婚活で知り合ったこの男は結婚詐欺だった!
私の名前は、『早乙女 小枝子』46歳独身、未婚、彼氏いない歴10年以上。
仕事がデキる女を目指して、ひたすら若い時から頑張ってきたわ!
キャリアも積み、部下も若い男性ばかりを任せられて育てる事にも積極的に
取り組んできたのよ。
男勝りの私は、私よりも上の男性社員からは、嫌がられる存在だったみたい。
『___おい! 見たか? 早乙女、またあんな若い男性社員を仕事帰りに
飲みに誘って連れて行くらしいぞ! ひょっとして、アイツの目当ては...?
若い男を彼氏にする事なのか?』
『___まあ~仕事がデキる女っていうのは? 扱いにくよな~!』
『___あぁ、優柔聞かないしな!』
___ありもしない話を、わざと私達に聞こえるように話しているのが見て
分かったわ!
・・・私の部下の、若い男性社員の子達も。
私の事をよく理解してくれているから、こう言ってくれたの!
『___早乙女さん! あんなの気にしなくていいですよ!』
『___俺達は、みんな早乙女さんの事! 信じてますから!』
『・・・あ、ありがとう。』
『___たまには、僕たちの事、頼ってくれてもいいんですよ~!』
『___もぉ~木野君って? そんな事、言う子だっけ?』
『___ぼく達だって! 早乙女さんに何かあったら? 力になりたい
んですよ! たまには、弱音吐いてくださいね!』
『・・・う、うん。』
『___えぇ!? ひょっとしてちょっと、感動してウルッとしました?』
『___もぉ~いい話が、台無しじゃなーい!』
皆で、【アハハハハハ~~~~】
▽
___私は、人には恵まれていると思っているわ!
こんなにいい子達の上司なんだもの!
みんな20代から30代後半で、素直だし! 相手の事を想いやれる
優しい子達ばかりなのよ!
仕事も、教えがいがあるし! 若いからなのか、、、?
覚えるのも早いしね!
【・・・私にとってこの子達は、私の子供のように感じているわ!】
___決して! “恋愛対象”として見てないのよ!
・・・だけど?
私も、気が付けば、、、。
46歳、未婚で独身! 10年以上も彼氏を作ってないわ!
・・・・・・もう、恋愛の仕方なんか忘れちゃったわよ。
▼
___そんな時に、珍しい友達から私の携帯に電話があったの!
『___もしもし? 小枝子、久しぶり~携帯の番号変わってなかったのね?』
『___えぇ!? 美夏なの? 久しぶりねぇ~どうしたのよ~』
『___噂でね! 小枝子がまだ独身だって聞いたから! いい話があるから
教えてあげようと思って電話したのよ!』
『___えぇ!? “いい話って?”何よ!』
『___【婚活アプリ】に登録してみたら?』
『・・・婚活アプリ? 大丈夫なの? それ?』
『___勿論大丈夫よ! わたしの知り合いが作ったアプリだし! 信頼出来
るモノよ! どう? 少し考えてみて!』
『・・・う、うん。』
『___じゃあ、アプリの名前は“赤い糸マッチングアプリ”よ! じゃあね!』
『・・・ううん。』
___私は、久しぶりに電話がかかってきた友達から【赤い糸マッチングアプリ】
を教えてもらったわ!
・・・正直、こういうのは、、、?
信じてないというか?
詐欺師が多いし! どうせ、上手くいかないと思っていたの!
・・・だけど?
その日は、仕事で嫌な事があってお酒を普段よりも飲んで酔って家に帰って来た
のよ! 一人暮らしの家に帰って来て虚しくなった私...。
電気も真っ暗で、誰も疲れて帰ってきた私に“ただいま”も言ってくれない。
急に、寂しくなった私は、信じてもなかったあのアプリを開いたの!
・・・そして、私は一人の男性とこのアプリで知り合う事になったわ!
初めは、警戒心もあった私が、徐々に彼の優しさに心を開いていったのよ!
恋愛の仕方すら、忘れていた私を優しく彼がエスコートしてくれたわ!
凄く! 新鮮で私の心はトキメイていたのよ!
___私は、彼に夢中になったのよ!
▽
___彼の名前は、『佐川 祥吾』42歳でバツイチ前の奥さんとの間に
一人娘がいるのだけど? 奥さんの方が娘さんを引き取っていて月に1度!
佐川さんと娘さんが会える日らしいの! 佐川さんも前の奥さんと離婚して
5年! もうそろそろ、再婚を考えていたらしいわ!
彼の優しくて紳士的な接し方に私は心惹かれたのよ!
日本の男性には珍しく、レディファーストで常に女性を優先に考えてくれる
男性なのよ!
*
___私と彼との関係が半年ほど経った頃。
彼から、いきなりプロポーズされたの!
ステキなレストランに行った後に、車の中で指輪を渡され。
『___小枝子! 僕と結婚してくれないか?』ってね!
___私は、物凄く嬉しかったけど、そこは大人の女性だし!
グッとこらえて、ゆっくりと彼に返事したわ!
『___えぇ! 私で良ければ! 結婚してください!』
・・・これで! 何もかも上手くいくはずだったのに、、、。
彼は、私にプロポーズしてから、、、数日後。
___急に、こんな話をしてきたのよ!
『___小枝子、済まない! 実は? 僕の会社が今、上手くいかなくなってて!
結婚の話なんだけど...? もう少し、先に延ばしていいかな?』
『・・・どうしたのよ? 何かあったの?』
『___取引先と上手くいかなくなって、僕の会社は借金をする事になったんだ!
その工面に、いろいろ当たらないと...?』
『・・・祥吾、借金って? 幾らいるの?』
『___500万円かな? 取りあえずそれだけあったら? なんとかなると思う
んだ! そのお金さえあれば! ウチの会社は持ち直す事が出来るんだが、』
『___分かったわ! 私でよければ! 祥吾の力になるわ!』
『___えぇ!? 出してくれるのかい?』
『___うん! 今までずっと貯金もしてきたし! 500万円ぐらいなら
出せるわよ!』
『___ありがとう、小枝子! 僕は君を選んで良かったよ!』
『___祥吾!』
『___本当に、ありがとうな小枝子!』
『・・・うん!』
___私は、彼の役に立てた事が嬉しかったの!
彼の力になれた事が、何よりも一番うれしかった。
彼の喜ぶ顔が見たくって! 私はそれから何かあるたびに、、、。
彼にお金を渡したわ!
・・・気が付けば?
私のコツコツ溜めていた1億円の貯金も底をついていたのよ!
【お金の切れ目は、縁の切れ目。】
・・・私にお金がないと分かった彼は、突然! 私の前から消えてしまったわ!
___私は、こうして! 彼に騙されていたと後で気づいたのよ!
だからね? 婚活アプリには、気をつけて!
・・・私みたいにならない為にも。
最後までお読みいただきありがとうございます。