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13/40

早起きは3羽の得

宿に戻り今日は早々に寝ることにした。

まだ20時位だろう。

残された時間は少ない。明日こそ日の出前に山に入ろうと思っている。

明日は昼過ぎ位まで山に行き、もし獲れなかったら一度商会ギルドに行ってみようと思っていた。

もしかしたら有益な情報があるかもしれないと考えていた。


布団に入り目を閉じると、山での光景が蘇る。

この数日のうちに確実に仕留めなければ自分が死ぬ。

可哀想だとか言ってる場合じゃない。次見つけた時は確実に仕留める。

覚悟を決めているうちに意識は夢の世界へと誘われた。


目が覚める。窓から外を見るとまだ暗く、月が地平線めがけて落ちていく最中だった。

多分夜中の3時か4時位だろう。

早い分には問題ない。身支度を整え宿を出た。


西門は夜なので閉まっていたが番兵に声を掛けた。


「こんばんは。悪いけど外に出たいんだ」


「こんな遅くにどこ行くんだ?」


ワーカーの証明である木札を番兵に見せた。


「あぁ、ワーカーか。こんな暗い内から行くのか?勤勉だな。気を付けて行けよ」


「あぁ、ありがとな」


番兵が門を開く。正門に比べればはるかに小さい。高さも3メートル、横幅も2メートル位しかない。それでもかなりの厚みはあるので、開け閉めも重労働だろう。


人が一人通れるくらい開いたのでそこを抜けた。

外に出ると再び門が閉まる。徹底した管理は流石王都といった感じだ。


夜行性の動物はこの時間だと山の麓や森の中で餌を探して活動していると教わった。

日が出るまでは山を登らないで平地を散策する事にした。

野生の動物はさほど目が良くない。夜行性の動物は景色をカラーでは見ていない。白黒に近い景色を見ている。その分、鼻や耳が発達しているのだ。

音を立てないように注意しながら獲物を探す。


30分程探してみたがやはり見つける事が出来ない。

このまま日が昇り始めてしまえば山頂の方に移動を始めてしまうだろう。

【探知】を使う事にした。


(ナビ子さん。【探知】を使ってくれ)


・・・スキル【探知】を購入並びに即使用しますか?


(YES!)


・・・スキル【探知】を発動します。制限時間は5分です


視界の左上に数字が表れた。

目を閉じて意識を集中する。

今回は早速獲物を捕らえる事が出来た。しかもそんなに遠くない。探知で見つけた獲物のいる場所に忍び足で近づく。

確実に当てる為、50メートル以内には入りたかった。しかし、起きて活動している獲物には気配を悟られてしまうようで、こちらの存在に気が付くと逃げてしまった。


(クソ、せっかく見つけても撃つチャンスすらもらえないのか。仕方ないそれなら…ナビ子さん。スキル【無音】も購入して発動してくれ)


・・・スキル【無音】を購入並びに発動しました。制限時間は60分です。

【探知】のタイムリミットの下に【無音】のタイムリミットが現れた。


【探知】は後2分15秒使用できる。再び瞼を閉じて意識を集中した。

今度は少し離れた場所に獲物の姿を捉える事が出来た。

【無音】を発動しているので忍び足で寄っていく必要はない。

全力で走り、獲物に近づいていった。


三段角を生やした立派な牡鹿をが草を啄んでいる。

【無音】のおかげなのか50メートルよりも近くまで来ても気づかれていない。

クロスボウを両手で構え牡鹿の頭に狙いを定める。

多少の高揚はあるが、昨日見つけた時よりも心臓の鼓動は落ち着いていた。

狙いのブレ幅は少ない。


(引き金は優しく、最低限の力で。両目はしっかり獲物を捕らえて、呼吸は出来る限り止める)


武器屋で習った事を何度も脳内で復唱する。

覚悟を決めて頭を狙い引き金を引いた。

矢は風を切り裂き牡鹿の頭めがけて飛んでいく。【無音】の効果なのか風切り音がしない。


(よし当る!!)


確かな手応えを感じていたが、運悪く牡鹿は頭を下げて草を啄んでしまった。

牡鹿の後ろにあった木に矢が刺さる。当たった瞬間の音は【無音】では消せない。

驚いた牡鹿は声を上げて逃げてしまった。


「クソ!!!完璧だと思ったのに!!」


思わず声が出てしまう。【無音】のおかげで声が周りに聞こえる事は無かったが、完璧に頭を捉えたと思っただけに悔しさが大きい。


【探知】残り時間は10秒程あったのでラスト一回に賭ける。


(頼む。いてくれ!!)


強く瞼を閉じて意識を集中する。

運よく500メートル程離れた場所に生き物を捉えた。だが鹿よりもかなり小振りだ。

走ってその場まで急ぐがしかし、今いる場所とは違い、熊笹に行くてが阻まれる。

【無音】のおかげで音はしないから雑に進む。5分程掛かってしまったがなんとか気配を感じた場所に到着できた。


目を凝らして周囲を確認する。

すると、茶色いウサギが3羽が固まって草を食んでいた。

1羽撃った場合、2羽は逃げてしまうだろう。

クロスボウの威力を考えると上手く狙えば2羽同時に撃ち抜けるかもしれないと考え、ベストな位置を探す。


そして2羽が射線に並ぶポジションを見つけた。

地面に寝そべり草むらの中から狙いを定める。

そして、静かに引き金を引いた。

1羽目の頭部を矢が打ち抜く。少し軌道が変わってしまったが運よく2羽目の胴体に刺さって矢は動きを止めた。矢が当たったウサギはピクピクと足を振るわせている。


3羽目のウサギが異変に気付き逃げ出した。

偶然にも相馬がいる方に逃げてきたが、矢を装填している時間はない。


矢だけを手に持ちタイミングを見計らって飛び出した。


突然現れた相馬に驚いたウサギは飛び上がり向きを変えようとする。

始めて獲物を獲れた高揚感からか、相馬はゾーンに入っていた。ウサギの素早い動きがゆっくりに見える。ウサギが戸惑い向きを変えた瞬間を狙い、手に持った矢をそのまま突き刺す。


運が味方をしたおかげもあり、相馬はついに3羽同時に獲物を獲る事が出来たのだ。

思わず歓喜の雄叫びを上げる。

逃げてきたウサギを抱えて、最初に撃ち抜いた2羽の元へ向かう。


初獲物にアドレナリンが大量に分泌されて興奮状態だったが、改めて3羽の亡骸を見た時に感謝の気持ちと懺悔の気持ちでいっぱいになり、自然と両手を合わせ「ありがとうございます」と声が出た。

30秒程そのまま手を合わせ黙祷する。


そして、矢を回収して三羽のウサギをリュックに詰めた。

血抜きなど、専門的な事は知らない相馬。

リュックにはウサギの血が染み込んでいった。



☆現在の相馬情報☆

{残金6733リーン}

{借金65510リーン}

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