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転生少女はスローライフを送りたい  作者: ハルセキライカ
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目標

約3日、僕は図書館に引きこもった。

幸いなことにこの図書館、締切がなくずっと中に居ることができた。

欲しい情報もほとんど集まり最後にこの絵本を残すのみ。

さっきまでこんな辞書以上に厚い本を読んでたのに急に絵本を読むのは流石に順番間違えたなこれ…


「まぁ、この絵本はこの国に残る伝説を書いてるようですし一応欲しい情報なので読んでおきますか。」


随分と日焼けしたその本を開いてみる。


「…この始まり方はどの世界でも共通なんですね。」


そう、絵本をではありがちな始まり方をする。



むかしむかし、この大きな世界に張り巡らされた大きな魔力の流れ《地脈》を常に平静の状態に保つ


《碧眼の龍》が、


地脈を扱い夜を操り、人間の血を糧とし生きていく


《黒夜の吸血鬼》が居ました。


二人は地脈を扱える力、《調律》・《逆調律》の力を持っていました。


ある時吸血鬼は人間に広がりすぎた地脈を止める代わりに一人の生贄を貰うという契約を交わしました。


そして、広がりすぎた地脈に対し逆調律を施したと同時に龍が現れました。


鱗は翡翠、碧眼を持った大きな龍が。


龍は一度地面に降り立つと徐々に人の姿になり地脈を調律し始めました。


吸血鬼は驚きました。自分とは対になる力を持つものが存在するものが居るのは知らなかったからです。


そして同時に、恋をしました。吸血鬼自身もなぜ恋の衝動に駆られたのかは分かりません。


自分とは真逆の性質を持つその力に憧れたのか。


この龍の調律中のその姿にもしかしたら嫉妬を抱いてたのかもしれません。


この吸血鬼は…


「ん?あれ?ここのページ破れてる。」


一番重要でしょと思った部分が破れてしまっている…

仕方ないので最後のページと思われる場所を読むことにした。


この吸血鬼と龍の間に、子供。


血の契約を交わし、本来異なる種族同士できないはずの子供を授かり、ともに旅をしながら暮らしていったと言われています。


その子は龍と吸血鬼と同じ翡翠の目を持ち、吸血鬼のような白い肌、龍の力をを持っているそうな。


「…!」


最後のページを読んだ後、僕は勢いよく立ち上がり、内容を二度確認した。

翡翠の目、あの逸脱した身体能力…まさか……


「僕はこの絵本に書いてある子供なんですか…?」


まだ確定したわけではない。とりあえずこのことだけは深く頭に残しておこう。


「ま、まぁ、情報は集まりました…というか流石に三日間お風呂も入ってないのは不潔ですね。今更お風呂に入るのもめんどくさいので魔法を使ってみましょう。」


本にこの世界の聖職者が扱う自己浄化魔法があったはず。

本来は呪いを解く際の儀式用の呪文なのだがどうやらこの体の魔法扱うための力の魔力が凄まじい量らしく、情報を集めながら魔法の練習をしていても全く尽きる気配がない。


「えっと、結構簡単だったはず。」


ゆっくりと目を閉じ、体全体で感じる魔力の波を統一させていく。

そして、光と水を意識しながら魔力に命令する。


「パージ」


一瞬自分に冷たい風が吹いたかと思ったら服や本についていた汚れが落ち、文字通り浄化された。

…便利ですね、魔法って。元の世界にもあったら良かったのに。

集めた情報によると魔法はどうやら2つの方法で扱えるらしく、

一つはさっきの呪文。これは《アカシックレコード》という素質というか何というかよくわからないものを持っている者でないと使えないらしい。

二つ目に術式。呪文より複雑で大規模なものに向いているこれはアカシックレコードがなくても扱える。

まぁ、何やら複雑すぎるので呪文だけ使っていけばなんとかなるでしょう。

呪文だと想像してそれらしいこと言えばある程度のことはできるし。


そして、この世界でやりたいことが決まった。


「前世では苦労したし、もう懲り懲りなのでスローライフ送ることにしましょう。」


自分のやりたいことだけをやり、ゆっくりだらだらと過ごしていく。なんて素晴らしい。

まだ魔法の検証は終わってないので宿に戻ってふかふかの愛おしいベッドで寝てから、調べようっと。


そうやって鼻歌を歌いながら図書館を出たのであった。

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