。ケン君はひとりでブスッとお絵かきをしてる。


 ユウちゃんはあたしの所にも来た。


「チーちゃん。ケン君がチーちゃんのわるぐち言ってたよ」

「え、なんていってたの?」

「えっとねぇ。ブスって! ホントだよ」

「ホント?」

「ホントホント!」 


 ……ケン君とは話したこともないし、ケンカしたこともないのに。ひどいウソをつくもんだわ! ってことはユウちゃんはあたしを「ブス」だと思ってるんだ。ひどい!


「そうやってウソをつくからケンカになったんじゃないの? そんな性格だからトモダチができてもすぐにケンカしていなくなっちゃうんだわ」

「なによ、みんなでムシするわよ! あやまって!」


 どうして、あたしがあやまらなきゃいけないのよ。「べーっ!」だ!


「あらあら、どうしたの?」


 カンナ先生が、あたしたちが騒いでいるのを聞いてやって来た。


「カンナ先生~チーちゃんが私の事ブスって言った~」

「このウソつき! ケン君のこともワナにはめようとしたくせに!」


 ウソ泣きしてカンナ先生の気を引こうとしてる! あたしこの子きらい! どうして人のことを簡単に悪者にするの? 信じらんない! だーいっきらい!


「喧嘩はいけませんよ、みんな」

「カンナ先生もウソつきよ! ホントは誰が悪いか分かっているのに、怒らないで、なぁなぁにしようとしているわ! そんなだからユウちゃんはずっと誰かを利用して、誰かにきらわれていくのよ! このままだとユウちゃんは、ひとりになっちゃう! そんなのおかしいわ!」


 あたしが大きな声で言ったら、カンナ先生だけじゃなくて、全員が黙っちゃった。みんなの目線は、あたしじゃなくてユウちゃんの方に向いていた。


「私、悪くないもん!」

「ウソをつくのは悪いことよ! ケン君をひとりぼっちにしようとした! ユウちゃんはトモダチを利用してる! トモダチを数としか見ていない、性格の歪んだひねくれ女よ!」

「あーーーーん‼‼」


 ちょ、ちょっと言いすぎちゃったかしら。ユウちゃんが本気で泣いちゃった。 


「ふ、二人とも……わかったから、喧嘩は止めましょう……ね?」

「先生は何がわかったの?」

「え?」


 今度は、カンナ先生が黙り込んじゃった。情けないわね。それでも大人?――ん、ケン君がこっちに来るわ。何かフクザツな顔してるように見えた。


「……さっきは、ごめん」


 ケン君がユウちゃんに謝ってる。どうして?


「ユウちゃんの海外旅行じまんが、ちょっと嫌だったから、お土産を拒否ったんだ」


 ええええ!

 そんな理由でケンカしてたの!? 必死になってたあたしがバカみたい!


「ケン君もケン君よ! 危うくひとりぼっちになるところだったのよ!?」


 あたしがそう言ったら、


「ひとりぼっちには慣れてるから」


 だって。


「むー!」


 こうなったら、あたしが2人とトモダチになってやる! 


(関わってきたのが悪いのよ!)


 カンナ先生がケン君とユウちゃんの話を聞いている。そのあいだ、2人にかける言葉を考えていた。

 やっぱり最初は、「泣かせてごめん。言いすぎちゃった」って言わなきゃ。悪いことをしたら、謝らなきゃね。

 ユウちゃんもほんとうは悪い子じゃなかったんだわ。お土産をみんなに配っていたのね。


 ……、

 …………?


 あれ。

 じゃあどうして、あたしには、お土産無いの?

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