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終わらない楽園 凍結  作者: 梨緒
一章 勇者は弱い
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始まりは最悪

誤字脱字など有りましたらご報告をお願いします。


「ヘッックショィ!」


自分が出したくしゃみで目が覚めた


「うぇぃ……ぁえ?ここ何処…だ?」


見渡す限りは見たことの無い木々の森の中にある丘の塔に居る様だ


自分が居るはずのない場所で混乱した俺は覚えてる限りを口に出した


「えっと名前は新見(しんみ)(はる)十五歳の高校生、部活は帰宅部…間違いない。何時も通りに家で深夜アニメを見てから寝たはず…はっ!分かった!これが異世界転生!」


立ち上がり拳を振り上げる


だが待て俺は神に会ってないぞと思い出してこれは転生ではなく召喚ではと振り上げた拳を下ろし今度は落ち着いて回りを見渡すがやはり森の中の丘でしかなく唯一は自身の後ろにある塔だけだがこの塔には入口が無くそして居るはずと思った人も居なかった


「異世界転移か?でも服が制服だしな。?今気付いたが何だよ腕輪(これ)


服は学校のブレザーで特に変化などもないが左腕には見た目腕時計の様な物に長方形のディスプレイが付いている金属制の腕輪が付けられて少し焦った


長方形のディスプレイ下に二つのボタンがあり一つはディスプレイに白と黒の二本のバーが現れもう一つはステータスぽいのをを立体映像で表示した


「おお!…ゲーム風の異世界かなでもこのステータスは」


名前 ハル

スキル なし

パッシブ なし

武技 なし


「拝啓…父さん、母さん。俺は異世界に居ますチュートリアル無し案内無しのサバイバル中で特典も無いです」


心で涙する。目から流れる汗が止まらない、えぐえぐと暫く嗚咽が漏れるていたが俺は泣いて無い。異世界でハーレム作って最強スキルで無双する事を憧れてた訳ではない


「さてと、どうするか人が近くに居れば…って居ないんだよな異世界物語なら普通綺麗な女の子か可愛い幼女かボインの娘が居るもんだろー!!!」


と大声を上げた勿論だが誰も居ないから返事が返ってくる事もなく(むな)しくなった


さて現実逃避はこれで終わりだ水、食料、道、人、のどれかを見つけなければ死ぬ未来しか見えない


と言っても見知らぬ場所でどうしろと?異世界転生では親が居るし召喚ものは召喚者が居て転移だとクラスかバスごとだし一人で始まるラノベとかあるか?いやこれ現実だった。はぁ…


「誰か助けてくれ…」


リアルorzと内心言ってる余裕があったのかそれとも現実ではありえない事が起きた為にいつの間にかの現実逃避だったのか聞こえた声は空耳かもしれない


「報酬しだいで考えなくもない」


「ん~誰か何か言った?いやここにh」


小人(こびと)…にしては大きいな。混血かこの国では珍しいな」


いつの間にか目の前に犬耳を持つ男が居てそいつは俺を興味深そうに観察していた


「っうわぁ!」


驚き後ろに下がったが背中は塔にぶつかり後頭部からゴンと鈍い音が鳴り激痛が襲った


「~っつ~、っくっい~てん゛~」


「…こいつは面倒そうだな」


頭を抑えて痛みに耐えてると男はそう言い背を向け離れていく


「あ゛待て待って下さい助けてって早!」


何とか痛みに耐えて追い掛けるが犬の耳だけで俺と何ら代わり映えの無い人だが歩く速度が早く直ぐに俺は走り出したが距離は開く一方で獣耳の彼はチラチラ此方を確認して諦めないと分かると止まってくれた


「ゼェ…ゼェ…マジ…待って…」


「チッ…()だよ」


舌打ちに嫌々の表情で向き会ってくれた彼はやはり頭に獣の耳を持つだけの普通の人に見えるがいくら獣耳(けものみみ)青年でも軽く15メートル位走っていや早歩きっぽかったが汗一つも息すら普通はおかしいし何より俺は全力疾走で追いかけたが追い付かなかった


「ゼェ…ふぅ。あの助けてください」


「やだ」


間髪入れずに答えた彼は「じゃあ」と言うとまた歩き出そうとするのを俺は必死に止める


「待って下さいお願いします!!」


「…何」


この人が居なくなると死活問題だ何とか街の場所とか聞きたいがスッゴク嫌な顔してるよ


「えっと此処は何処で…あ、いや近くの町を教えて下さい」


一瞬ここが異世界かどうか聞きたかったがもし異世界だと言われ居なくなられたらまた誰か来るまでこの丘で一人になる事は避けたい


「…報酬は?」


は?ホウシュウ?報酬?報酬!…何を言ってるのかこの人はこんな場所に手ぶらで居る俺が何か持ってるとでも。というか何で初めての獣耳(けものみみ)が男何だよ!ぁいや女の子だと緊張するかもだから男で良いか?むしろ獣耳(けものみみ)幼女なら、いやいやそんなのより報酬だ報酬が無いと町を教えてくれないのか?!何という事だ!ここは「なら案内しようか?」とか「事情が有りそうだな」とか言いつつも案内してくれる場面だろ!


「…タダでってダメですか?」


あダメかも彼の表情が無くなったこれは…


慌てて考えながら兎に角何か言おうと口に出すがそれを彼が遮った


「いやあの!」


「分かった案内しよう。ただし、町に着いたらお前を奴隷として売るが良いか?」


「なんでやねん!」


関西弁でツッコんだ。ツッコミをしてしまった。まずい唯でさえ此方が教えを項立場なのに報酬は無く良い印象を持たれてないのに…どうしよう、てか異世界ハードモードすぎだろ『町の場所聞いたら奴隷にされました』って題名付きそう。なんて現実逃避したい


「………着いて来い」


小声で「金に成るな」と呟くがその声はハルには聞こえなかった


そしてハルはハルでツッコミの姿勢から急に着いて来い発言をされツッコミが良かったのかと検討ハズレの考えを起こした


◆◆◆


丘から森まで暫く無言で歩いて来たがあれから何も言わないし此方は案内される側だし正直気まずい


ここは意を決して図々しく聞けることを聞くべきか?でも報酬とか奴隷とか言う人だしな…人で…良いんだよな


彼の頭の上にある(それ)を見る黒にうっすらとした茶色の髪の中というか上というか頭頂部にある獣耳は時折音を拾っているのかピクッと動く


獣人(じゅうじん)なのか?」


(けもの)の耳を持つ者をジュウジンと呼ぶならジュウジンじゃないか」


つい口に出していた様で予期せず話しかけられ驚いた


「え!?そうですか」


「まぁオレ達は獣人(けものびと)と呼ばれてるがな」


「へぇ獣人(けものびと)変わっ、そうですか獣人(けものびと)ですねHAHAHA」


「…お前の名前は?何処から来た」


初めて会話が成立した。しかも名前とか、少しは興味持ってくれたのかな


「俺(はる)って言います。新しく見るひなたと書いて新見陽しんみはる


「ふぅん…で?何処から来た」


「えっと分かりません目が覚めたら彼処に居て」


今起きたことを話して改めて不安に襲われた


初めは異世界転生とか浮かれてテンションが上がってたが今は違う獣人(けものびと)を見て異世界を改めて認識すると自分は洒落にならない程危ない状態だった


あのまま彼が無視して行ってしまったら俺は何も知らないこの森をさ迷うだろう水も無ければ食料すら無い状態でだ


彼には感謝しかないなと思うとふとまだ彼の名前を知らない事に気づく


「起きたら彼処…ね」


「あの貴方のお名前は?」


「ウルフ」


彼は一言ウルフと言う


(ウルフ)か犬耳じゃなく狼か、と思いきや


「またはヴォルフかルプスまぁ好きに呼べ返事しないから」


彼は自身が狼と言うだけで結局名前は教えないようだ


どれも狼の他国読みじゃんしかも返事しないって


「お前何かスキル有るか?」


ウルフが話をまた振ってくる


「スキル…この腕輪から出るヤツか?それならなしって出た」


ウルフが振り返り左腕の腕輪を一瞥してそうかと返す


「ウルフは。ウルフって呼ぶな?でウルフはスキル持ってるのか?と言うかウルフは冒険者なのか?」


これ幸いと聞きたいことを聞く少し馴れ馴れしいかと思ったが見た目の年齢が大差なくラノベの冒険者は大体砕けた言い方が多いからと無意識にタメに成ったがウルフは気にした様子は無かった


「他人にスキルなどの詮索はするな常識だ」


「え゛って自分は聞いて来たじゃん!」


「それに冒険者じゃなくただの物見遊山だ」


「ものみゆさん?」


「はぁ。物を見て遊び歩くという意味だ。字では歩くではなく山と書く知っとけ」


へぇ物見遊山ね。ん?ウィンドウショッピングみたいなのか…ん?森の中に?


「お前違う事想像しただろ」


「え゛」


「物見には衣服や日常品とかだけでなく工芸品や舞、紅葉や町並みその場所ならではの食べ物等も含む。つまりは旅人だ」


「あっああ、なるほど」


「これは駄目だな」


それっきり話は終わりまた黙々と山の中を歩き続け一度も休憩はなく体感だが4時間は歩き続けただろうか疲れが出始め休憩はを提案した


「す、すまんがそろそろ休憩しないか」


「は?何言ってんだこんなにゆっくり歩いていて休憩?しかもまだ2時間も経ってない莫迦(ばか)言わずに速く歩け」


「む無理だせめて水をくれ」


「水は無い」


なんだと水が無い?!馬鹿はお前だウルフ水が無いのにどうして森なんかに入った


「大体この死の森には即死性の高い物しかなく森に入る者は解毒用の毒草や特殊な薬草の採取以外では命知らずも入らねぇよ」


死の森?毒草?この森危険なのかよ!


「それに死の森(ここ)は魔物が多いが魔物より魔人の住みかが近いから高ランクの傭兵でも10人以上じゃ無きゃ入らねぇよ」


マジかよ俺なんて所に転移してんだよ。いやさせられたっぽいけどさ、それ聞くとウルフとの出会いが幸運というか神の助けなのか


「分かったら歩けこの速度だと町に着くのに5日掛かるぞ」


「5日!?どんだけ遠いんだ」


「オレだけなら半日で着くがな」


うっそれを言われると…てか5日の距離を半日でってどんな速度だありえんだろ。でもここ異世界だし獣人(けものびと)だしなありえるのか


「はぁあ異世界はハードモードかよ」


読んでくださり感謝です。


次回の更新を気長にお待ちください。

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