表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/13

事故女神

新連載スタートです。

頑張りますのでよろしくお願い致します。


交通事故だった。

俺は夜の会社帰りに、車に跳ねられて死亡。

最後の記憶は、運転手と目が合ったところまで。相手の慌てている様子が鮮明に思い出せる。きっとハンドルをきって、ブレーキを必死にかけていたに違いない。痛みは無い、恨みもさして無いかな。ぶっちゃけ、明日から学校に行かなくても良いのかーなどと楽観視してもいる。


さて、俺が死んだと言うのならば、ここはどこだろうか?

天国か、地獄か、はたまたそこに至る前の三途の川みたいなものだろうか。視界は真っ白だ。世界が白いのか、はたまた視力を失っているのかも分からない。手足の感覚も無い。意識を向けると、まるで顔を動かしたように視界が移動する。けれども、何かが見える事も無かった。


ふいに、白い世界の一点がぼやけていく。渦のようなものが見える。それは見る見るうちに形を変えて収束し、やがては人の形になった。10歳くらいの少女だろうか。幼さと美しさを併せ持つ少女。その外国人のような日本人離れした容姿は、女神のようにも思えた。


「やっほー!」


神々しい登場が台無しになる明るい第一声。拍子抜けもいいところ。女神だと思ったのは、気のせいだったようだ。


「むむむ、失礼な。わたしは本物の神様なんだけど!」


「あ、えーっと、それは失礼……って、あれ?」


心の中で思った事に反応してきたのか。だとすると、本当に神様かなにかなのか。


「だから、そうだってば。」


頰を膨らませて怒る女神は年相応で、そこらの子供にしか見えなかった。しかし、この可愛らしい少女が神様だと言うのなら、いったいどんな要件で今ここにいるのだろうか。俺が死んだので、あの世的な場所へ連れて行こうとでも言うのだろうか。


「そこらの子供って、失礼すぎるから! まあ、可愛らしいって感じているなら許してあげる。」


ころころと忙しく表情を変える女神が言葉を区切り、ぴっと人差し指を立てる。


「それで、もちろん、あなたに用事があるのよ。なかなか察しが良くて助かるわ。」


なんだろうか、嫌な予感がする……。


「嫌な予感だなんて、とんでもない! あなたにチャンスをあげようって話よ。」


えっ、それは生き返ったりとか、そう言う……!?


「敵討ちのチャンスよ!」


「はい!?!?」


ドヤ顔の神さまは、最高のドヤ顔でそう言った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ