表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

戦神

「おはようございます、時間通りですね」

俺は朝から受付のお姉さんと話していた。というのも、昨日色々とやらかして呼び出されていたのだ。

「おはようございます。…あの、蓮はどこに行ったか知りませんか?」

「あの人は朝早くからクエストに行きましたよ、何のクエストを受けたのかは知りませんが」

「またあいつは………何しに行ったんだ」

「では行きましょうか」

「え?行くって何処に」

「街です。歓楽街に行きましょう」




というわけでよくわからないまま歓楽街へやって来た。

「あの、何でこんな所に?」

「ハルトさんは芸人としての能力が飛び抜けて高いです。その能力を活かすためにここへ来ました。ここには酒場が沢山あり、そして酒場には投げ銭目当ての芸人が沢山集まって芸をしています」

確かに、周りは飲食店が立ち並んでおり、かなり賑やかだ。

「なので、ハルトさんには今日はそれを見学して、全て覚えてもらいます」

「は!?いやいや無理ですよ!!俺、芸とかした事ありませんよ!?」

「ハルトさんに経験が無くともスキルがあります。例えば超一流の手品を見たとして、タネを知らなくても直感でタネがわかるでしょうし、手癖だけでジャグリングもできるでしょう。今のハルトさんはそれだけの凄腕芸人なんです」

「えぇ………ちょっと実感湧かないなぁ」

「そうですか?では、手っ取り早く証明してみせましょう」

「へ?」

受付のお姉さんは右手の人差し指をピンと立てて見せて、早口で

「今から私はハルトさんに攻撃します。どんな手を使ってもいいのでそれを防いでください」

と言った。

俺が返答するよりも前に、受付のお姉さんは反対の手から目にも止まらない速さでナイフを取り出し、


それを俺に突き刺した。


俺は慌てて何かしようとしたが、慌てすぎてナイフを避けようとしたのか、受け止めようとしたのかすらわからない意味不明な動きをして結局何も出来ずに刺された。我ながら滑稽だ。

周囲が騒つき、所々から悲鳴が聞こえる。刺された所から血が溢れ、血溜まりを作る。

だが、俺はその事象に幾つかの違和感を覚えた。

まず、血の量が少ない。地面に溢れた血はコップ一杯の水をぶちまけた程しか無い。それに、出血も止まっている。

さらに、ナイフが極端に損傷している。受付のお姉さんの持っているナイフは、どういうわけか根本から折れており、その刃もぼろぼろに欠けている。

何より、痛みがない。全く無い。感覚が消えたわけでもないのに痛いと感じない。

受付のお姉さんがぼろぼろになったナイフを引き抜き、そのぼろぼろになった刀身を見て顔をしかめる。

俺が自分の腹部を触ると、傷どころか服すら破れていない事に気付いた。

「お、おい!今のは何だ!?」

「刺されたように見えたけど、何で生きてるの!?どうやったの!?」

俺が無事だとわかった途端周りから質問が投げかけられる。

「彼は王都で有名な芸人です。今日来たばかりですので、まずは皆さんに彼のことを知ってもらう為にここで即興でみなさんの目に止まる手品をしてもらいました。驚かせた事は謝罪します。この手品を楽しんでくれた方、拍手をお願いします」

受付のお姉さんがそう言うと、周囲が拍手で溢れて、大量の貨幣が投げ込まれた。

俺が呆気に取られている間に受付のお姉さんは地面に落ちた貨幣をさっさと拾い、俺に耳打ちする。

「騒ぎが大きくなる前に早々に退散しましょう」

そう言うと受付のお姉さんは俺の手を取って人混みを掻き分けて行った。




「ここまでくれば問題はないでしょう」

受付のお姉さんは裏路地まで俺を連れてきて少し息切れつつもそう言った。

「死ぬかと思ったんですが!?」

「死ななかったでしょう?」

「まぁそうですけど!!そうじゃないんですよ!!」

「ともかく、先程ハルトさんが行ったのは不死身の手品です。その名の通り切っても突いても死なない手品。私はバク転か瞬間移動の手品が来ると思ったんですが、曲芸EXを甘く見ていたようです。不死身の手品ができる人なんて見た事ありません」

「えっと、でも俺そんな事した覚えないんですが…」

「覚えが無くて当たり前です。晴人さんは、先程の手品を殆ど無意識で行ったんですから。ハルトさんに経験が無くとも体が覚えてるんですよ」

「…わかりました、信用します」

「そうですか。では酒場に行きましょう。ハルトさんならどんな芸でもできるはずです」

「あの………」

「何ですか」

「いや、名前聞いてなかったなって。受付さんの事なんて呼べばいいですか?」

「…ルアンです。そのまま名前で呼んで構いません」

「わかりました」




その後俺とルアンさんは沢山の酒場に行って芸を見てまわり、経験を積んで冒険者ギルドに帰る為に歩いていた。

「今日はありがとうございました、色々勉強になりました」

「私はただ酒場には連れて行っただけですよ。それに………」

「何ですか?」

「いえ、何でもありません」

「え、ちょっと!気になるじゃないですか!そこで止められたら!教えてくださいよ!」

「…そうですね、不死身の手品で稼いだ投げ銭このまま持ち逃げしていいなら教えます」

「ぐっ………うぅ………7割で妥協してくれませんか!?」

「わかりました」

ルアンさんは貨幣の入った小袋を俺に手渡す。

「325ユラ、しっかり渡しました」

「どうも…で、何だったんですか?」

「私が仕事サボるのに都合が良いと思ったから適当に理由つけて付き合わせただけですよ」

「え、えぇ………いいんですかそれ」

「一応仕事してる事になってますしいいんです。それより、周りが騒がしいですね」

そう言われて周囲を見回すと、確かに周囲が騒ついている。それに、人々が冒険者ギルドのある方向に行っているようだ。

そんな中、冒険者らしき格好の男性がこちらに走ってきた。

「あぁ、やっと見つけた!!受付さん、こっち!!こっちに来てくれ!!大変なんだ!!」

「落ち着いてください、何があったか言わないと何が大変なのかわかりませんよ」

「すまない、でも本当に大変で………とにかく来てくれ!見ればわかる!」

「はいはい…すいませんハルトさん、ちょっと走りましょう」




冒険者ギルドの前に付くと、すぐ騒動の原因はわかった。

ギルドの前に、建物より大きな熊か何かの死骸が横たわっている。…そして、そのすぐ近くに蓮がいた。

「あ、晴人だ。おーい」

当の本人は呑気にこっちを呼んでくる。

「ルアンさん、あれ何ですか?」

「一部の魔物は、その死骸が様々な事に活用できたりします。そういったものは一度ギルドに持って来て売却するのが普通なんですが………」

「じゃあ、その話を聞いた蓮はあの魔物を倒してここまで運んで来たって事ですか」

「そういう事になりますね」

ルアンさんが蓮に近づいていく。

「レンさん。これから何回も言うであろう事をあらかじめ言っておきます」

「え?はい」

「この馬鹿野郎。仕事が増えるじゃないですかどうしてくれるんです?前も言ったでしょう軽率な行動は控えてください」

「はーい」

「これ、マウンテンベアーですよね?特別指定モンスターって書いてあった貼り紙を読まなかったんですか?」

「いえ、読みました」

「じゃあ何で挑んだんですか?」

「いや、いけるかなーって」

「…これ以上聞かないことにします。貴方を殴りそうになる」

殺意の籠もった声でルアンさんはそう告げる。冗談に聞こえない。怖い。

「おい、冗談だろ!?マウンテンベアーは国の精鋭部隊でも一撃で返り討ちにされた化け物だぞ!?そんな化け物をどうやって…」

一人の冒険者が声をあげる。それに反応するように周りもそうだそうだとうなずくが、それに対して蓮は極めて自然に、

「え?あいつそんな強かったか?確かに馬鹿みたいに火力高かったけど攻撃パターンが単調だったから一撃も喰らわなかったけど」

「そ、そんな事が………いや、そうだとしても奴は毛皮が厚すぎて剣で斬りつけても1ダメージしか与えられないはずだ!その毛皮をどうやって…」

「元から素手縛りで戦ってるんだし、普段から与えるダメージ2とかだよ。あんなのただの動くサンドバッグだ」

「じ、じゃああんたは、あの化け物の攻撃を全て避けて殴り倒したってことか!?冗談だろ!?」

「冗談と言われても、結果はそこに転がってるよ」

ますます周囲がざわつく。

「とりあえず、来てくださいレンさん。色々とお話しする事があります」

「えぇ〜………」

「文句を言いたいのはこっちです。運悪く貴方の担当になってしまったばかりにこんな面倒な事になるなんて思ってませんでした」

そこまで言うとルアンさんは不意に振り返ってこちらを見る。

「あ、ハルトさん。もう帰っていいですよ、お疲れ様でした。それと、ご友人深夜まで帰しませんのでそのつもりで」

「あ、わかりました」

「ちょっと、今なんかとんでもない事言いませんでした!?晴人も止めろよ!」

「自業自得って奴だ、存分に苦しめ」

「俺が何をしたよ!?」

「胸に手を当てて聞いてみな、じゃあ俺は先に宿に行っとくから」

「お、おい待ってくれ!!俺を見捨てないでくれぇぇぇ!!」




翌日。

俺はとりあえず冒険者ギルドに行こうと街を歩いていると、不意に声をかけられた。

「そこのお兄さん、ちょっとお待ちを」

声のした方向を向くと、赤髪の女性が大量の品物を並べて立っていた。

「露店ってやつですか」

「そういう事。お兄さん職業は?」

「一応冒険者ですけど本業は芸人で………」

そこまで言って、俺はある事に気づいた。

目の前の女性の、耳が長い。

つまりは………

「あ、この耳がそんなに気になりますか?」

「え、あ、すいません。ジロジロ見て」

「いえいえ、慣れてますので。お兄さんエルフを見るのは初めて?」

「はい」

「へぇ、そうなんですか。ここセプトはエルフの里が近いですから探せばわりと居ると思いますよ」

「あ、そうなんですね」

「それより、何か買っていってくれません?大体色々ありますよ、お兄さんに役立つ芸人の道具もありますから」

「うーん…あ、これ何ですか?」

「あ、それは手品とかの演出に使う小道具ですね。爆竹とか紙吹雪とか煙玉とか…買って行きます?」

「いくらですか?」

「860ユラです」

「買います、はいこれ」

「まいど………って、幾らか過剰なように見えるんですが」

「俺、田舎出てきたばっかりで世の中の事あまり知らないんです。引き篭もって生きてきたんで。だから、教えてくれませんか?この世界の事」

「あぁ、そんな事か。いいですよ。貰った金額分お話ししましょう」




俺はエルフにいくつかのこの世界の事を教えてもらった。

まず、俺がいるこの街はセプトといって、近くにあるファリアスの大森林に生息している魔物の素材で他の国と交易しているそれなりに栄えた街らしい。

ちなみに、ファリアスの大森林というのは、この世界に文明が出来る前からある森で、多くの魔物が生息して中心には誰も辿り着いた事がない秘境らしい。そんな森なので、どの国の領土にも入っていないイレギュラーな場所だそうだ。

また、この世界にはかなり沢山の種族がいるそうで、互いにいがみあって世界中で戦争が起こっていた。が、12年前ぱったりとそれが終わり、今は平和に暮らしているらしい。

「そうそう、最近、ワタリビトって種族が発見されたそうですよ」

「ワタリビト?なんですそれ」

「異世界から来た種族らしいですよ。人間族ヒュームに似てるらしいですけど、決まって何かしらの能力がずば抜けて高いらしくて、発見されてなかっただけで歴史上の有名人物の一部もワタリビトだったんじゃないかとか言われてるそうです。後、異世界の種族だから世間知らずが多いんですって」

多分俺と蓮のような境遇の人の事だろう。

「………?どうしたんです突然黙りこんで」

「あ、いやすいません。ちょっとボーっとしてまして」

「そうなんです?なら、これなんてどうですか?疲労回復と精神鎮静の効果がある香草です」

「い、いやいいです。ありがとう」

そうこうしているうちに、突然空が真っ黒に染まる。

比喩でも何でもなく、黒に染まったのだ。雷が鳴り、風も突然強くなる。

「あぁ、これはまずいですよお兄さん、早く逃げましょう!」

「え、一体何が起こってるんです?」

「今はそんな事話してる時間は…!あぁいや、申し訳ない、情報を買ってもらっていた事を忘れていました。これが最後の情報です。今起こっているのは、ファリアスの大森林に住むブラッドドラゴンが攻撃的になっている時に起こる天候の変化です。ブラッドドラゴンっていうのは、EXオーバー級のモンスターで、言うなれば天災です」

生唾を飲み込む。

「そんなにヤバいんですか」

「ヤバいも何も、あれが動き出した以上、この街も2時間もすれば更地になりますよ。私は逃げますが、お兄さんも早く逃げた方がいいですよ!」

そう言ってエルフは荷物をさっさと纏めて走り去った。

街も、多くの人が大荷物を抱えて走って行き大混乱になっている。その光景が今からこの街が消えるという事実に現実味を持たせていた。

胸騒ぎがする。なんというか、嫌な予感がする。

俺は朝から蓮の姿を見ていない。俺が起きた時蓮は隣の部屋で熟睡していた。

そして、今は昼前だ。蓮が起きて、森に行くくらいの時間は経っている。ブラッドドラゴンとかいう怪物に喧嘩を売る馬鹿は俺の知る限り一人しかいない。

だがそんな馬鹿でも俺の数少ない友人の一人だ。ここで自分だけ逃げたら寝覚めが悪いだろう。

俺は、森へと走り出した。




息切れしながらも俺は森の中を走っていた。魔物は俺に見向きもせず森の外へと逃げ去っていく。

あちらこちらで黒い炎が燃え視界の悪い中、なんとか俺はその場所に辿り着いた。

広い岩場で、巨大な黒いドラゴンと蓮が戦っていた。

俺は戦闘の轟音にかき消されないように大声をあげる。

「おい蓮!!何してんだ馬鹿野郎!!さっさと逃げるぞ!!」

「ん?おう晴人。来たのか」

蓮は俺の方を見て気さくにそう言いつつひらひらと手を振った。その呑気さにブチギレつつも叫ぶ。

「このままだとあと2時間で周辺の地形諸共お前も吹っ飛ぶぞ!!死にたくなかったら早く来い!!」

「え?時間制限とかあんの?聞いてないんだけど」

「そんな事一言も言ってねーよこの腐れゲーム脳!!」

「えーでも素手縛りだとどうしても時間かかるしなぁ」

「だからそのゲーム脳を改めろ!!ってお前そんな事話してる場合じゃないだろ後ろ見ろ後ろー!!」

俺と話してる間に蓮にドラゴンの鉤爪が振り下ろされる。が、

「よっと」

蓮は、それを裏拳で払い除けた。

信じられない光景だった。山のような巨体を持つドラゴンの鉤爪がいとも簡単に軌道を変えられたのだ。物理法則を無視したその動きに俺の脳はついて行けず思考が一瞬停止した。

攻撃が外れた事でドラゴンは体勢を崩す。その隙に、蓮はドラゴンを殴り飛ばした。

そう。殴る、ではなく殴り飛ばしたのだ。ドラゴンの巨体はいとも簡単に吹っ飛び、何本も木々を薙ぎ倒した後大きな岩に激突してその岩も粉々に砕いてようやく停止した。

「…で、何の話だっけ?」

「お前いつの間になろう方向にシフトしたの!?素手であれ殴り飛ばすってどういう事だよ!?お前今レベルいくつだよステータスカード見せろ!!」

「え、宿屋に置いてきたけど」

「置いてくんなよ!!あれ身分証だぞ!!ゲームでは入念に準備すんのにそこリアルを疎かにしちゃ駄目だろ!!」

「まぁまぁ、細かい事は気にすんなって」

「気にするわ!!」

そうこうしているうちにドラゴンが起き上がり、その真っ黒な翼を広げて飛翔する。こちらを爛々と光る金色の目で見つめ、咆哮をあげる。こちらにまで風圧がくるほどの強烈な勢いだ。

「おいどうすんだよ!!あいつ怒ってるよ!!」

「まぁまぁ、落ち着けって」

「お前はもっと慌てろ!!騒げ!!恐怖しろ!!」

「俺に対してまだ一撃もいれられてない相手に恐怖を抱けと言われてもなぁ」

「またかよこのなろう系主人公が!!」

「とにかく、あいつをさっさと殺せばいいんだろ?」

「そうだけどそうじゃねえよ!何だよお前強くなりすぎだよ自重しろ!」

「てってれー、『グングニル(仮)』ー!」

そんな馬鹿な事を言いながら蓮は白く輝く槍を作り出した。

馬鹿な台詞に似合わず、それは蓮が手に取った瞬間暴風を放ち、力を増していった。間違いなく強力な物だろう。特別な力などない俺にも、それがどれほどの物かわかる程に。

「何だそれ!?どっから取り出した!?」

「作った。なんか作れるっぽいスキル手に入れたから」

「槍だよなそれ!?お前武器使えないんじゃ無かったか!?」

「やー、まぁそうだけどさ、武器としては使わないから大丈夫。ぶん投げるから」

ドラゴンも槍の力を感じ取ったのか、口からレーザーを俺達に向かって撃ってきた。

凄まじい速度で飛んでくるそれを避けられないと俺は直感で感じとり、思わず目を瞑る。

…だが、レーザーが俺に当たる事はなかった。恐る恐る目を開けると、上空でレーザーの熱に身を焼かれ苦しむドラゴンの姿があった。

「…お前、今何した?」

「はじき返した」

「はじき返した!?人間技じゃねーぞそれ!!」お前ほんと何なの頭痛くなってくるんだけど!!」

「まぁまぁ、今あいつ仕留めるから勘弁してくれ」

そう言うと、蓮はグングニル(仮)をドラゴンに向けて、衝撃波で俺が吹っ飛ぶほどの勢いで投擲した。

「ごふぁ!!」

俺は木に激突して激しく咳き込む。どうやらHPが少し削れたらしく、激しい脱力感に襲われる。

上空を見ると、ドラゴンが槍を止めようとレーザーで応戦していた。だが、グングニル(仮)の勢いが勝っているらしく、徐々に押し返されていき、ドラゴンからは焦りが感じられる。

気の毒に。こんなクソなろう野郎に喧嘩売られてしまったばかりにこんな事になるとは、ドラゴンも想像していなかっただろう。

とうとうグングニル(仮)はレーザーを押し返して、ドラゴンの顎を無惨に吹っ飛ばした。頭の無くなったドラゴンの体が地面に落ち、地面が揺れる。

ドラゴンが死んだ事で、天候が元に戻り青空が広がる。そんな清々しい青空の下で清々しいまでの馬鹿は、ドラゴンの骸を眺めながら

「うーん、ちょっと威力高すぎるし縛りにならないな、グングニル(仮)の使用は控えるとするか」

と言った。

さよならドラゴン、蓮の代わりに俺が君の勇姿を覚えておくよ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ