吸血鬼として
「吸血鬼と龍のハーフ…!?嘘!それってこの国の伝説の…っ!」
やっぱりこういうリアクション取りますよねぇ…
そう、おとぎ話の存在が今ここに居るなんて誰が思おうか。
あ、ちなみに【紅血龍】っていうのは先ほど僕が名づけました。我ながらいいセンス。
「嘘じゃないです。だって、時計塔を逆調律したのは紛れもなく僕ですから。」
「へ?」
そう、あの時逆調律を時計塔ごと行ったのはこの力の原初の所有者である黒夜の吸血鬼の血を引き継いだこの体を持つ僕だ。
今がどれぐらいの時間なのか把握できていないが、恐らくシオンさんも観ていただろう…
「逆調律って…それは吸血鬼じゃないと…あっ吸血鬼の力もあるのだったわ…」
「はい、これで証明できましたよね?」
「え、えぇ…まだ信じられないけどね…」
「いや、まぁ信じられなかったら聞き流してもらっ…ムグッ!」
視界が柔らかいもので塞がれる。口も塞がってるから結構苦しい。
あ、これなにかと思ったらこの人のおっぱいか。
「あぁ…人を抱ける…目も見える…っ!ほんっとにありがとう!ラキ!」
「ひふぇひふぇふぁんふぁふふぉへいふぇふふぉ」
「え、なんて…あ、ごめんなさい!」
「ぷはぁ…大きかった…」
「そこ!?」
何というかその、大きくて柔らかいものでした。
「というか、それは単なるお礼です。僕をあんな体でここまで運んでくれたのですし。」
「いやいやいや!運んだだけでここまでのお礼って!私の方が返しきれないじゃない!?」
「だからお返しも要らない単なるお礼だってい、ふぇ!?」
近くにあったベッドに押し倒される。
なにこの同人誌で見そうな展開は、あ、けど今の僕の体は女の子だから百合同人誌になるか。
そんなどうでもいいことを考えている間であろうと彼女は僕を真剣なまなざしで見つめる。
どうしても余剰分のお返しがしたいようだ。
「……お願い。」
「…はぁ、分かりました。なら一つお願いがあります。」
「何?」
「僕は逆調律を行った影響で魔力が全然ないんです。なので」
「今は吸血鬼の体である僕にあなたの血を貰えませんか?」
「分かったわ。」
そう言って彼女は髪を払って、首筋をあらわにする。
…え?何かの容器に少しだけ血を流してくれたらそれでよかったんだけど…
まさか噛まないといけない感じ…?
「…何してるのよ…吸うなら早くして…恥ずかしいから…」
「あ、すいません…」
改めて首筋を見る…かすかに感じる血の匂い。女性のきれいな白い肌。
やばい…美味しそう…
吸血鬼に体が大きく傾いてるからか美味しそうに本能的に感じてしまう。
僕は鋭くそして今の状況でうずうずしているこの八重歯を彼女の美しい首筋に突き刺す。
「ッ!?ぇ…なに…こ、れぇ…んんっ!」
彼女がなにを言ってるのか理解できない…理性を置き去りに刺したところから溢れる血を啜る。
途端、僕の体が急に熱くなる。なに…これ…ぞくぞくする…っ!
「は…ぁん…!」
思わず女の子の甘い蕩けた声が漏れてしまう。体が火照る。血を喉を鳴らして飲むごとに甘い快感がゆっくり体を舐め回していく。
彼女の血は砂糖のように甘くそして濃く…まるで甘ったるい紅茶を飲んでいるようだった。
体が熱い…病気になったみたいにゾクゾクする…けど…甘い。もっと飲みたい!
「ん…んん…ぢゅる…!」
「あっ!?ひぅ…!も、もう…!」
僕は更に牙を押しつけて溢れる血を貪欲にぢゅるぢゅると下品に音を立てながら啜る。
飲むごとに快感が、そして多幸感が押し寄せる吸血鬼としての吸血に僕は夢中になっていた。
これは…やめられないかも…
「あ…あは…はぅ…」
「あ!吸いすぎた!えっと…精霊さん治してあげてください!」
彼女の僕を抱きしめていた力が極端に弱くなったことが僕の理性を取り戻す。
慌てて魔力を練って呼び出した精霊に癒すように頼む。
一応血液を増やすようにも頼んでおいたので時期に元に戻るはず。
「…吸血ってこんなにも…幸せに感じるんですね…」




