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冒険者2次試験

何分経過しただろうか。静寂が続く試験会場。

その静寂を破るようにシャルムが次の受験者は中に入るように促す。

相馬は最後尾に並んでいるため、この調子であればまだまだ順番が来るのは後だ。


(くそ。こんなことなら先頭に並ぶべきだった…)


だが試験内容が分からない以上、試験内容を確認したいと思い後ろへ並ぶのは当然の心理だ。

これも運のなせること。運も実力のうちなのだ。

後半になればなるほど不安が募る。

中からは何の音も聞こえない。中に入った受験者も出てくる気配はない。


時間の経過とともに苛立ちが募る。

必死に心を落ち着かせようと深呼吸を繰り返し瞑想する。

そして数時間後、ようやく相馬の順番が回ってきた。


ニックとマルクはすでに中に入っていた。二人の安否も気になる。

最後に試験を受けることになり集中力が途切れていた。

扉に手を掛けドアノブを回す。

心臓がはち切れそうな程に鼓動が高まる。


”ふぅ”と息を吐き出し一気に扉を開け中に入る。中に入ると廊下のようになっていて、そのまま真っすぐ進むと先程待機していた位の広い空間に出た。


「なんだここ?何もなくない?」


辺りを見回してもただ何もない真っ白な部屋だ。

呆然と立ち尽くしていると部屋の中に声が響く。


「それでは2次試験を開始します。試験内容はゴーレムを倒してください。方法は各自の自由です。なおこの部屋の中は外部から見ることは出来ません。ギブアップの場合は元来た扉を開けてください。以上検討を祈りますね」


アナウンス終了と同時に部屋の中央に魔法陣が現れゴーレムが現れた。

ゴツゴツとした岩が無数に重なり合い巨人の姿となっている。多分3メートル近くはあるだろう。

眼が赤く光ゴーレムは動き始めた。

巨体のわりに動きは速い。


巨大な手を振り上げ相馬に叩きつけてくる。

モーションがある分よく観察すれば避けれない攻撃ではないが、明確な殺意を感じた。

どんな攻撃が利くか分からないのでとりあえずストックの有る『火球』を放つ。


・・・スキル『火球』を発動します。ストックは残り3発です。


火の玉が相馬の前に現れ、ゴーレムめがけて飛んでいく。命中はしたがゴーレムは意に介せず攻撃を続ける。


「さすがに火力が弱いか。というかゴーレムは石だから火は効かないか」


【エルバトラム】を腰から抜き取り構える。ゴーレムの攻撃を避けながら接近を試みるが近づく事が出来ない。

「仕方ない。ナビ子さん『縮地』を頼む」


・・・スキル『縮地』を購入並びに発動します。制限時間は30秒です。


スキル発動と同時に一瞬でゴーレムに近づきナイフで切りつけ再び離れる。

ナイフでの攻撃は無事に通じた様で傷はつけられた。だが一撃では意味はない。

『縮地』を時間いっぱいまで使った無差別攻撃を仕掛ける。


ヒット&アウェイを繰り返し100回程攻撃を加え制限時間を迎える。


・・・スキル『縮地』の使用限界を迎えました。スキルを終了します。


ナビ子のアナウンスが終わりゴーレムのダメージを確認する。

体中におびただしい切り傷は確認できたが、どれも決定打には至らない。


「これは中々困ったな。決定打を出すには結構な金額が必要になりそうだな。最悪借金すれば切り抜けられるけどすぐに稼げるとも限らないしなぁ」


幸いなのはゴーレムの攻撃を避けれる事だ。速度は速いと言っても見た目に対してだけで、慣れてくれば余裕で避けれる。疲れを感じない相馬なら無限に避け続けることが出来るだろう。

だが根本的な解決にはならない。


完全破壊しなくてはならないとするなら、超強力な魔法かスキルを所持してなければ突破する事が不可能だ。もちろん振るいにかけてるので可能性も無くは無いが、多分突破口は設けられているはずだと考えていた。


ゴーレムの動き、姿、一挙手一投足を見逃さず観察する。ゴーレムの額に相馬がつけた傷とは違うへこみを見つけた。

よく見ると文字が彫ってあるようだ。


「E・M・E・うーんと何だ?あーTか。最後は…」


ゴーレムの攻撃が一層激しくなり最後の文字が読めない。

全力で最後の文字を観察する。


「見えた!Hだ!emeth!あれこれって俺の居た世界のアレか!?なんだっけ…あーそうだ最初のEを削るとmethになって死んだとかの意味にするってやつだ!そうと分かればとりあえず試す!ナビ子さん!」


しかしゴーレムはこちらが気づいたと感じたのか形態を変化させ数本の腕を生やした。

怒涛の攻撃で『縮地』では避けて近づくのが難しそうだ!

感覚では『縮地』は直線的な高速移動だ。つまり直線上に攻撃が来れば避けることが出来ないデメリットがある。

相馬は悩み、ナビ子におススメを出して貰う事にした。


「ナビ子さん!ゴーレムの額にあるEを削りたい!オススメお願い!」


・・・オススメ一覧を表示します。


――風の刃

効果:カマイタチを飛ばすことが出来る。

回数:3発

金額:14,900リーン


――石の槍

効果:石でできた槍を相手にぶつける。回転が加わる為貫通力が高い。

回数:3発

金額:16,980リーン


――空間移動

効果:目に見える範囲を一瞬で転移出来る

回数:1回

金額:650,000リーン


――茨の牢獄

効果:地中より棘の付いた茨を発生させ対象を拘束する。千切っても即再生するため脱出は困難

回数:1回

金額:1,696,300リーン


「石の槍が良さそうだな。ナビ子さんお願いします!頭文字のEを貫いて!」


・・・スキル『石の槍』を購入並びに発動します。指示通り頭文字のEを標的にします。的中率は41%。最大3発を使用する可能性があります。よろしいですか?


「YES!頼んだ!俺は避けるからタイミングはナビ子さんに任せる!」


・・・承諾。それでは狙撃を開始します。以降の指示は省略致します。


相馬はナビ子に委ね怒涛の攻撃を避けることに専念する。

流石に腕が2本の時はまだ余裕だったが流石に6本にもなると必死に避けなければ死ぬ。


未だに一発目が発射されない。ナビ子も苦戦を強いられているようだ。

3分程攻撃を避け続けていると突然目の前に『石の槍』が現れ発射された。

突然の事で相馬自身も一瞬驚いてしまった。


『石の槍』は指示通り”E”の文字目指して進んでいく。だが運悪く腕に当たってしまった。

そのまま腕を掘り進め半分くらいまで埋まった時に動きを止めた。

今度はすぐさま2射目が発射された。ゴーレムは腕を振って弾き飛ばす。

だがナビ子さんは3射目を2射目の陰になるよう発射していたのだ。


弾くのに腕を使ったことで額までの道が開けた。見事『石の槍』はemethの頭文字に当り、methに文字を変えた。


「どうだ!?俺のいた世界と同じならこれで動きを止めるはず!?」


ゴーレムの変化を見守る。赤く光っていた目が光を失いゴーレムは動きを停止した。結合していた石たちはバラバラになり瓦礫となって部屋に散らばり落ちた。


再び声が聞こえる。シャルムの声だ。

「試験通過。入り口に再び戻って下さい」


相馬は入ってくるとき通ってきた道を戻り扉を開ける。

驚くことに最初いた部屋とは別に森の中に出たのだ。扉だけが空間にある。


「え、なにこれ!?どこで〇ドア?」


狐に摘ままれた気分だった。周りには10数名の受験者が居た。

残念ながらそこにニックとマルクの姿は無かった。

ダメだったのかと落胆しているとニックの声が聞こえた。


「いや~トイレの我慢はだめじゃんね!おっソーマっちやっと来たじゃんね!」


「ニックさん本当に本当に僕をトイレに連れて行くの不快です!!」


「仕方ないじゃんね!トイレ中は警戒が緩むじゃん!」


2人は只トイレに行っていただけの様だ。


シャルムが全員そろったのを見計らい話を始める。


「2次試験通過の皆さんお疲れさまでした。一旦この場で休憩を取ります。3時間休憩の後3次試験へを開始致します。それでは解散」


相馬はニックとマルクの3人で集まり腰を下ろす。

持ってきた水を飲み、干し肉を食べながらここまでの話をする。


ニックとマルクは粉々になるまでゴーレムを破壊したそうだ。胸の中に核となる魔石がある事に気付きそれを破壊して試験を通過した。


相馬は自分の話をすると2人は驚嘆していた。そんな倒し方聞いたことないという。

どうやらこの世界では余り普及していない情報なのかもしれないと思った。

その後3人は時間が来るまでのんびり談笑しながら時を過ごした…


☆現在の相馬情報☆

{残金46,421リーン}

{預金324,240リーン}


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