1章ー1話ー謎の占い師
「あなたは、明日またここに来ることでしょう。」
俺はそんなことを言われてしまった。
なぜこのような状況になったのかも、今思えば不思議で極まりないのである。
これは、冬の寒さが著しくなった日の事である。
世間では、クリスマスだのお正月など騒いでいるでいるが、ただの陰キャ高校生にとってはあまりにも無縁な話である。
クリスマスはどうせ例年のように、だらだらテレビを見て終わるだけだろうし、お正月に関しては誰かと行くこともなく、近くの春日さんにいくだけだろう。
そんな時、商店街を歩いていると、周りのハイカラな看板とは対照的に、わきにそれたところにひっそりと建つビルがあった。
ほんの数日まで、廃墟に近かったはずなのに、誰かが使っていてもおかしくないようなほどの整備はされていた。
あまりに不思議に思ったので、そのビルの前に行ってみると看板で、占いの館ウッズとかかれていた。
普段占い結果とか信じなかったが謎に今回に関しては興味を引き付けられてしまった。
コンクリートでできた階段を上り三階の前まで来た。
前はただの鉄の扉で黒板で書かれた占いの館ウッズってこと以外何もなかった。
また、4階以降に行けないようにテープも張られていた。
おそるおそる扉を押してみた。
「お待ちしていました。」
中から女の声が聞こえてきた。
「まずは、そこにお掛けください。」
ただのパイプ椅子に座らされた。
部屋は、周りが紫色のろのカーテンで囲われており、個々の店員と思われる女性はどこにいるのかわからなかった。
「今回あなたがここに来ることは知っていました。」
などと物騒なことを言う。
女は、
「この後このビルを出てから7分後に山本先輩からカラオケの誘いがありますが、断らず行ってください。そして、カラオケをした後、11分後に山本先輩の妹が事故にあいます。なので、手を引っ張ってください。」
女はそう予言をした。
これのどこが俺に対する占いなのかはわからないが、7分後にカラオケの誘いがなかったら、ただの偽占い師ってわかるだけだから気にしなくていいだけだ。
さらに女はこういう。
「今回は、お題をいただきません。」
頭の中で???ってなった。
俺の占いになっているかは、わからないが占ってくれたのは事実である。それを、お題がいらないっていう意味が分からない。
「あなたは、また明日ここに来るでしょう。」
と言った。
それから、俺は不思議に思いつつ店を出た。
俺は、一応時計を見てみた。
時刻は17時56分であった。
コンクリートの階段を下り、商店街の方に戻っていった。
そんな時であった。
俺の携帯に着信が鳴った。
山本先輩と着信相手に書かれている。
占い通り、とってみることにした。
時間は18時03分であった。
「今暇か?今からカラオケに行くんだけど一緒に行くか?かわいい後輩とかもいるぞ。まあ俺の妹が一番かわいいけどな。」
「あ、行きます場所はどこですか?」
「駅前の新しくできたとこだよ。30秒で来い。」
「30秒って。無茶言わないでください。」
通話が切れた。
しかし、時間通りに誘われるとは、本物の占い師なのかもしれない。
続く
更新不定期の予定ですができるだけ早く書くつもりです。
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