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ゆっくり強く、逞しく

初めて書いた小説です。

皆さんに楽しんだで頂けたら嬉しく思います。

予定では他の作品の物語と重ねて行こうと思っています

どうぞ宜しくお願いします。

・こんにちは!


不意に声をかけられた俺は、訳も分からずに呆然としていた。

何故ならば、つい先ほどまで部屋に閉じこもってゲームをしていたからに他ならない。


・フムフム、ビックリさせてしまいましたか?

申し訳ありません。


そんな優しい言葉を掛けてくれる。

とても美しい人物。


誰だろう?

未だ混乱している俺に話しかけて来るとても綺麗なお姉さん。


・突然ですが、魔法とか冒険とかに興味あります?


俺は唐突に理解した。

綺麗なお姉さんは残念な人だ。


・違いますよ。


否定する所がまた怪しい。


・なら、そうなのかもしれません。


自分で、理解している分、

残念さが際立つと言うか、


・もう、どっちなら話を聞いて下さるの?


あ、怒った顔もすっごい綺麗。

あれ?俺声に出してたっけ?


・あ、ありがとうございます。

じゃないや、少しお話し聞いて下さるかしら?


・わかりました。

とりあえず、ゲームのセーブしたいんだけど、どうすれば良いかな?

まあ、暫く放置しても大丈夫な場所だから無理にとは言わないけど。


・わかりました。では30分後に出直しますね!


最高に眩しい笑顔を見た直後、暗闇が襲って来た。ふと気付くとコントローラーを握ったまま座椅子にもたれ掛かった状態で目覚めた。


何だったんだろう?夢かな?

とりあえず、めちゃくちゃ綺麗お姉さんだったな。あれが、俺のタイプなんだろうか?

あぁ、あんな彼女が欲しい。


時計を観るともう日付が変わりそうな時間。

俺はゲームをセーブして風呂に入る事にした。


ちなみに、俺の好きなゲームはもっぱらRPGだ。

三度の飯よりレベル上げが好き、進める時はMPを使わなくて良い様にアホほどレベルを上げてから進めるのがオレのスタイルである。


風呂に浸かりながら夢を思い返していた。

綺麗だったな、あのお姉さん。

今夜の夢にも出て来てくれないかな。

そしたら色んなことをして、ぐふふ・・・


・呼びました?


・えっ?


振り返ると先程の空間にいる事に気付いた。


・えっ?えっ?


・混乱してますね。先程、30後に出直しますねとお伝えしたと思うのですが、まさかその様なお姿で待って居て下さるとは。


・えっ?あっ、ちょっ!


真っ裸で居る事に今気付いた。


ふぉぉ、こっち見ないでください!

服、あれ?服どこ行った?

てか、ここどこ?あれ?ここどこ?


テンパリまくる俺に、優しく微笑んでくれる女神の様なお姉さん。


・意外と、ちっちゃいのね。

ボソ。


聞こえてますよ?

完全な涙目でひた隠す俺に、とんでもない言葉を浴びせて来た。

尚も笑顔で見つめて来る女神様。

もう、許して。

俺、この攻めには耐えられないよ。


・話が進まないのでとりあえず服は着せますね。


光が俺を包み込む。

すると白いガウンに身を包む俺がそこに居た。

何故にガウン?

まあ、良いか。裸よりは。


・では、単刀直入に言いますね。

魔法と冒険に興味はありますか?


うーん、言葉の意味はわかるんだけど。

質問の意図がわからない。

とりあえず、好きなワードだし、答えておくか。


・大好きです。


・良かった、では始めますね。

詳しく説明は出来くて申し訳ないのですが。

何か要望が有れば聞きますよ。


話が見えない。

あれか?風呂に入りながら寝たのかな?

やけに鮮明だけど。

日頃から異世界とかの話が好きだからこんな夢でも見てるのかな?

要望か、、、あるには有る。


えーと、衰えないステータスと長い寿命。

やり込み要素がたんまりあると嬉しいかな。

お金やレベルは自分で稼いだりしたいから、

上限の無いレベル突破機能が欲しい。


・それだと、

初期値で降り立ちますが宜しいですか?


まだ要望聞いてくれるのか、やたらと親切だな。

でも、じっくりとやりたいからこれでいいや。

あ、待てよ、魔法とか欲しいな。


・癒し系の魔法があるなら欲しいです。

能力は初期値で大丈夫です。


・わかりました。

でも、それだけだと何だか申し訳ない様な。

そうだ、良いものを見せて頂いたおまけで精神自動回復つけますね。

暴言を言ってしまったお詫びに、ボソ。


辞めて、思い出させないで。

心が痛いよ。


引き裂かれる様な心が癒されている感覚に気付く

思わぬ所で精神自動回復の恩恵が・・

もう付いているのか、自動回復。


・では、楽しい旅を!


直後、また光に包まれ、眩しくて眼を閉じた。



初期値

筋力5

知力5

俊敏性7

スキル

精神自動回復

魔法

癒しの波動


唐突に頭に流れ込む情報。


ヒットポイントとかの表示は無いんだ。

まあ、そんなゲームもない事はない。

本当に魔法がある。

最初から癒し系なのが地味に嬉しい。

しかし、なんか楽しそうな夢だな。

ふと何処かに降り立った感覚に気付いた俺はそっと眼を開けた。


・街だ。


人の流れも有る。活気もある。

見た事のない種族?な人がいっぱいいる!

ここ、何処だ?

何も説明無しで放置ですか!


戸惑いと混乱の最中、ふと周りを見渡すと。


・城だ、城がある!なんだかファンタジー!


戸惑いがワクワクに変わっていた。


・スキル 順応力を覚えました。


うお、頭に人の声が!!

アナウンス的な無機質な声がスキルの取得を知らせてくれた。

成る程、なんとなく把握。

本当にゲームみたいで楽しいかも。

と言う事は、ひょっとして。


・ステータス!


筋力5

知力6

俊敏性7

スキル

精神自動回復 順応力

魔法

癒しの波動


成る程、

ゲーム画面が映る感じで目の前に表示される訳ね。

俄然楽しくなって来た。

てか地味に知力が1上がってるのは何故?

それよりも、癒しの波動って言う魔法を使ってみたいな。

癒し系の魔法を頼んで正解だった。

良いね!

やっぱ冒険に回復魔法はいるでしょう!


・とりあえず使ってみるか。

癒しの波動!


何だか心がホッコリする!

癒された感じだけど?

あれか傷が無いからか?


・よし、


とりあえず壁を殴ってみる。

痛い。

普通に痛い。


・これで、、

癒しの波動!!


心がホッコリした!

いや、手が痛いままなんですけど?

スキルの詳細とか見れないのかな?

スキルの詳細、スキルの詳細。

あ、これかな?


スキル  癒しの波動

魔法等ですり減った精神を癒す。


スキル  順応力

現在置かれた環境に適合する能力


・あれか、MP回復みたいなもんか?

手が痛いのですが。

さて、検証が早くも終わってしまった。

何をしろとも言われてないし。

何すりゃ良いのだろう?

とりあえずウロウロしてみるか?

しかし、いきなりの出来事なのに余り驚いてないのは何故だろう?

順応力のおかげか?


街を思いのまま歩き回る事、体感で1時間。

映画で観た様な古代の都市を連想させる建物に、これまた見たことない生き物に引かれる馬車。

何もかも新鮮で心が躍る。

反面、何気に足が痛い。

リアルに結構疲れて来たぞ。


・これ、夢じゃないのか?

どう言う事だ?

異世界物みたいな話だな。

異世界物の話なのか?

目的とか何も聞いてないけど大丈夫なのか?


色々と考えてみたが結局答えは見つからない。


・まあ良いか楽しそうだし。

その内戻れるかもだし。

ここに来てスキルの順応力が効いてる感じだ。


しかし、取ってつけたようなスキルだな。


・綺麗な女神さんが付けてくれたのかな?

だとしたらありがたい。

名前聞いておけば良かった。

ありがとうございます、っと言っておこう。


また暫く歩き回る。

すると、


・お?あの建物、なんだかギルドっぽいよな。

何だか怖いからこっそりと窓から・・・・


覗いてみると受付に何かしらのボードがある。

貼られた物を剥がして受付に行く人等が居る。


・うん、ギルドみたいな所っぽいな。

入っても大丈夫だろう。


俺はギルド?っぽい建物に入って行った。


・こんにちは、初めての方ですね。

 

建物に入るや否やお姉さんに声を掛けられた。


・こんにちは、よく分かりますね。

初めてなので何もわかりません。

何か仕事をしたいのですが登録とか必要ですか?


・オルドラギルド案内人のサリスと申します。

ある程度の方のお顔は把握してますので、見た事のない方には率先して声を掛けさせて頂いております。

初めての方は左側受付へ、ギルド登録者の方は奥のカウンターで手続きが出来ますので、宜しくお願いします。


・ありがとう、助かります。


親切なサリス嬢に言われた通り、左側の受付に行ってみる。

そこには赤毛ポニーテールの可愛い女の子がいた。


・こんにちは、こちらで受付が出来ると聞いたんだけど、お嬢ちゃん何か知ってるかな?


・ ・・・あ?

お前今なんつった?


えっ⁈

ポニテのお嬢ちゃんにガッツリ睨まれる。

何だ、このプレッシャー。


・おい、お前だよ。

今なんつったって聞いてんだよ。


・ ・・・ご、ごめんなさい。


咄嗟に出たのは謝罪の言葉と一雫の涙であった。


・クスクス

大丈夫ですか?


サリスさんがやって来てくれてようやく俺は正気に戻れた。

あれ、何だか俺、震えてるよ?

って、サリスさん?笑ってませんか?


・おい、サリス。

また何も言ってねぇのか?


・何をですか?

可愛いお嬢ちゃんが受付してるけど実は成人した女性だから、決してお嬢ちゃんなんて呼んじゃだめですよって事ですか?

クスクス


・ったく、新人来る度にこのやり取りがあるの何とかなんねぇのか?

大体、あたしゃギルド長だぞ?


ギルド長でございましたか。

とりあえず土下座でもしておいた方が良いか?

土下座しとくか?

涙を拭いた俺はしのごの言わずに土下座をするのであった。


・とりあえず、奥の部屋に行くからついて来い。


俺は、はいっと良い返事で返してついて行った。


ギルド長の部屋にて


・いやー、わり〜わり〜。

久しぶりの新人みたいだったから、

からかっちまったわ。


小さい容姿とは裏腹に豪快に笑い飛ばすギルド長。

と言うか何故にギルドの1番偉い方が受付に?


・お?何でアタシが受付にって顔してんな?

あれだ、、、趣味だ。

人を見るのが好きなんだわ。


何ともまぁ、豪快な方だ事。


・で?ギルド自体が、初めてだって?


・あ、はい、そうなんです。

なので右も左も分からないのです。


・そうか、

んじゃとりあえずは名前を教えてくれ。

アタシはギルド長をやらしてもらってるセリスってもんだ。

ちなみにサリスはアタシの姉だ。

血は通って無いが姉妹みたいなもんだね。 

種族が違うから見た目も似てねぇが。

まあ、こんな世の中だから色々あらーな。

年齢は内緒だ、、、

聞いたら殺す。


何だかこの子、おっかないよ。

ギルド長事セリスが俺に促す。


・えっと俺の名前は、


あれ?

名前は?

俺は、

誰だ?

俺は?名前は?

あれ、何処で生まれたんだっけ?

何でここに居る?何処から来た?


・お、おい、どうした?大丈夫か?

スッゲー汗掻いてるぞ。


何だ?俺は、ダレダ。

ココはドコで、何をすればいい?

俺は、ぼくは?


ドサっ。


・おい!おいっ!

誰か来てくれ。

真っ白な世界にて


・大丈夫ですか?


・あ、女神さんだ。こんにちは!


・はい、こんにちわ。


・何かありましたか?


・信じられないかも知れませんが。

貴方は今、情報の波に呑まれて倒れてしまいました

ごめんなさい。

しっかりと説明が出来ないから貴方の脳に無理をさせてしまったみたい。

処理し切れてなのね。

当然だわ、、、

突然だったものね。

でも、私が今言える事は、何も無い。

何も伝えられないの。

貴方に新しい人生を生きて欲しい。

それだけしか言えない。


むむ?

どう言う事だ?

まだ掴み切れてないぞ。

とは言えとりあえず、

女神様、悲しそうな顔をするのはお辞めください。


・もう私にはこれしか方法が無い。

許して。


あれ?女神様が透けて来た。

大丈夫、俺は大丈夫ですからそんな悲しそうな顔をしないで下さい。

  


オルドラ王国にて


・はっ!


目が覚めた俺はベッドに寝かされていた。

近くには女性が何やら作業をしていた。


・こ、こんにちは。


・あら?ようやく目が覚めましたね。

私はネネ。神官をやってる者です。

貴方は突然倒れて鼻や耳から出血してた所を運び込まれたのです。


・運び込まれた?


・此処は街の教会ですよ。

貴方は本当に危ない所でしたがリーシュの回復魔法で一命を取り留めたのです。


話が見えないぞ?

整理してみるか。

さっきまでギルドに居たよな。

そうだ、ギルド長のセリスさんと話していた時に頭が痛み出して…

後、女神様と話してたような。

むむ〜、解らん。

とりあえず、お礼を言わねば


・助けて頂きありがとうございました。


・どういたしまして。

どうですか?

まだ痛むところはありますか?


頭やら腕を動かしてみるが、痛みは無かった。


・大丈夫みたいです。


・そう、良かった。

でも起きたばかりだから無理しない様にね。

ゆっくりしてらっしゃい。


・はい、ありがとうございます。

ところで、

回復魔法を使って下さったリーシュさん?って?


・ああ、あの子なら隣のベッドで寝てるわよ。

回復魔法で疲れたんでしょうね。

凄い疲れるのよ回復魔法って。


マジか、何だか申し訳ない。

これはお礼しとかなきゃな。


・リーシュさんにお礼を言いたいのですが。


・あら、律儀な方ね。

と言う事なんだけどリーシュ、、

起きてるんでしょ?


と言いながら仕切りを開けるネネさん。


・はぅぁ!


ビックリした様に布団に隠れるリーシュさん。

何だか可愛いな。

小動物がビックリして隠れるみたいだ。


・ふ〜、部隊長になったんでしょ?

いい加減その人見知りを辞めなさいよ。


ぶ、部隊長?

お偉いさんなのか?


・だって、いきなり開けるんだもん。


だもん、って可愛いな。

部隊長と言う響きとのギャップがすげぇ。

いかんいかん。

とりあえずお礼をせねば。


・この度は危ない所を助けて頂き誠にありがとうございました。


リーシュはこの時思った。

この人いい人っぽいと。


・いえいえ、どういたしまして。

ご無事で何よりです。


布団で顔を半分隠しながら話すリーシュさん。

やべぇ、可愛い。


・失礼します。


兵士っぽい服装の人が入ってきた。


・リーシュ隊長、ギルドから報告です。

オーク軍がトリナ村に侵攻中との事です。

至急部隊を派遣して欲しいと連絡が入りました。


・わかりました。

先ずは1班にギルド員と共に村に先行しなさい。

2班は魔力回復薬を持ち、

白堊門(はくあもん)で待機。

進行中と言うのであれば時間との勝負です。

急ぎなさい。


さっきのリーシュさんと違ってとても頼りになる。と言うか凛々しい。

何だか眩しいよ。


・了解しました。


ビシッと敬礼?の後、素早く走り去る兵士さん。

カッコいいな。


・リーシュ、まだ回復魔法を使ったばかりで魔力が回復して無いんだから無理しちゃダメよ?


・ありがとうネネさん。

でも私も部隊を預かる身だから頑張らないと。

宿舎まで行けば魔力回復薬があるから。


・あの薬はあくまでも魔力を底上げする物で回復させる物じゃ無いのよ。

だから余り飲み過ぎちゃダメよ?

反動で苦しむ事になるからね。


・解ってる。


回復薬となんぞや?っと突っ込みたい所だが、まだまだ知識が無いから何とも言えない。

とは言え、魔力ってMPの事だよな?

癒しの波動で何とかなったりしないかな。

ん〜どうなんだろう?


・では私は行きます。

ネネさんこちらの方を宜しくお願いします。


・解ったわ。

気をつけてね。


・あ、ちょっと待って下さい。


二人がこちらを見て止まる。

わぁ、何だか照れるな。

っと、そんな事思ってる場合じゃ無いや


・えっと、魔力って精神力の事ですかね?

俺、魔法で精神力を回復させる事が出来るのですが、宜しかったらやってみましょうか?


・精神力?

よく解らないけど、他人の魔力を回復させることが出来るの?

聞いた事ないわよ?

貴方、高レベルの冒険者か何か?


・いえ、、、

まだギルドにも入ってないひよっこですね。


・怪しい・・。


うぅ、ネネさんに怪しいと思われてるぞ。


・お願いします。


・ちょっと、リーシュ!


・今は魔力が少しでも回復して欲しい。

何よりその方が嘘を言ってるとは思えません。

何も起きないならそれで良い。

もし本当に回復するのなら・・


・でも、聞いたことないわ。

魔力を回復だなんて。


・お願いします。


何だか凄く重大な任を請け負ってしまった感じがする。

精神力が魔力と関係なかったらどうしよう。

ここまで来て出来ませんとは言えないし。

まあ、やってみるか。


・では、

癒しの波動。


ああ、心がホッコリする。


・な、何これ凄く暖かい。


・はぅぁ、


あれ?ネネさんにも掛かってないか?

この魔法って範囲魔法なんだな。

そしてリーシュさんの反応がちょっと危ない感じだったな。


・凄い、本当に魔力が回復しているみたい。


・あぁ、全身がポカポカします。


お、よかった。魔力って精神力と同じっぽい。


・貴方、何者なの?

魔力を回復出来るなんて凄い事よ?

それに、二人に魔法を掛けたのに貴方の魔力は減って無い感じがするわ。


・あ、その、俺はですね、

ちょっと記憶の怪しいひよっこです。


実際には三人に掛かってますけどね。

精神力回復は自分にも掛かるみたいだから使い放題なのかも。

自動回復も有るしね。

この反応だと黙っておいた方が良いかな。

下手に発言するのが怖い。


・ますます怪しい。


うぅ、どんどん怪しい人物になって行く。


・あの、お願いがあります。

今から行く所に一緒に来て頂けませんか?


へっ?


・ちょっとリーシュ。

こんな怪しい奴を連れてってどうするの?

それに勝手に軍事に引き込んじゃダメでしょ?


怪しくないですよ。

俺は怪しくないですよ〜


・軍部には私が話をつける。

この方の魔法の力が有れば、前線の兵士の生存率が跳ね上がるはずだわ。


ちょっと、リーシュさん?


・ダメよ、そんな事許されない。

それに素性も解らない奴を貴方と二人になんてさせれないわ。


・大丈夫よ、部隊員と一緒だから。

お願いします。

私と一緒に来てください。


・お願いされると弱いと言うか、行くのは良いんですが、俺なんかが行って大丈夫なんですか?


・貴方の魔力回復の力が必要なんです。

お願いします。


うぅ、ここまで押されると断りにくい。


・わかりました。

どこまで出来るか解らないけどお供いたします。


流れで戦いの場に連れて行かれる事になってしまった。まあ、何もする事決まって無かったし、流れに身を任せてみるのも良いか。

展開が目まぐるしく変わるけど余り動揺しないのは順応力のおかげかしら?


・では、ついてきて下さい。


・はい、わかりました。

では、ネネさん色々ありがとうございました。


・貴方も怪我明けなんだから無理しない様にね。

あの子のこと宜しくね。

ちょっと強引な所もあるけど良い子なの。


・出来る限りリーシュさんの力になって来ます!


リーシュの後ろを着いて走り出した。

そんな背中を見ながらネネが呟く。


・リーシュ、それに名前も知らない貴方。

どうかご無事で。


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