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強くなれ

翌朝、日が昇る前にシャクナゲの使いが部屋の中に入ってきてベットから叩き起こされた。


「早朝に失礼します。シャクナゲ様がお呼びです。早急にギルドの正面入り口に集合してください」


要件を伝えるとすぐに部屋を出て行ってしまった。


「あぁ、今日から修行か…というか早いよぉ…」


眼を擦りながら体を起こした。急いで支度を済ませ正面玄関へ向かった。

外に出るとニックとピピナは既に集合していた。


「遅い!バツとして腕立て100回」


シャクナゲに指示されて仕方なく腕立てをする相馬。


「ニックはん、ピピナはん何してはるの? あんさんらもするんやで?」


ニックとピピナは突然の事で驚いていた。自分達は早く来たのにと不満を露にしつつ相馬を睨みつけた。3人は腕立てが終わると座り込んだ。


「なに座ってはるの? はい100回追加」


シャクナゲはニコッと笑顔を見せ顎で”早くやれ”と指示を出した。

再び100回の腕立てが終わり立ち上がる。


「腕立てに何分掛はるの? 遅い。100回追加」


そのセリフでニックとピピナが怒りシャクナゲに殴りかかった。


「ふざけるな! お前の匙加減だろ!」


「さすがに我慢の限界じゃんね!」


次の瞬間ピピナとニックは体をフィギュアスケーターのように回転させながら空中を飛んでいた。

そのまま5メートル程シャクナゲの後方に飛ばされ地面に叩きつけられていた。


「ぐはぁ…何が起こった!?」


「殴りかかって、、、飛ばされちゃってるじゃんね!?」


シャクナゲが2人にゆっくり近づく。相馬は我関せずで腕立てを続けた。

上司から無理難題を押し付けられる経験を10年近く味わってる相馬にとってはシャクナゲの発言は怒る対象にはならない。

日本人は働きすぎる生き物なのだ。


「あらあら、お二人さん~何をのんきに寝てはるの? それでしたらお2人には別メニューを与えたるわぁ~。ウチに一撃入れたら今日の特訓は終了でええよ~。ソーマはんはどないする?」


相馬は腕立てを続ける。正直疲れを感じないのでどのくらい効果があるのか不明だ。やってもやらないでも変わらないならとりあえずやってみようと相馬は考える。


「自分は基礎訓練をお願いしたいです!」


「そしたらソーマはんは腕立て終わったら、あの山みえるやろ? そこに建物あるやん? そこに1枚の紙があるからその指示に従っておくれやす」


「分かりました! マスター!!」


「ソーマはんはエエ子やねぇ。 さてさてお2人さん、かかっていらっしゃいな~」


ニックとピピナはアイコンタクトを取りシャクナゲに襲い掛かるニックは『爆砕』を使い地面の土を爆弾に変えていた。砂粒程の爆弾では爆竹くらいの威力だが目隠し位にはなる。

シャクナゲに向けて手に持っている土の粉末を投げつける。粉状の土が爆発するが意図していなかっただろう粉塵爆発が起こって大爆発になってしまった。


ニックはシャクナゲの居た場所を見つめ「やっちまったじゃん!!?」と慌てふためいていた。

ピピナもあまりの爆発力に驚き動きを止めていた。

そんな2人の間からシャクナゲも爆心地を見ていた。


「あらあら~あれじゃ死んじゃうかもしれへんなぁ~」


シャクナゲの声を聴いて驚き体を硬直させる2人。持っていた扇子でニックの顎を軽くしたから弾くと、そのまま反り返るように後ろへ倒れた。

ピピナが動く刹那足払いをして転ばさせた。仰向けになったピピナの顔を軽く踏みつける。

大したダメージは無いが尊厳は傷つけられた。スキル【怪力の極み】の力でシャクナゲの脚を掴みそのまま力いっぱい投げた。しかし音もなく静かにシャクナゲは地面に降り立った。

思わず欠伸をするシャクナゲ。口元を扇子で隠しす。


「あぁ暇で眠くなってきたどすえ。もう少し張り合いが欲しいどすなぁ」


2人の攻撃はシャクナゲに一切通用することなく、一方的に攻撃を受け続けた。

相馬は腕立てが終わり、指定された山まで走り出そうとした。その時シャクナゲに呼び止められた。


「あぁソーマはん。そこに置いてある服に着替えて行っておくれやす~」


シャクナゲは2人の猛攻を片手で捌きながら相馬に指示を出してきた。

指定された服を着ると、突然体に誰かが圧し掛かってきたような重さを感じた。


「今は20キロプラスでオマケしておきますからね~」


渡された服には【重力増加】魔法が付与されているらしい。加重されたままソーマは走り出す。

流石に重く、軽快に走る事は出来ない。ドスドスと足音をさせながら山の頂上を目指した。

この一歩一歩が自分を強くしてくれる。そう考えると楽しくなってきた。

相馬は疲れを感じない体を神から与えられている。

だが感じないだけで蓄積はされる。ここが一番厄介なポイントだ。

鍛えると休ませるをきちんと意識してやらなければ明日にでも倒れてしまう。


街を出て山の中に入る。斜度が強く登るのには足だけでは難しく、手も上手く木の幹や枝を掴んで登っていく。ワーカー業で山は慣れているが20キロ体重が増えるだけで一気に登るのが厳しくなる。足場は崩れるし、掴んだ枝も細ければ折れてしまう。

足を置く場所、掴む枝を見極めながら足と腕の筋力を使い登っていく。



相馬が山の中で苦戦しつつも前進している中、ピピナとニックは一歩も前進していなかった。

どれだけ強力な攻撃を仕掛けても、シャクナゲには容易く受け流されてしまう。


受け流される際投げ飛ばされたり転ばされたりするのでダメージだけが蓄積してしまう。

攻防一体の技術に手も足も出ない2人はシャクナゲに非礼を詫びた。


「シャクナゲ殿。自分の未熟さを痛感した。先程の非礼を詫びたい」


「俺っちダメダメじゃんね。ちゃんと基礎から頑張るじゃんね」


シャクナゲは微笑みながら2人を諭す。

「自分の未熟さを知る事は強くなる1歩でありんす。これで2人はまた強くなりますよ。では2人はソーマはんが戻ってくるまで模擬戦を続けておくんなまし~。ウチは疲れたんで休んではります。あぁ~御2人も着替えておくれやす。今後はその服を着用しておくれやす」


シャクナゲはそれを伝え手を振りながら建物の中に戻っていった。


「あっ、スキルと魔法の使用は禁止どす~アイテムボックスも〜禁止どす〜」


扉が閉まりシャクナゲの姿が見えなくなった。

2人はお互い見つめ合い戦いを続けた。強くなるために弱さを受け入れたのだ。

そのころ相馬は登山を無事終えた。

スキルを使えばより楽だ。しかしそれでは意味がない。今回の修行はスキルを封印する事にした。


小屋の中に入ると3枚の紙がテーブルに置いてあった。折り畳まれていて内容は分からないがそれぞれの名前が書かれている。


ソーマと書かれた紙を取り上げ広げる。


――ソーマ

これより3日以内に下記の植物を採ってくる来ること。

なお、スキルの使用は禁ずる。冒険者ライセンスに付与された【アイテムボックス】の使用は月下草と日輪草のみ許可する。


採取目標:日輪草、月下草。

日輪草は太陽の出ている時間帯のみ花を咲かす。

月下草は月明かりの下で花を咲かす。


どちらも開花状態で採取する事。

採取可能箇所は下記の地図を参考にせよ。


尚、失敗は冒険者ライセンス剥奪とする


以上

―――

まさかの採取クエストが始まった。

着替えてしまった為『エルバトラム』もない。さらに最悪なのは一切の食事や水、火を起こせる道具が無いのだ。最悪のサバイバルが始まった…



☆現在の相馬情報☆

{残金46,421リーン}

{預金36,420リーン}

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