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【探知】&ゴー

オススメ一覧を見ながら熟考する。


――無音

効果:自らが発生させる音を全て遮断する。自身より半径2メートルにいる者には聞こえる

回数:1回(60分継続。オンオフ可)

金額:1,200リーン


――探知

効果:発動する5分間、目をつぶると自身を中心とした半径500メートル以内を探れる

回数:1回(5分間継続)

金額:2,580リーン


――ステルス

効果:発動すると自身並びに自身が触れている物は光を屈折させ姿を消す事が出来る

回数:1回(10秒間継続。但し途中で発動の解除は出来ない)

金額:9,480リーン


――隠密

効果:気配を完全に立つことが出来る。但し姿を見られた場合気づかれる。

回数:1回(10分間継続。但し途中で発動の解除は出来ない)

金額:18,900リーン


――百発百中

効果:遠距離武器が必ず狙った場所に当る。但し武器の有効射程内に限る。威力は武器による。

回数:1回

金額:1,500,000リーン


【探知】のスキルは今の状況を打破するにはベストなスキルだと判断した


(”ナビ”【探知】を購入だ)


・・・スキル【探知】を購入しました。 使用しますか?YES/NO


(もちろんYESだ)


・・・スキル【探知】を使用しました。5分間使用可能です。視界の左上に時間を表示します。


左上に05:00と表示されてカウントダウンが始まった。

一秒でも無駄にしたくないと思い、すぐさま目を閉じて意識を集中した。

瞼の裏に白黒の映像が映りこみ、すさまじい速さで景色が移り変わる。見えていないのに見えているそんな不思議な感覚だ。第六感とでもいうべきモノなのかもしれない。

木々や草花、落ちてる石や地形などを情報というべきか感覚というべきか全て把握できた。

そしてその把握した範囲内に大きな生命反応は無かった。

小動物や虫などの小さなものばかりだった。

【探知】の効果範囲は半径500メートル。


相馬は目を開き急いで斜面を降った。

生命反応が無かったので駆け足で構わないと思いかなり速い速度で降りて行った。

残りの時間は60秒程だ。


再び目を閉じて辺りを探る。

するとかなり端の方。自分のいる場所から北に400メートル位の場所に鹿と思われるシルエットと生命反応を捉えた。


(いた!!この感じは鹿だ!!こいつを獲る!)


斜面を降らず左手方向に進む。

先程の捉えた感じでは、鹿は2頭で寝ている感じだった。

急がないでもすぐに動かれることは無い。ゆっくり息を殺して慎重に近づく。


・・・スキル【探知】の使用限界を迎えました。スキルを終了いたします。


頭の中に”ナビ”の声が聞こえた。

ナビの声は機械的な女性の声だった。

”ナビ”というのも味気ないので”ナビ子”さんと呼ぶことにした。

昼とはいえ、山の中は鬱蒼としていて何か心寂しい感じがする。

スキルとは言え会話が多少なりとも出来るのは寂しさを埋めるには充分だった。

スキルを擬人化する事で孤独感を埋めたかったのかもしれない。


400メートルを20分程かけてゆっくりゆっくり移動した。

足を置く際に音がしないようにゆっくりゆっくり。

そして50メートル程先の木々が無く光差しこむ開けた場所に鹿の親子を発見する事が出来た。


心臓の鼓動が速くなる。発見できたことにアドレナリンが大量に分泌されているのが分かる。

呼吸は荒くなり手が震える。肩に掛けていたクロスボウを手で持ち、しっかりと鹿の頭をサイトで捉える。呼吸が荒くなっているせいか狙いが上下と暴れて定まらない。


(落ち着け。落ち着け俺。大丈夫。大丈夫だ。俺ならやれる)


大きく息を吸ってゆっくりと細く長く息を吐き出す。

落ち着いて鹿を確認すると、どうやら親子の様だ。小鹿が大人の鹿をぺろぺろ舐めて甘えている。

大人の鹿は角が無いので多分雌鹿だろう。


その光景を見て胃がキューっと痛くなった。

もしこれで母親の鹿を殺したらこの子はどうなるんだ?

でも、もし獲らなければスキルを追加で使ってしまってるのでさらに負債額が膨れてしまう。

だが、この一頭と獲っても完済できる訳じゃない。


(今回は見逃しても…でも、次も親子だったら見逃すのか?そもそも俺らが肉を食うって事は誰かが手を汚してるんだ。ここで仕留めないのはただの偽善だ。自分が手を汚した事が無いからビビってるだけだ。なんか理由をつけて逃げてるだけなんだ。やるしかない。やらなきゃ俺が死ぬだけだ。弱肉強食。この鹿の命で俺も救われる。その肉で多くの人間の胃が満たされる。命を無駄にするわけじゃない)


何度も何度も自分に言い聞かせる。寒くも無いのに不思議と上下の歯がガタガタとぶつかり合う。

手の震えが止まらない。


(大丈夫。魔物だってもう何体も殺した。それと変わらないだろ。人間を殺す訳じゃない。ワーカーの登録もした。殺しても許されるんだから何を迷うんだ俺…でも殺していいって人間が自分の価値観で決めただけで鹿が許可したわけじゃないよな…いやそんな事考えてる場合じゃない。引き金を引くだけだ。それで全てうまくいく。やるんだ俺。引け!!!!)


覚悟を決めて引き金に人差し指を掛ける。

狙いは相変わらず上下してしまってるが振れる幅は大体同じになってきた。タイミングを合わせることに集中する。

そして、狙いが雌鹿の頭と重なった時、人差し指を力いっぱい引いた。思わず目を閉じてしまう。鹿が死ぬ瞬間を無意識に見たくないと思ってしまったようだ。


そして”ピィ”と鹿の鳴き声がした…断末魔だろうか…

恐る恐る目を開けると…その場に鹿はいなくなっていた。

発射された矢は全く関係ない木に突き刺さっていた。


どうやら突然飛んできた矢に驚いて急いで逃げてしまったようだ。

落胆と同時に少し安堵した。だがこれでスキル使用分の負債を増やしてしまっただけで、最悪な結果になってしまった。


引き金を引く瞬間力いっぱい引いてしまった為、発射口が下を向いてしまったのだろう。

スキルを使い獲物を見つけることもできた。武器屋で短時間とはいえ武器の扱い方も教えてもらった。宿屋の女将さんに獲物の探し方など知識を貰った。

今回足らなかったのは、自分の為に他者の命を奪う覚悟だった。


「今日は一旦帰ろう…なんか疲れちゃった」


精神的な疲れがドッと押し寄せてきた。

斜面をゆっくり降りながら周りを一応チェックするが獲物を見つけることは出来なかった。

山から出た頃には太陽も沈み、辺りは薄暗くなっていた。

とりあえず何も食べていないので街に戻ってそのまま『山くじら亭』へ向かう。

昨晩と同じメニューを注文してゆっくり味わって食べた。


「この猪も誰かが仕留めたんだよなぁ。他人が殺してそれを俺が食べる。”いただきます”っていつも誰に言ってるのかよくわからなかったけど、”命を頂きます”って意味なんだな」


獲ってくれた人への感謝。死んで、俺たちの血肉となってくれる動物に感謝。

自分が殺す側に立って初めて意味が分かった。

暖かいシチューを食べながら、自然と涙が溢れ頬を伝う。


獲物を前に臆した自分の不甲斐なさなのか、命の重さを理解したからのか理由は相馬本人も分からなかった…


☆現在の相馬情報☆

{残金6733リーン}

{借金61730リーン}

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