我が愛するＳＦ小説家、フィリップＫディックよ、永遠なれ。

作者：舜風人

ＳＦ　小説は、病んでいる？

というか

正常な精神では書けないといおうか。

だって

遠い宇宙のかなたの異星人の抗争とか

心の深層の襞を妖しく妄想したり、

平凡な

普通の精神だったら

書けませんよね？

何というか

病んだ精神というか

病みただれている？というか

特に

ＳＦ小説のジャンルで

いわゆる「マッドドクター」物ってありますよね。

これらはそれこそ典型的な

病める精神の生み出したものでしょう。

古くは

「モロー博士の島」とか

「サイクロップス博士」とか

そして

最近では

こうしたマッドドクター物の全盛期ですね？

心理劇的なマッドドクター系が

最近の流行でしょうか？

いわゆる妄想系、、、妄想オチってやつですね。

この系統の

創始者？が

だれあろう

あのフィリップＫディックでしょうね。

彼自身も相当

病んでた？人のようです。

彼は

常に

「この世界はリアルな偽物なんではないか？」という

強迫観念に苛まれたようです。

彼の作品を映画化したいくつかを見ても

それは顕著ですよね。

映画「スクリーマーズ」

自己増殖して進化し続ける殺人マシンは人間型ロボット（アンドロイド）さえも作り出していた。

純真そうな少年も、、実は、、殺人兵器だったという、、。

映画「トータルリコール」

肉体労働者のシュワちゃんが実は記憶を消された全くの別人格だったなんて。。

映画「ブレードランナー」(原作。電気羊はアンドロイドの夢を見るか？）

全く生人間と見分けのつかないレプリカント（アンドロイド）たち

映画「クローン」

未来、、異星人との抗争に明け暮れる地球、異星人は地球人の完全なコピー（クローン）を

作り送り込んでくる。全く見分けがつかないのだ。

もちろんディックの世界は病んでいる。

というか病み爛れている。

どの作品にも顕著な

現実崩壊感覚

自己崩壊感覚

言ってみれば精神障碍者のしばしば経験する世界でもあるだろうか？

と言ってディックが精神を病んでいたという確証もないが。

彼は薬物にも強い関心があったようだ。

また、神秘体験もしているし

それに基づいて晩年には、

「ヴァリス」３部作という神秘的宗教小説、、というか、、

啓示？小説も晩年には書いているほどだ。

このヴァリスという小説は

なんというか思想小説というか

啓示文学とでも言うか

単なるＳＦ小説の範疇には収まりきらないことは確かだ。

さて私が好きな小説『時は乱れて』にも色濃く反映されています。

これは、、、

田舎町で懸賞王として有名な一人の男、でもなんか変なのですね。

なにかがおかしい、

彼はこの田舎町から脱出をこころみます、

しかしことごとく阻まれてしまいます。

その背後になにがあるのでしょう？

ディック初期のミステリーＳＦですね。

お次はこれだ。

「高い城の男」

言わずと知れた

フィリップｋディックの歴史改変ＳＦの傑作だ。

この人

つまりディックという人は

実生活でも

現実に違和感をいつも抱いていた人だったようだ。

我々も

ひょっと、

俺は

夢を見てるんだろうか？

という現実乖離間に襲われることってありますよね？

さてそうした

私は誰？

ここはどこ？

という違和感を

描いた作品としては

「時は乱れて」という傑作がありますが

ここで取り上げるのはそれではなくて

もし第２次大戦で

ドイツと日本が勝利していたら？

という

もしも（イフ）ということを

描いたディックの問題作です。

「高い城のおとこ」はまさにそういう歴史改変ＳＦ小説の

金字塔でしょうか。

（「鉄の夢」ノーマンスピンラッド作という作品もディックの影響下に書かれましたね

。

これもイフというか、他次元世界戦争記みたいなＳＦです。アドルフヒットラーが登場します。）

さてこの『高い城の男』という小説では

アメリカは、枢軸国に負けてしまって

ドイツと日本の共同統治

オキュパイドアメリカになってしまっているんです。

ワシントンには鉤十字の旗がひらめいているんですよ。

どうですか？

読みたいでしょう？

そして、、、、、

おそらくは彼最高の傑作がこれだ。

「フロー　マイ　ティアーズ、ポリスマン　セッド」　

『流れよわが涙、と警官は言った」

でしょうね。

これは解説のしにくい？というか

まあ読んでもらったほうがよい？小説でしょうね？

あらすじ（ウイキペディアより引用です）

舞台は1988年10月11日のアメリカ合衆国。ちまたでは『ジェイソン・タヴァ・ショー』と呼ばれるバラエティー番組が話題となり常に高視聴率を維持し続けている。その番組の司会でもある3000万の視聴者から愛される容姿端麗の男、ジェイソン・タヴァー。彼は歌手でもあり俳優でもある所謂マルチタレントであった。火星のコロニー住民にも存在を知られている。彼の経歴などは謎に包まれておりファンも正体についてまでは知らなかった。実態はスィックスと呼ばれるデザイナーベビーであり遺伝子操作されて生まれた新人類である。彼らはあらゆる所に拠点を置いて生活している。彼の番組は夜中に放送され多くのファンを魅了していった。なお私生活も悠々自適であった。ある日、彼は見知らぬ安ホテルで目を覚ます。気がつくと手元の身分証明書が無くなっており馴染みのある知人やファンからも存在を忘れ去られていた…… 突然の理不尽な出来事に納得ができないタヴァーはあらゆる手段を使い自分のアイデンティティを取り戻そうとするものの物的な証拠は見つからず国家のデータバンクからも存在自体が抹消されていた。本人が所持しているIDすら偽造のものであった。

彼は存在しない男になっていた。もはや誰も自分の存在を知らない無色透明な存在…自分に関する手がかりを探して行く中で警官にも追われることとなり、彼の身に次から次へと奇怪な出来事が起こるようになる。そんな中で自暴自棄になった彼が起こした行動とは。ラストは衝撃的な事実が明かされることになる。

これが、なんと映画化されるというではありませんか？

楽しみですね？

まだ完成していない？

完成はいつでしょうか？