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2・どうやら異世界らしい

 え?二人は本当に撃たれた様に倒れた。何で?


ガザガサ


 また音がしているのでとりあえず、そちらを警戒する。


 何?死体戦?普通はヒットコールをしてその場を離れる。他に復活戦もあってその場で指定の時間留まるとか、メディック戦という味方を呼んで助けてもらうモノもあるが、死体戦をやるのは珍しい。


 混乱していると新たな敵だな。先程と同じ着ぐるみが今度は四人。

めんどくさいのでフルオートで薙いでおく。カチャカチャカチャンガッ。


 弾切れでボルトストップしたので急いでマガジン交換だ。


 ガスガンというのは電動ガンと違ってリアルカウントだ。電動の場合、標準で付いて来るマガジンでも50~80発入るし、連マガならぜんまい式なので数百発のBB弾が入っている。しかし、ガスガンの場合、マガジンの大半がガスタンクになっているので実銃に程度しか弾が入らない。だから、「リアルカウント」と呼ぶ。電動の一部にもそんな機能が付いたものもあるが、それを使うなんてよほどのモノ好きしかいない。89式をはじめとする5.56ミリマガジンは30発。このマガジンは35発だ。


 タンブポーチのマガジンを取り出し、空のマガジンをポーチに放り込んで新たなマガジンを銃に差し、コッキングハンドルを少し引くとロックが解除される。米軍の使うM16系なら銃側面のリリースボタンを押すのだが、89式の場合、実銃ではハンドルを引くのがセオリーらしく。俺はそれを真似ている。


 マガジン交換をしている間に四人は茂みに倒れ込むか隠れたらしい。


「助けて~」


 かなり近くから女性の声がする。味方か?


 様子を見ていると女性が茂みから飛び出してきた。つか、なんだよ、その格好。ゴーグルは?そんな格好じゃあ、アザだらけだろ。

とか思っていると追いかけるようにさっきの着ぐるみチームのお出ましである。


カチャンカチャンカチャン!


 彼女を援護するように着ぐるみを撃つ。


あ・・・


「え?あ、ありがとう?」


 女性が俺に気づいて礼を言ってくるが俺はそれどころではなかった。


「おい、頭飛んだ、頭が吹き飛んだぞ・・」


 咄嗟の牽制射撃で狙いは甘かった。そのうちの1発が着ぐるみの頭部に当たったのだろう、頭が吹き飛んだよ。あれだよ、大統領暗殺事件のあの状態。だが、どこか現実感がない。


 女性がこちらに来るのが見えた。着ぐるみの一人が彼女を追ってくる。無心に着ぐるみを撃った。

カチャンカチャンカチャン。


 着ぐるみの腹が抉れた。脚が千切れた。意味が分からない・・・


ガザガサ・・


先程の四人が隠れた茂みから音がした。

着ぐるみが見えたので撃つ。四発撃ち込んだ。


「ありがとう。あれ?あなた、誰?」


 隣に来た女性が疑問形でしゃべっているが俺はそれどころではない。マガジンを抜いて確認した。弾はBB弾にしか見えないし見慣れた構造のマガジンだ。実弾が入っている訳ではないようだ。


 先ほどの茂みで動くものがあったからさらに三発ほど撃ち込んでおく。


「後!」


女性が叫んだ。振り向いたら近くの木から着ぐるみが躍り出てきたところだった。引き金を引く。あれ?


 あ、さっきので弾切れだ。ボルトストップしてるのに気が付かなかった!

焦る焦る焦る。マガジンが外れない。着ぐるみはすぐそこだ。


バタ


 着ぐるみが倒れた。


「ハナ、ったく、このドジ犬はなにやってんだ」


 声のした方向に人が居た。着物っぽいものを着ている。毛皮っぽい布でとりあえず胸と尻が隠れただけの女性よりはマトモな服装だ。


「お前は、何だ?ん?魔砲師・・・なのか?」


 着物男がそう言って俺達に近付く。


「私を助けてくれたよ、この人。筒持ちだから、魔砲師でしょ」


 女性は何故か得意気に着物男に胸を張っている。


「そうかそうか、お前みたいなダメ犬でも犬は犬だもんな、助けてもらって良かったな」


 着物男はペットをあやすように女性の頭を撫でている。ん?女性に尻尾?


「きゃっ」


 尻尾をさわると女性が悲鳴をあげた。素早く俺を睨んでくる。


「うう~」


 本当に犬みたいだ、よく見ると耳もケモノ耳だ。なんだよ、このコスプレ・・・


「魔砲師さんよ、急に犬の尻尾をさわったら、噛まれても知らないぞ」


 着物男が笑っている。


 そうするうちに周りは人が増えた。女性と同じくケモノ耳も幾人か居る。


 集まった人達は着ぐるみを見て回ってる。あ、今槍で突いた。


「これ、全部お前さんがやったのか?」


 着物男がそう聞いてくる。


「そうだけど・・・」


 ソレが一体何なのか、俺にはよく分からなかった。いや、分かりたくないんだ。


「魔砲で倒せる数には思えんが、見慣れない魔砲だな」


 着物男は89式を見つめている。


「撃ってみますか?」


 俺は着物男に89式を差し出す


「いやいや、魔砲なんて魔砲師にしか扱えない」


 そう言って遠慮しているが引き金を引くだけで誰でも撃てると説明して握らせた。


カチャン


あれ?今のはただのBB弾だな。木に当たって跳ね返ったのが見えた。


「あれ?ちょっと失礼」



カチャン


 何故だ、俺が撃つと木が抉れやがった。


「ほらな、どんなカラクリか知らないが、魔砲は俺にゃ扱えないだろ」


 唖然としている俺に着物男が当然とばかりにそう言ってくる。


 そして、目に触れないようにしてきたが、沢で着ぐるみの解体が始まっている。


「で、あんた誰?」


 先程からずっと隣に居るハナと呼ばれた女性が聞いてくる。


「ああ、俺は秋山好古」


 すごい名前だろ。知らない連中からは笑われ、知っている奴に似合わないと言われた。

たまたま秋山姓だったから真之か好古でと、某大作家ファンの親父が名付けたらしいが、かなり迷惑している。


「ほう、秋山とは、どこのお貴族さんかね?」


 着物男がそう聞いてくる。つか、貴族?いつの時代だよ。


「秋山だけど、貴族や武家とは関係ない」


「ブケ?貴族じゃないのに苗字持ちなんてな。よほど有名な魔砲師なのかい?」


そう言えば、



「マホーシって?」


 俺がそう聞くと、呆れたような顔で 


「面白い奴だな。魔砲師はお前さんみたいに筒の術で相手を倒す技使いの事じゃないか」


 と言って来るのだが、彼が何を言っているのかよく分からない。


「珍しくハナが人見知りしないんだ、自分の狩った肉なんだから、あの猪持って帰れ」


「いや、帰る場所が・・・」


 そう、帰るっても、ここは何処でどうやって?ジムニーも消えてるのに。


「じゃあ、うち来る?」


「犬が勝手なこと言ってんじゃねぇよ。まあ、修行か何かの途中ってんなら来いよ。村にいる間はお前さんに警戒してもらえば楽できそうだしな」


 ハナの一言に着物男が笑って言う。


「おっと、そうだ、俺は村の狩頭をやってるタカってもんだ。よろしくな」


 タカと名乗った彼は着ぐるみ改、猪を解体している連中に呼ばれていった。


 ハナは付いていかずに隣に居る。ケモノ耳・・・


 頭を撫でようと手を出したら叩かれた。


「無断で尻尾さわる変態が!」


じゃあ、何で隣に居るのさ・・・



 その後、俺も呼ばれて解体された肉を持たされた。

つか、二本脚で歩いていたモノを解体するとかなんか気持ち悪さとは別の何かに襲われるよな。犯罪的なさ・・・


「ほら、あんたはこれ持ちな」


 解体していたオッサンに解体部位を渡された。いや、もう、バラバラ殺人にしか見えないんだが・・・

何故、直視出来ているかって?そりゃおまえ、解体されちゃったらもう「肉」だからな。


「しかしまあ、いくらか魔砲だからって、頭飛ばしたらせっかくの珍味がなぁ~」


 うん、フレンチにも中華にもあるね、ナントカの脳ミソ・・・

あ~、いきなり気分悪くなった・・・



 嬉々として解体が続く、中にはケモノ耳の少年も包丁片手に解体に参加している。


「へっ、凄いだろ、うちのコロには解体覚えさせたんだ。こいつの親も包丁つかえるぞ」


 確かに、解体出来るのは凄いと思う。思うんだが、俺の疑問はそこじゃない気がするんだが、皆がそれを気にしないので俺も流してしまう。


 そうこうするうちに解体も終わり、残った内臓やらを埋めて彼らに付いていく。


暫くはほとんど以前のモノをちょっと修正しただけになります

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