客人
「き、キス…ですか」
「何迷っておる。接吻位出来るじゃろう。」
無事王国の兵士を撹乱し、シオンさんの家に戻れたはいいが…
どうやら体を貸すのは簡単だが戻るのは…特殊な装備がない限りキスを行わなければいけないらしく、今この状況である。
目の前に横たわっているレリィさんに…なにか恥ずかしい。
「…ん」
そんな恥ずかしさをふっ払い僕はレリィさんに口づけをする。
不意に甘い感覚が流れ込んでくる…いや僕から流れてる気がする。
恐らくレリィさんの魔力が流れ込んでいるのだろう。
「むぐっ!?」
唐突に舌が口に入ってくる。
反射的に彼女を突き飛ばしてしまい、反動で自分も後ろに転がってしまう。
急にディープはアウトでしょ…っ!
「アイタタタ…うーむ、やはりおぬしにこれは少し刺激が強かったかの?」
テヘペロという擬音語が見えそうな顔で彼女は笑う。
本当に読めない人だ。いろんな意味で。
「少し驚いた上に…やりすぎです。」
「顔が赤くなっておるぞ~?」
「あ…う、見ちゃ…や、です…」
いつの間にこんな恥じらいの気持ちが芽生えたのだろう…
これも元の世界の性別とは違うからだろうか。
「というか戻ったなら戻ったと先に言ってください。」
「いやぁ、主の拙いキス、可愛らしかったぞ?」
「ちょっと!何羨ま…じゃなくて私を気絶したまま放っておくのよ!」
バーン!と大きい音をたてながらシオンさんがドアを勢いよく開ける。
…羨ましかったって…
「ほう…?やはりお主も主を狙っているのじゃな?」
「ち、違…っ!って余計なお世話よ!」
「でどうしたんですか?何か少し慌ててるようですが。」
「ラキ!《妖精の血》か魔法を使う余力は残ってる!?」
「え、はい。残ってますが。」
「来て!」
言われるがままに彼女に案内されいつもの何の変哲もない綺麗なリビングへ向かう。
ただひとつ、いつもと違う点を挙げるならそこに力無く横たわっている男性がいたということだ。
「ふむ…傷痕からして《裂傷》系統のエンチャントを施された武器で後ろから切られた。という感じじゃな。」
「呪いですか…」
付呪による傷は《妖精の血》で治療することはできない。
なぜならあれは傷と状態異常を完全回復するだけで解呪の効果はないからだ
なので静かに瀕死の彼に手をかざし、呪文を唱える。
「ヒールコンストラクション…水を統べる女神」
呪文を唱え、詠唱に成功すると淡い青い色の幻想的な光が彼を包み傷を塞ぐ。
「なるほど、回復と解呪を同時に行える神聖魔法か。」
「そうです。前に神官の魔法についての本から覚えました。」
「…こんな感じでいいですかね。これでしばらくの間絶対安静です。」
「はぁ…良かった…」
「ところでその人は何者なんですか?」
「…貴族『クロウレ・カイルア』よ。」
「貴族?」
執筆の時間が作れなくて少し短いです。
次回は長めに執筆させていただきます…




